2019年10月に登頂したネパール アイランドピーク(6,189m)の山行日記3です。日記2はこちら
登頂のために必要な費用やスケジュール・利用した現地旅行代理店情報など、概要は下記にまとめています。
>>【海外登山】ネパール アイランドピーク Island Peak 登頂!
Day11 ディンボチェーチュクン(4743m)
晴れのち曇り
ディンボチェから先は初めて歩く道なので、新鮮!広々と開けていて、危険箇所もなく、のんびり歩いてチュクン到着。
クライミングガイドとの待ち合わせとなるロッジ「チュクンリゾート」に宿泊しました。
とても大きくて立派なロッジ。お客さんもたくさんいるけど、居心地はいい。
ロッジを仕切っているのは、頼れるお母さんという感じの中年女性。安心感がありました。また、とても親切でいつも励ましてくれるスタッフがいて、私はここで合計4泊しましたが、ずっと心地よかったです。
Day12 チュクンーチュクン・リーチュクン(4743m)
晴れのち曇り
高度順応兼ねてチュクン・リへ登ろうと、5時半に起き、朝食を食べたあとにランチBOXを作ってもらいました。
ランチBOXは1400Rsと、これまでで最高額のランチへの出費ですが、内容は、
- ツナチーズサンド
- ゆで卵2個
- ヤクチーズ
- スニッカーズ
と、1400Rsのお値段も納得の充実した内容でした。
このランチBOXと水、防寒着、ヘッドライトなどをバックパックに詰めて7時に出発。
私の前後には単独の男性が2名いて、お互いに追い越し追い抜かされ、そしてみんなで一緒にルートミスしました。
辛い渡渉を3度ほどしたあと、道なき道を登って、やっと正規ルートへ。
登っても登っても見えていたピークにたどり着くと、さらに奥に広がるピークが見え、とても遠く感じました。
登ってきた道を振り返ると、広大な景色が広がっています!
標高5200mあたりまではとにかく歩けばよかったのですが、その先にあるチュクンリと思われるピークを見上げてビックリ!
なんと、私の苦手な岩山です!
写真中央の黒いピークがおそらくチュクンリ。写真で見ると大したことのない丘程度に見えますが、ここまで登ってこの丘を見上げた時はけっこうガッカリしました。まだ登らなければならないのかと・・・しかも岩山でルートらしきものが見えない。
このチュクンリについては何も調べていなく、一般ルートに設定されていたので、問題なく登れるだろうと軽く思っていました。
でも、登り進めるうちに、これはトレッキング道・一般ルートと呼べるのか!!!と、驚くほどの危険箇所の連続。
両手を使って、ほぼクライミングルートです。
私の後ろに2人いたので、追い抜かしてもらいました。そしてさらに進むと、一歩間違えたら「滑落」の世界。
何も調べずに来たのをとても後悔しました。こんな道になってるのを事前に調べて知っていたら、絶対登らなかったぞ!と。
これ以上登っても下れないと思ったので、ここで下山することにしました。
チュクンリについて調べてはいなかったけど、定年退職したおじさんおばさん達グループが登って来ましたという写真などは目にしていたので・・・ まさかこんなに困難な道だったとは と無念な気持ちでいっぱい。
あのおじさんおばさん達は、こんな危険なところを軽々と登って行ったのか・・・。
しぶしぶ下山を始めるも、涙目です。危険すぎて怖くて。これが普通のトレッキングルートだなんて許せない!!!地図を書き換えてもらうよう抗議しなければ!!!
などと思いながら少し下ると、なんと、歩きやすいルートが見えます。
私はすっかりルートミスしていたということがここで判明。
なんだーと安心し、再び登り始めます。でも、すぐにルートを見失いました。
ここは日本の山のように、岩などに矢印がついていなく、とてもわかりにくい。間違えたルートから周りを見渡すと、歩きやすそうな正規ルートが見えて悔しい。でも、戻るのも困難なので、そのまま登ってみる。そして、なんとか正規ルートに合流。
そのあとは、頂上まで正規ルートが見えていたので、楽に登れました。
頂上からの風景は素晴らしかったのですが、それよりも、下山が怖いなということで頭がいっぱい。
頂上にいた中国人男性が、早口なわかりにくい英語で話しかけてきたのですが、何を言っているのかさっぱりわかりません。表情は笑顔なし真顔だし、大声だし、ちょっと怖い。
私が理解できないで困惑していると、最後には「スマホを貸せ」と何度も言われたので、なぜスマホを貸さなければならないのかわからなかったけど、とりあえずiPhoneを差し出す。
私のiPhoneを手に取り、iPhoneはいいスマホだと褒めちぎったあと、なんと、何カットも写真を撮ってくれました!
