2019年10月に登頂したネパール アイランドピーク(6,189m)の山行日記4です。日記3はこちら
登頂のために必要な費用やスケジュール・利用した現地旅行代理店情報など、概要は下記にまとめています。
>>【海外登山】ネパール アイランドピーク Island Peak 登頂!
目次
Day14 チュクンーアイランドピークBC(5150m)
いよいよ、今日はクライミングガイドと合流してアイランドピークへの挑戦がはじまります!
朝、ダイニングでディンボチェから歩いてやってきたクライミングガイドと合流。
イケメンシェルパ!
人は外見よりも中味だと言いたいですが、やっぱりイケメンは嬉しい。
出発前に出してもらったレンタルブーツは、一発でぴったりサイズを持ってきて驚き。慣れてるんだなあと感心するばかりでした。
ただ、人生初めてのプラプーツ。あまりの重さに衝撃でした。。。
このレンタルブーツは、私のバックパックに入りきらずはみ出した状態だったので、ガイドが背負ってくれました。思っていたよりもかなりの重量だったので、背負ってもらえてラッキー!と、ここでイケメンガイドへの印象はポイントアップ。
いつも親切で常に励ましてくれたロッジのスタッフは、私のパッキングを手伝ってくれながら、「彼がガイドなら絶対登頂できるよ!彼は素晴らしいガイドだよ!」と、満面の笑顔で激推ししてくれ、ホッとします。
それにしても、私は一人で来ていたので、自分で自分を励ましながら孤独に前へ進むつもりでいたのですが、こうして、我が事のように応援してくれるロッジのスタッフさんには大感謝です。とても心が温まりました。ロッジ名は「チュクンリゾート」。おすすめです!
さっそくガイドに、ずっと心配していたクレバスのハシゴの数を聞いてみたら、今期はハシゴなしとのこと!嬉しい!
そして、「私が必ずあなたを守り、登頂できるようサポートしますから安心してください!」と言ってくれ、さらに安心するとともにポイント急上昇です。
しかし、ここで急上昇したポイントは、このあと下がり続け、マイナスとなり、チップで仕返ししてやろうという事態になります・・・。
BCへ向けて歩きながら、BCの様子を教えてくれました。
「BCではお茶飲み放題、食べ放題で充実してます。宿泊テントは、私とあなたで一つのテントです。」と。
BCでのテントは、日本で読んできた他の人のブログによると、てっきり私一人だと思っていたのでびっくり。
深夜出発だから寝過ごさないように同じテントなのか、私の申し込んだ格安プランは1人テントは利用できないのか と思ったりしてました。
最初の休憩。
温かいお湯をくれたのでポイントアップ。
その後なんと、ガイド自身はお酒を入れて飲んでいます・・・きちんとガイドしてくれるなら、多少お酒は飲んでてもいいけど。その後の彼は、ただの酔っ払いとなってしまいました。
話かけてくる内容は、日本の企業であればセクハラで訴えることができる内容ばかりで、ボディタッチが妙に多い。
後から写真を見返したら、この休憩の前にも、ラム酒を飲んでいる姿が映っていたので、この時点でけっこうアルコールはまわっていたと思います。
この酔っ払いのセクハラジョークを軽く笑い飛ばすという心の余裕はなく、心細くなってしまいました。
私は明日、深夜からの長時間行動と、今まで経験したことのない危険がある登山をすることで緊張しているというのに、、 なんなのこの人!!!
