2020年9月の夏に1ヶ月滞在した北海道美瑛町に2021年2月の真冬の1ヶ月間、再び滞在しました。
Wifiとパソコンがあればどこでも仕事ができるようになったら、夏は北海道、冬は暖かい南国生活がいいかなとなんとなく想像してたのですが、いざノマドが可能になり冬を迎えた今年、なぜか極寒で雪の多い北海道美瑛町に戻ってきました。
自分の気持ちは自分でも意外にわからないものなんだなと笑ってしまいました。
最初は、沖縄やそこまで行かなくても静岡の伊豆あたりなんかも考えてたのですが、「山がない」というのがどうも寂しく感じました。海を眺めるのは好きですが、マリンスポーツは特に興味がないので、1週間くらいで飽きてしまいそうとも思いました。
また、民泊エアビーの口コミで、冬でもGが出るというのをけっこう見てゾッとしたのもあります。
昨年の2月は、東南アジアのビーチにいたのですが、虫・爬虫類に怯えましたし、なによりも暑くてじっとりとした空気が苦手だなあと思った記憶が蘇ってきて、北国育ちの私は冷たい空気が吸えない地域はあわないと思い直しました。
そして、年末年始に長野でほんのり降った雪景色を見てたら、本格的な雪景色が見たい、ピリピリ痛いくらい寒い空気を吸いたいと思い、北海道へ戻ってきました。
本記事では、1ヶ月、真冬の美瑛に滞在してみた感想、北国ならではのびっくりしたこと、安くない生活費などご紹介したいと思います。
北海道への移住を検討している方の参考になりましたら幸いです。
真冬の美瑛の様子
昨年の夏に訪れた時に感じた、まるで絵本の世界!という美瑛への印象はそのまま、
すっかり雪化粧してる美瑛は、夏とはまた違う美しさで毎日毎日感動しました。
夏はぼんやりとしか見えなかった十勝連峰の存在が、とても大きいのがまたまた大きな感動でした!
たっぷりと雪がかぶっていて神々しい。北アルプスとはまた違った素晴らしさです。
アラスカの山の写真を見て憧れてたのですが、そのアラスカの山々と似てる感じがしました。
借りたお家は、街からは離れた場所にあり、美瑛の丘や十勝連峰が見える静かな場所にあります。
お部屋からは真っ白な丘の上に上がる朝日が見え、外に出ると360度の絶景!
晴れた日は、冬季通行止めの道路をワカンで散歩して、自分だけの絶景を満喫するのが何よりも楽しみでした。
車の音が一切しない静かで広大な場所を独り占めです。
除雪された道路からも絶景が見れますが、除雪されてない場所の方が綺麗だなあと思いました。そんな場所は人工物もないので、より綺麗に見えたのかも。
それでは、真冬の美瑛の素晴らしい景色写真を並べますので、ご覧ください。
ネットで楽になった田舎生活
今回借りたお家は街からはかなり離れた場所にあり、車がないと生活できないと言われてたのですが、先月の安曇野生活で片道2時間かけてスーパーへ通う生活を体験した自信があり、今回思い切って滞在してみました。
こちらの家もスーパーまでは片道徒歩2時間で、歩いて通う気満々だったのですが、生協の宅配サービスがあったので配達してもらいました。
雪で歩道は無くなり道路が狭くなっていて危険だったのもあり、徒歩で街へ行くというのは断念したというのもあります。
どんなに体力に自信があっても、雪国の冬の移動手段は車じゃないと危険だと実感しました。
そんな中でも頑なに車なしで生活してたのですが、これはネット世界が発達した恩恵。
ネットのおかげで仕事は家でできるし、買い物も家でできるから、生活のために外出しなければならないことは無くなりました。
生鮮食品は生協の宅配サービスで、その他、日用品や服などは楽天かアマゾンのネット通販で十分。
病院通いがあれば大変ですが、そんな心配もなければ、外出は天気のいい日に散歩に出るだけです。
なんて素晴らしい世の中になったんだろうと、しみじみ思いました。
車は何度か検討したのですが、私が車を必要とするのは、緊急で病院へ行きたくなった時と、バスで行けない山へ登りに行きたくなった時くらい。
月に1度あるかないかの頻度になるので、車の購入費・維持費を考えると、タクシーを利用した方がずっと安上がりだと思いました。
また、病院へ簡単には行けない緊張感から、今まで以上に健康に気をつかうようにもなりました。
週1で届けてもらう食材(毎週選べる)
北海道の生活費は安くない?
