2019年10月に登頂したネパール アイランドピーク(6,189m)の山行日記5です。日記4はこちら
登頂のために必要な費用やスケジュール・利用した現地旅行代理店情報など、概要は下記にまとめています。
>>【海外登山】ネパール アイランドピーク Island Peak 登頂!
Day17-24 チュクンーカトマンズ
体調はまあまあ復活していたけど、風邪ぎみで咳喘息もはじまっていたので、このまま標高を下げていくことにします。
まだ予備日がたくさんあるので、元気だったら、まだ歩いたことのないコンラパスを歩いてみたかったのですが、また今度の楽しみにとっておくことに。コンラパスは美しい湖が見えるのでいつか歩いてみたい。
来た時と同じく、ディンボチェ1泊、タンボチェ1泊、そして、まだ訪れたことのないクムジュン村で一泊。天気はずっと曇りだったので、私の登頂日はとてもラッキーだったんだなと、優越感に浸りながらのんびり歩きました。
メラピークの時も快晴無風だったし、全ての運を、このヒマラヤ登山で消費してるような気がしてなりません。
タンボチェでの宿泊ですが、タンボチェのちょっと手前にあるディボチェから、全てのロッジに宿泊打診をしながら歩き、ディボチェは全滅。3000Rsのデラックスルームは空いてましたが、500Rsの普通の個室はどこも満室。行きに泊まったタンボチェのロッジにかろうじて泊まらせてもらえましたが、ダブルルームしか空いてなかったので2人分の1000Rs払いました。
クムジュン村
想像していたよりもかなり大きな村でした。
天気がよければ、ヒマラヤの山々が見えたのだと思いますが、あいにく曇りだったので、建物を眺めるのみ。
ロッジは沢山あり、私が宿泊したロッジは、客は私だけでした。そして、宿泊費はなんと、200Rs!ここはエベレスト街道の商業エリアではないということなのでしょうか。
個室はとても綺麗で、時々、アマダブラムと思われる山が見えました。
水場では、子供達が元気に遊んでいて、のんびりしたいいところだなあと思います。
速度は確認しませんでしたがWifiも使えます。
ベーカリーカフェもありました。
標高は約3800mとタンボチェと同じくらい。タンボチェではロッジ確保に苦労したのに、ここでは清潔で快適な個室がいとも簡単に確保でき、そして、200Rsです。
次回からは、タンボチェ・ディボチェの滞在は避けて、ここで高度順応しようかなと思いました。
ナムチェ
クムジュンで一泊したあとは、ナムチェへ。相変わらずの曇りで、ヒマラヤの山々は見えません。
2週間ぶりの洗髪を、ヘアサロンでしてもらい、露天でウェットティッシュを買って全身拭いてサッパリ!
ナムチェ中央にはこんな看板があり気になりました。ずっとCLOSEと書いてありましたが。営業することがあるなら凄いですね。標高3800mでサウナ!ぜひ入りたい。
そして、ともだちレストランへ行き、日本食で蘇ります。冷蔵庫を発見したので、禁断のお肉を食べました!
すき焼き定食
もう、色んな栄養が体に行き渡る感じがして嬉しかったです。
翌日は、麻婆定食
見た目はちょっとガッカリ感がありましたが、味は美味しくて、また食べたいなと思いました!
豆腐と肉のタンパク質が何よりも嬉しい♪
そしてこの後、お腹の調子が悪くなるなんてことはありませんでした。
2日目は、もうナムチェではすっかり常宿となったlasha guest housuのオーナーがシェルパ博物館へ連れて行ってくれました。
一昔前のシェルパの家の中や、生活道具が展示されています。
奥の建物には、歴代のエベレスト登頂シェルパの写真と、女性登山家の写真などが展示されていました。
女性登山家の中には、田部井淳子さんと河野千鶴子さんの写真が大きく飾られていて、同じ日本人女性として勝手に誇らしい気持ちになりました。
ナムチェールクラ
数日ぶりに晴れました!晴れたナムチェを沢山写真に納めてから出発。
パクディンで1泊し、ルクラへ。
リコンファームをお願いしていたロッジは満室だったので、タラロッジへ。
このタラロッジは、ルクラの商店街からは離れていてとても静か。でも、飛行場には近いです。建物は立派で清潔。2度宿泊しましたが、騒がしい団体客に遭遇したことはありません。
スタッフは無愛想ですが、食事も美味しいので、ルクラでは私はこのロッジがお気に入りです。一泊500Rs。Wifiあり(別費用)。
カトマンズへ戻る飛行機は明後日だったので、1日早めてもらおうとルクラのsita airオフィスに行くも、閉まっています。14時にはオープンすると聞いていたのですが、いつまで待ってもオープンしなかったので、諦めて、タラロッジのスタッフにお願いして、1日前倒ししてもらいました。
急いでカトマンズへ戻る必要もなかったのですが、明後日の天気が怪しかったので、天気がいい明日の方が確実かなと。
ルクラーカトマンズ
ファーストフライトではなく10:30のフライトでしたが、1時間ほどの遅れでラメチャップ空港(マンタリ)行きの飛行機に無事乗れました。
ラメチャップから到着した飛行機にすぐ乗り込み、全員が着席した数分後には離陸という、飛行機というよりもバスみたいな感覚でした。
15分ほどのフライトで、ラメチャップ空港に到着。
ラメチャップ空港からカトマンズまで戻るバスは、乗ってきた航空会社(私はsita air)のカウンターへ行き、ボーディングパスを見せるとツーリスト専用バスへ乗せてもらえます。タメル地区の入り口まで送ってもらえ、バス代は航空チケットに込みなので無料です。
団体ツアーは他の専用バスが用意されているようで、個人客で満席になるまでバスは出発しません。
ラメチャップ空港は標高500mほどなので、Tシャツ一枚になっていても暑く、暑さに弱い私はとても辛かったです。
ルクラ空港ではフリースに薄手のダウンを着こんでいたのに、たったの15分でこの差!