このあと休憩終わり歩きはじめるも、ガイドのペースがめちゃくちゃ遅いので無視して1人で歩きました。
時々近くにいたので、気を取直して、どの山がアイランドピークなのか教えてもらうと、
「明日、私とあなたはあのピークに立ちます。サミットが終わったら、テントで2人で楽しもう」と言う
このガイドで私は大丈夫なのだろうか・・・
あんなに親切にしてくれたチュクンリゾートのスタッフがイチオシしていたガイドなので、きっと技術サポートは大丈夫なんだろうけど、心労でクタクタになってしまいそう。
休憩ばかりしているガイドを置いて、1人BCへ向かいます。
このあと結局ガイドが私に追いついてくることはなく、私は1人でBCへ到着。
といっても、私のペースは決して速くなく、他のツーリストに抜かれまくるペース。明らかに、ガイドの職務怠慢です。
シーズン中は休みなしで連日ガイドしているのだろうか。それなら今日は難所はないわけだし、一日だけの職務怠慢なら許してあげようと思いつつ、やっぱり許せません。私の心は小さい。
BCに着いてもガイドがいないので、どのテントに行っていいのかわからず、ただ呆然と外で待つのみ。
他の登山客にこの道中の愚痴をこぼしたら、「ああーあの人ね、今夜は酒を飲まないように釘さしといた方がいいよ」と、みんな見ていたようです。
やっとのことでBCに到着したガイドは、とてもご機嫌。
食堂テントに案内してもらい、お茶と軽食で休憩。私はけっこう頭にきていたので、必要最低限しか会話しないように努め、目も見ませんでした。
広い食堂テント
本当はガイドを変えてほしいと思ったのですが、ここにはエージェントがいないし、私のスマホはネットが繋がらないのでチェンジはできない。もしチェンジできたとしても、天気は明後日の16日までしかもたない予報だったので、間に合いません。(チュクンでチェックした天気予報では、17日以降は5日間くらい天気が悪そうな予報でした。)
なので、この酔っ払いになんとか頑張ってもらわないとと、グッとこらえることにしました。
ガイドと同じ空気を吸いたくなかったので、外でお茶を飲んで休憩していると、宿泊テントは、コックが案内してくれホッとしました。良かった!やっぱり一人テントなんだ!
テントは広々、快適!日本の冬山登山だったら、5人は泊まるだろう広さです!
荷物をテントいっぱいに広げてのんびりしていると、ガイドがやってきました。
ガイド:ここに僕が入るスペースはなさそうかな。。
私:イエス!!!
ガイド:じゃあ僕は他に寝れるテントを探すよ。。
と、去っていきました。
まずは、1人テントで過ごせることに安堵。追加費用の請求に怯えつつ(笑)。
この後、レンタルを希望していたクライミングギア一式をテントまで持ってきてくれました。
私はてっきりここBCでロープワーク講習をしてもらえるものだと思っていたのですが、講習は必要ないと言われました。グループであれば講習するけど、一人の場合は常にガイドがセッティングしてくれるので、ロープワークを覚える必要もないようです。
でも、今日のガイドの態度に私は不信感しかなかったので、「え???」という表情をしていたのでしょう。
「絶対に大丈夫だから、私を信用して!」と、真剣な目をして何度も言ってくれたので、少しは安心。念の為、私はロープワークのことは何も知らないということを伝えておきました。
念の為、ガチャが全てセットされたハーネスと、ブーツにはアイゼンをはめて着用してチェック。問題なし。
何か足りないなあと眺めていたら、ピッケルがありません!焦って聞いてみたら、ピッケル・アイスアックスはいらないとのこと。
えー!いらないって一体どういうこと??? と驚きましたが、この道具だけでかなりの重量だったので、無理に持っていこうなどという思いは全くなく、いらないなら素直に従って持っていかないことに。
夕食時、コックがなんと湯たんぽを作ってくれました!嬉しすぎます!
そして、寝てる間に体調が悪くなったり、何か問題がおきたら、私のテントはここだから、いつでも声かけて と。
なんて優しいコックさん!