田舎で暮せば家賃が安くなって生活費も下がると思ってましたが、北海道の場合は、冬の暖房代と車代が必要になり、そんなに安くはならないのではと思いました。
暖房費が月1.5万円〜、ガスはプロパンガスで都市ガスの3倍くらいと言われてます。
と言われていてビビっておりましたが、実際に1ヶ月暮らした結果の光熱費はこちらです。
そんなに高くなかった^^;
2021年2月の1ヶ月分の光熱費
ガス料金(プロパン)
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2,508円
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電気料金
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3,859円
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水道料金
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1,686円
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灯油料金
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7,000円
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インターネット料金(Wifi)
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1,120円
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合計
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16,173円
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実際に真冬の2月の1ヶ月間暮らしてかかった光熱費は、合計17,859円!
灯油代は最低でも14,000円はかかるかと思ってたので、想定の半額でびっくりでした!嬉しい!
24時間、家全体を暖め続けてたのにこの料金で済むとは、寒冷地仕様の家に住むことの重要性を改めて認識しました。
インターネット代が安いのは、集合住宅で分けて利用してるから(?) と聞いてます。マンション借りる時もこの方法にしてくれたら安くなっていいですね。
心配していたプロパンガスは、思ってたほど高くなくてホッとしました。あまり自炊してなかった東京暮らしの時の冬のガス代とそんなに変わりませんでした。
真冬の美瑛で驚いたこと
雪かき事情
美瑛は北海道の中でも雪が多い地域と聞いてたので、雪かきが大変ということを覚悟してました。
が、1ヶ月間、雪かきをしたのは数日に1回ペースで、1度の雪かきは5分以内くらいで終了です。
家の目の前まで除雪車が入ってくれるので、私は家の入口前とベランダの前をやるだけ。
車がないので、入口が塞がれない程度にしかやりませんでした。
ただ、もし車で通勤が必要な場合は、車の分の雪かきが必要で、その分早起きが必要だと思います。そして、大雪の日は除雪車が入らないor遅れることもよくあり、そんな日は通勤を諦めるのだろうか、どうするんだろう・・・と眺めてました。
水道管凍結の心配について
先月1ヶ月滞在した長野のお家(オーナー夫妻と同居)では、トイレが凍結で流れなくなったり、水道管が破裂したりと、何かと水事情が大変そうでした。
北海道はより大変だろう、水抜きは毎晩しなければならないのかと思ってたのですが、−20度になるほど寒い日が何日かあったこの1ヶ月、一度も水抜きすることなく無事に過ごすことができました。
(※水抜きとは、寒冷地において、低温による水道管などの凍結や破損を予防するために、あらかじめ水道管の水を抜いて空にしておく対処のこと。Wikipediaより)
24時間、家全体を暖め続けるために水道管は無事なんです。(ただ、古民家の場合はそうはいかないと噂で聞きました)
暖房費がもったいないので、夜は水抜きして暖房はオフにしたいなと思ったのですが、水抜きしても水道管は凍結してしまうことがあるので、暖房は入れっぱなしがいいと、色んな人からアドバイスもらいました。
もし水道管凍結・破裂なんてしてしまったら、かなり費用がかかってしまうので、暖房費は節約しないほうが結局は節約になるよと。
寒冷地仕様の家は暖かい
美瑛で借りたお家は、コンパクトな吹き抜けのロフト付一軒家。
このお家をお風呂・トイレも全て丸ごと24時間、灯油ストーブで暖め続けてかかった1ヶ月の灯油代は7000円ほど!