なんてウザイ人なんだと思ってしまったことが申し訳ない。
そういえば、これまで旅先で出会った中国人・韓国人は、声が大きくて早口で何言ってるかわからないけど、みんな、無表情でお節介なくらい親切にしてくれたなということを思い出しました。
このあと、数人頂上に到着。みんな単独。単独の集まりで5〜6人ほど。この人数でほぼ頂上は満席です。
みんな和やかに会話していて、できれば私もこの会話に混ざり、高度順応のために30分以上はここに留まっていたかったのですが、このあとは険しい岩山を降らなければならないと思うと、とてもとてものんびりしている心の余裕はなく、すぐに下山開始。
下山するときに、「怖いなー・・・」と呟くと、みんなが「ゆっくり ゆっくり」と言ってくれたことだけが励みです。
恐る恐る下山していくと、登りとは違い、正規ルートがずっと見えていて、ルートミスすることはありませんでした。
しかも、歩きやすい。
私はしなくてもいい苦労をしただけでした(笑)
岩山を下りきり、あとは緩やかに下るだけという所に到着した瞬間、安心感からお腹がすきはじめ、ここでやっと持参したランチBOXを広げました。
ツナチーズサンドは間違いなく美味しい。
ヤクチーズは、その独特の香りに、最初は腐ってるんじゃないかと疑いながら一口だけ食べました。匂いがきつすぎるので、一口食べて食べるのを辞めたのですが、
その後歩きながら、なぜか臭いヤクチーズが食べたくなりました。
小休憩で、またヤクチーズをひと口、ふた口。やっぱり臭いな、と思いながら食べるのを辞めます。
さらに歩きはじめると、またヤクチーズが食べたくなり、頭の中はヤクチーズのことでいっぱい(笑)
このような感じで、チュクンへ下山完了するまでには完食してしまいました。臭いけど美味しい、日本の納豆みたいな存在でしょうか。
このヤクチーズは、ヒマラヤトレッキングの行動食にぴったりです。ビスケットだとボソボソして食べにくいし、チョコレートは私はあまり好きではないので。
ランチBOXについていたスニッカーズは、結局ずっと食べなくて、どこかの村でチョコレートちょうだいと言ってきた子供にあげました。
チュクンに到着する少し前、登りではルートミスして大変な渡渉を3度もしたところも、正規ルートと思われる道は、渡渉もありましたが、とても楽でした。
ということで、このチュクンリは、道を間違えなければ、困難な箇所はありません。
登山口と、頂上直下の岩陵帯のルートがわかりにくいというのが感想です。また行くことがあれば、現地の人にガイドしてもらわないと、また同じルートミスをしてしまいそうです。
ロッジに到着した時にはもうクタクタ。
標高差800mの登り下りでこの疲労感。アイランドピークは、ここより標高が高くて標高差1100mを登り下りしなければならなく、さらにロープワークがある。私は大丈夫だろうかと一抹の不安がよぎります。
不安と疲労でクタクタになりながらも、ロッジのダイニングでお茶をしていると、スタッフが励ましてくれました。「あなたは強い女性ね!」と。
ああー、なんて素敵なロッジ!
Day13 チュクン(4743m)
晴れ
ゆっくり起床。今日はここでレスト。
ロッジのスタッフに、このあとはアイランドピークに行くことと、クライミングガイドとはどこで何時に出会えるのか聞いてみました。
予約券を見せると、どこかに電話して確認してくれています。
ガイドとは、明日の朝9時半にここで合流とのこと。レンタルブーツはここで借りることになるのだけど、なんと、プラブーツしかない!
覚悟はしていたけど、プラブーツはできれば避けたいと思い、他のロッジでレンタルできないか聞き込み調査に出かけました。
とあるロッジで、プラブーツではないブーツのレンタルは可能でした。
ただ、レンタル料は7500Rsの上にデポジットが500USドルまたはパスポート。
500ドルなんて持ってないので、私はパスポートを預けるしかないのですが、もしアイランドピークで何かあってヘリで下山なんてことになったら、パスポート回収できないし、パスポートを預けるなんてそもそも不安すぎるので、ここでのレンタルは諦めました。
一応、実際にブーツを見せてもらうと、以前登ったメラピークでレンタルした、スポルティバのネパールエボが5足ほどありました。
夜ご飯はすっかり気に入ったベジヌードル。
味が薄かったので、日本から持参した醤油をかけようと思ったのですが、ふとテーブルにある調味料たちを眺めると、醤油ぽいものを発見。試しに少し垂らして舐めてみたら、なんと、日本の醤油と全く同じ味がします!
パッケージをよくよく見ると、「SOYA SAUCE」!
6度目のネパール訪問で、初めて日本の醤油がエベレスト街道に普及していることを知りました!
感激です!!!
Vlog(YouTube)
こちらの記事もおすすめ