この役目は普通はガイドの役目じゃないのか、と、コックさんのポイントは上がり、ガイドのポイントはマイナスに。
寝ている間にもし襲われたらどうしよう・・・なんてけっこう心配になり、南京錠を持ってくればよかったと後悔。紐で入り口のチャックを縛ってみましたが、あまり意味ないので諦めました。BCには他のツアー客が沢山いたので、いざとなれば叫べばきっと大丈夫と思い。(南京錠があっても、寒さで開かなくなってしまうかもしれないので、次回以降も使うことはないかと思います)
今回、ハイキャンプを設置してもらおうかどうかすごく迷ったのですが、ハイキャンプは基本的に誰もいないのでパスして正解でした。
Day15 BCーHCーBC(5150m)
無事に襲われることなく(笑)、起床時間を迎えました。
一睡も出来ず、しかも、ダイアモックスのせいか1時間に一回はトイレにおきるという状況だったため、けっこうフラフラ。ダイアモックスは、ナムチェからずっと朝晩半錠づつ飲んでいて、昨日の夕食後は1錠飲みました。
半年前のメラピークハイキャンプでは標高5800mでも熟睡できたのに、ここで一睡もできなかったのはショックでした。
0時半、食事はトースト2枚、お粥、ゆで卵2個。こんなに食べれません。お粥に日本から持参した梅ふりかけ、完食!ゆで卵は一個だけなんとか食べました。
1時過ぎ、BCを出発。他にツアー客含め何組か出発していたので、1時にBC出発がノーマルプランのようです。
雲ひとつない月夜のヒマラヤはとても美しく、ヘッドライトがいらないくらい。
歩きながら、何度かガイドから、ペースが遅いことを指摘されます。そして、「あなたは登頂できない」と言ってくるではありませんか。
え!ガイドは私を励ましてくれないの??口開くたびに、「遅い。あなたは登頂できない」ばかり。
昨日は酔っ払いで、今日は嫌味ばかり。この人なんなの!? と、忠告を無視して歩き進めます。
歩き始めて2時間くらいのところで、ガイドにペースが遅いことをさらに指摘されます。今日は一旦BCへ戻り、明日出発時間を早めて再挑戦しようと。
私は嫌がらせされてるとばかり思っていたのですが、あまりにも何度も言われるので、なぜ私は登頂できないのか理由を聞いてみました。
なんと、アイランドピークの登頂に適した時間帯は8時~9時。その時間を過ぎると風が強くなりガスも上がってくるので危ない、特に私のような強くない人はダメだと。
私はてっきり、午前中に登頂できればいいかなくらいに思っていたので、これには驚き。最初に言ってよー、と思いつつ、確認しなかった私も悪い。
追加料金を払うからと、クライミング道具一式をガイドに背負ってもらってペースアップをはかりましたが、時すでに遅し。
ハイキャンプに到着したのが3時20分。
私はは頭がカチ割れても絶対に登るぞ!という気持ちでいたし、なによりも、快晴無風のこの天気を逃したくなく、何度かガイドに念押ししてしまいました。
本当に?
本当に?
本当に、このままだと私は登頂できない?
と。
その度に、強くイエスを言われます。
これでチャレンジ権がなくなってしまうなら諦められなかったけど、もう一度チャレンジできるなら、ここで無理して体力を消耗するより、早めに下山して、ゆっくり休んでから再チャレンジしたほうがいい。
そして、正直、睡眠不足でフラフラしてもいたので、早めに撤退を促してくれたガイドに感謝しいったん下山しました。
4時半にBCに戻り、速攻で寝ます。
が、湯たんぽがないので寒くて眠れません。日が上がってくると、今度は灼熱地獄で眠れません。
結局、眠ることはできませんでしたが、十分に体を休めることはできました。
今度は、もう少しガイドに歩み寄り、地図を見ながら遅いペースの私に必要な時間を各パートごとに確認し、出発時間を決めました。
頂上までは大きく4パート
- BC→HC(標高約5500m)・・・普通の山道
- HC→クランポンポイント(標高約5800m)・・・岩陵帯
- クランポンポイント→頂上直下の大雪壁取付・・・クライミング公園
- 大雪壁取付→SUMMIT・・・約150mほどひたすらアッセンダーで登る
そして導き出された私の出発時間は、なんと深夜23時!