室温は、夜は10度くらい、日中は20度くらいに設定して節約モードです。
先月の長野での暖房費は、8畳のお部屋を日中だけ暖めて灯油代が月15000円ほどでした。室温は同じく20度ほど。
寒冷地仕様のお家の実力を実感しました!
ドアが凍結して開かなくなった
雪かき、水道管凍結、暖房費が、真冬の美瑛で暮らす心配事だったのですが、ドアが凍結して開かなくなるというのは全く予想も想像もしてませんでした!
ドアが開かない朝、もしかして入口前に雪が吹き溜まってるのかと思い、ベランダから外に出て確認すると、雪は全く溜まってません。
念の為、入口だけではなくベランダ前もしっかり雪かきしておいて良かったとしみじみ思いました。
ドアの下を見ると、氷でしっかり固定されてるのを確認しました。
お湯をかけて氷を溶かそうとお湯を沸かしてると、ちょうど役場から電話があり、このドア凍結の相談をしてみたら、
「お湯をかけて溶かすとまたそれが凍ってしまい、帰宅した時にドアが開かなくなる心配があるので、力づくで開けるのが1番」と教えてもらいました。
このタイミングで電話もらえて助かりました。
ここで電話もらえなかったら、家を出たはいいものの、帰宅したら家に入れないなんて悲しいことになってたかもしれません。
晴れの日がほとんど無い
これはその年によって変わるのかもしれませんが、2月の1ヶ月間で、スッキリ晴れた日は3日間と半日だけでした。
あとはずっと曇りか雪が降っていて、時々、擬似好天みたいに晴れ間がちょっとあるという感じ。
地元の人にこの気象について聞いてみたところ、
「例年はもっと晴れの日が多いんだけどねえ」という人と、
「例年はもっと荒れて酷いのよー」という人がいて、
結局、例年はどうなのかはよくわかりません(笑)
とりあえず、今年の2月はずっと天気が悪かったです。
滞在したお家
後日掲載予定。
雪国暮らしで便利なアイテム
日常的に使うアイテム
雪国暮らしで便利なアイテムとして、車を持たない私がとっても重宝してるものがこちらのチェーンスパイクです!
ほぼどんな靴にも簡単に装着でき、これを付けたらもう凍結路面で慎重になる必要が無くなります!
このスパイクを付けてないと、私は怖くてかなり消耗してしまうので、精神的にも体力的にも全然楽。
散歩をより充実させるアイテム
雪景色の中の散歩をより充実させるおすすめアイテムはスパッツとワカン。
現地の人は長靴を履いてましたが、私は長靴を持ってないので、この登山で使うスパッツを常に付けてました。
これで靴の中に雪が入る心配がなくなるので、除雪されてない道路も歩くことができます。
そして、登山のラッセルで使うワカンは、除雪されてない道路の散歩で大活躍。
スノーシューの方が歩きやすいですが、値段が高いのがネック。ワカンは安くて軽くてコンパクトなのがメリット。
小さなリュックに入るので、持ち運びが楽です。
まとめ
真冬の北海道はずっと敬遠してたのですが、夏に過ごした美瑛の風景があまりにも素敵だったので、ぜひ雪景色も見てみたいなと来てみた1ヶ月。
通勤や買い物などで毎日外出しなければならないということがないので、特に不便に思うことがなかったのが拍子抜けでした。
また、冬の光熱費が気になっていたのですが、そんなに高くなく、夏のエアコン代と相殺できるくらいでホッとしました。
そして、夏も素敵でしたが、冬はよりいっそう素晴らしい景色、まるで絵本のような世界に毎日毎日感激していて、来て良かったなあと思ってます。
こんなに毎日景色に感動できる場所なんて、なかなか無い。
ヒマラヤと同じくらい大好きな場所になりました。
春と秋はヒマラヤ、夏と冬は美瑛の2拠点生活なんていいなあと妄想してます。