暑さでどうにかなってしまいそうな頃、やっと満席になり出発。
エアコンはなしですが、窓からの風で涼しい。 と思ったのは束の間。
排気ガスと埃で、一気に気持ちは萎えました。すっかりマスクを用意するのを忘れていたことを後悔。マスクはバックパックの中で、すでにバスの天井に納められているため、取り出せません・・・。
途中、ランチ休憩を挟み、カトマンズへ到着したのは、なんと、18時半!6時間半かかりました。
ランチ休憩で立ち寄ったランチスポットで食べたナンとラッシーは絶品でした!さすが本場です!
そして、美味しいのに安い!ああー、下界に戻ってきたんだなあと実感します。
Day25-28 カトマンズ
カトマンズに到着後は、まずは日本食レストラン「おふくろの味」で日本食を堪能し、ずっと洗っていないウェアの洗濯をしてもらい、シャワーを浴びて、下界人に戻りました。
旅行代理店
小綺麗になったあと、旅行代理店へ行き、サミットできた報告とレンタルシュラフを返却に。
登頂の喜びを伝え、次の登山予定も相談しました。
次回はchuluか、ロブチェピーク。
chuluは、今回のようにすでにBCが設置されていたり、BCでギアレンタルやクライミングガイドの斡旋がないため、カトマンズからテント道具やクライミングギア全てを持ち込む必要があり、クライミングガイドともカトマンズから一緒に行く必要があるとのこと。
それだと費用が高そうだなと思ったのですが、全日程のクライミングガイド1人、ポーター1人、宿泊費・食費、交通費、パーミッション混みで1500USドルくらいとのことで、私でも払える額! ツアーではなく、プライベートプランです。ただし、日程が短いので、高度に弱い私は事前にどこかで順応を済ませておかないと、1500USドルには収まらなそうです。
そして、chuluは、アイランドピークやメラピークと比較するとツーリストは少なく、もし私が行く場合は、きっと他のツーリストに出会うことはないよ と言ってました。(トレッキングエリア除く)
ロブチェピークは、ディンボチェかロブチェでクライミングガイドと合流、キャンプは設置されっぱなしではないので、ディンボチェからポーター1人が運んでくれるとのことです。費用はアイランドピークとほぼ同じ。
山中でのテントの割り振りについて気になっていたので聞いてみると、プライベートプランの場合、テントは客1人につき1テント、ガイドやポーターは別テントということでした。「もし、あなたがガイドと一緒のテントに泊まりたかったらそうしてもいいんだよ!」とニヤニヤしながら付け加えてもくれました(笑)
アイランドピークのBCで、ガイドから、テントは私とガイドで1つと言われたのでビックリしたんですよ、と報告したら、とてもビックリされ、一緒に過ごしたのか!!!と目を丸くして聞かれました。
こちらの代理店にお世話になるのは今回で2回目。
いつもメールの返信をすぐくれるし、私の拙い英語力でも、私の言いたいことをきちんと汲み取ってくれます。そして、出来るだけ安く行きたいという気持ちもくみとってくれていて、費用が無駄に高くなってしまいそうな時にはきちんと言ってくれ、代案を提案してくれます。
翌日、ご家庭の夕食に招待されました!
人生初めてのバイク2ケツを、このネパールで体験!タメルからバイクで15分ほどで、閑静な住宅街にあるご自宅に到着。
夜だったので、排気ガスや埃が見えなかったせいもありますが、カトマンズでのバイク疾走はとても心地よかったです。
カトマンズはタメルしか知らない私は、住宅街は静かで落ち着いた雰囲気なことに驚きました。そして、トレッキングエリアで目撃したような質素な家が並んでいるのかと思っていたら、2階建3階建の立派な一軒家が建ち並んでます。
彼のお家も、立派な3階建の大きな一軒家!大きなバルコニーに、周りを見渡せる屋上も!
食事前、バルコニーでビールをいただきながら、夜風が気持ちいいなあと、ただただボーっとしてました。毎日こんな風に風にあたりながらビール飲みたいなと思いながら。
3階には、シャワーとトイレがついている立派な客室もあります。ネパールに住みたくなったら、ここを月1.5万円で貸してくれるそうです。かなり惹かれました!WiFiの速度は上がってるし、停電もほとんど無くなっている今、ノマド候補地になりえるのではないでしょうか。
ご家族は、奥さんと娘さん2人。3人とも、かなりの美女!彼女たちと触れ合ってる時の彼の顔は、もう頬っぺたがとろけて落ちそうになってました。
残りの日数は、ただただのんびり過ごしました。
日本食レストラン「おふくろの味」と、美味しいコーヒーをいれてくれる「ちくさカフェ」に毎日通って、タメル地区をフラフラと。
初めてドーリームガーデンに行ってみたのですが、ここは私にぴったりなオアシスでした!
カトマンズのカオスを逃れてゆったり過ごしたい場合は、こことってもおすすめです。入場料は400Rsかかりますが、カトマンズにいることを忘れさせてくれる、静かで落ち着いた場所!
そして、リスが沢山いて癒されます。
寝転がるためのマットも用意されているので、のんびり読書が最適です。
ティハール祭
ネパールのお祭り、ティハール祭がちょうど開催されていたので、見学してきました!
ティハール祭は、光の祭とのことで、夜、街中がライトアップされて綺麗です。
そして、盛り上がるのは、日が落ちてから。
特定の会場があるわけではなく、街中で、各々勝手に盛り上がってました。
タメル地区でも盛り上がっていて、至る道端で、爆音のダンス音楽が流れていて、踊りまくるネパール人たち。
ギターや簡易的なドラムで歌を披露してくれるグループ、
夜なのに子供たち集団が出歩いていてビックリしましたが、子供達は、歌やダンスを披露すると、道ゆく人やお店の人からお金を貰えていました。
このティハール祭は、数日に渡って開催されています。
日中は、日替わりで動物に感謝を示す儀式みたいのがあり、とある日は、犬に感謝する日。いつもは道端でやる気なく昼寝している犬たちも、この日は昼寝している犬を一匹も見かけませんでした。時々目にした犬は、花の首飾りをしてもらっていて、小走りで駆け抜けていきます。その後ろ姿は、なんだか嬉しそうでした。
野良犬にまで着飾ってあげて、そして、各自各々勝手に盛り上がるスタイルのネパールのお祭り。外国人の私も、勝手に参加させてもらえるこの雰囲気がたまらなく楽しく、よりいっそうネパールが好きになり、住んでみたいなあと思わされました。
Day29-30 カトマンズーバンコクー成田
空港へ行く前に、最後のネパールコーヒーを堪能しようと、少し早めにホテルをチェックアウト。
ホテルを出て、ほとんどのお店がクローズしていることに驚きました。この日は火曜日。時刻はAM10時過ぎ。
なんと、ティハール祭のため、ほとんどのお店はクローズのようです。
10月のトレッキングシーズン、海外から客が大勢押し寄せるというこの絶好の商売チャンス時でも、お祭りの方が大事なんだというネパール人の姿勢に、ただただリスペクトの気持ちでいっぱいになりました。
でも、どうしても、美味しいコーヒーが飲みたかったので、タメルをうろついてやっと開いているカフェを見つけるも、ツーリストの長蛇の列ができていたので、コーヒーは諦めました。
トリプバン空港へ行き、タイライオンエアにチェックイン。
タイライオンエアのチェックインカウンターは、システムが落ちてしまったかのごとく、全く前に進みません。30分列に並んで進んだのはたったの一歩!やっとボーディングパスをもらえたのは、離陸の1時間前でした。
チェックイン時に、預け手荷物の料金は事前にオンラインで支払ってましたが、機内持ち込みできないか聞いてみたらOKでした。重量チェックもありませんでした。(私のバックパックの重量はおそらく8kgほど)
出国審査はすぐに終わり、急いでラウンジへ。
ラウンジは本来、余った時間をゆったり過ごす場だと思うのですが、どうしてもネパールのラウンジを見てみたくて見てみたくて、滞在時間15分でしたが、滞在できて満足しました。
まさか、ネパールの空港にラウンジはないだろうという先入観から、これまでずっと気づいていなかったこちらの存在。出国審査を抜けて、セキュリティチェックの手前にあります。セキュリティチェックの前にあるのが、けっこう残念です。
カトマンズーバンコクでの短いフライトでは、遠くにヒマラヤが見えます。飛行機からのヒマラヤ風景は、中国・成都経由がダントツで一番だなあと思いました。
バンコクでのトランジット時、立ち寄ったラウンジでは、日本人の定年退職したおじさんに話しかけられました。
1人旅してることをベタ誉めしてくれた後、おじさん自身の心境をポロリと話してくれます。
定年退職後は、時間が有り余ってしょうがないけど、やってみたいことを全部できるほどの気力・体力はないんだよね。こうして1人旅をしてるけど、ただ食べ歩くだけなんだあと。
深夜のバンコクを出発し、明け方、無事に成田に到着。まずは、ゆっくり清潔なトイレを堪能しました。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
日本に帰国した今、やっぱりまたヒマラヤ登山に行きたいなと思っています。
次はいつになるかわかりませんが、1ヶ月後にはヒマラヤ病が発病すると思うので、そう遠くない日にはまたヒマラヤに舞い戻ると思います。
今度はもっと長く滞在したいな。
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