ということで朝ごはんは深夜22時半。
こんな不規則なワガママに、ガイドもコックも付き合ってくれます。
コックは60代か70代くらい。大変な重労働なのに、とても親切にしてくれるここのコックが私は大好きになりました。
夕食時、広い食堂テントに客は私しかいなくて寒いので、キッチンテントで食べさせてもらいました。
ご飯を食べながら、コックと少し会話。
ガイドの話題になると、あいつは昨日酒を飲んでいた!けしからん奴だ! と言っていたので、もしかすると一喝いれてくれたのかもしれません。
Day16 BCーSUMMITーチュクン(4743m)
深夜22時起床。起床といっても、眠れてはいません。
テントをでるとガスで星も月も見えない。天気予報では晴れだったから、あと数時間もすればガスがなくなることを祈るばかり。
朝食は、昨日お粥と卵だけ食べてトーストを残してしまったのを覚えてくれてたのか、お粥とゆで卵を作ってくれました。
お粥は食べられたけど、ゆで卵までは食べることができませんでした。
23時15分、BC出発。
歩きはじめてしばらくすると、ガスは晴れ、星と月あかりでホッとします。風もなく、絶好のサミット日和なのは間違いありません!
0時55分、順調にハイキャンプへ到着。ここまでは普通の山道です。
最初から荷物をもってもらったのと、じっくりBCで休養したためか、昨日よりもだいぶハイペース!
ハイキャンプから上は岩陵帯。上半身も使いながら登ります。
標高があがり、ペースが落ちると、ガイドからは躊躇ない厳しい指摘が降ってきます。
「ペースが落ちている!あなたは登頂できない」と。
私は、ガイドとは常に「You can do it!」と言って励ましてくれる存在だと思ってたのに、常に厳しい事実を突きつけるだけで、全く励ましてくれないことに悲しくなってしまいました。
ここで自分の気持ちが弱ってしまったら負け。
天気はいい、高山病にはなってないし、体調も悪くない。ペースはあげられないけど、それを見越して早めに出発しているのだから、
I CAN SUMMIT !!!!!
と叫び、自分で自分を励ましました。
この後、トイレに行きたくなってしまったので、岩陵帯でトイレ。
高所登山時のトイレはどうするのだろうかと、以前真剣に調べまくり、介護用オムツやピーファネル、ポンチョなど買ったことがありましたが、今回は何も持ってきていません。
でも、まだ太陽が昇っていない暗闇で、他のツーリストもいなかったので、ガイドには少し離れて反対側を見てもらうようにすれば、全く問題ありませんでした。
お尻丸出しですが、寒さも気になりませんでした。
3時40分、クランポンポイントに到着。予定より1時間早い到着です。1時間も早いぞ!
ここで、プラブーツに履き替え、クライミングギアを装着。ハーネス、ブーツ、アイゼン、すべてガイドが履かせてくれました。この標高では、靴を履き替えるだけでもつらく、すぐに息が上がってしまいます。
酔っ払いの次は厳しい発言ばかりのガイドに対して、不信感がつのっていたのですが、全て手早く手伝ってくれた姿に、この先はきっと大丈夫なんだと安心してきました。
ここにガイドのバックパックはデポし、私のバックパックにすべてを詰めて背負ってくれます。
つまり、私は空身でアタック挑戦です。
GoProの撮影が出来ないなあと思ったのですが、(バックパックにくくりつけるマウントしか持ってきてなかったので)残念だけど、登頂することを最優先にするために、撮影は諦めました。
ガイドコンテで出発。
常に、私が歩きやすいようにロープの長さを調整しながら進んでくれます。
そして、ほどなくして、アッセンダーで登る壁が現れたり、懸垂下降したり、トラバースしたりと、短い距離の中にクライミング要素がぎゅっと詰まっていて、しかもすべてにフィックスロープが張ってあり、ギアのセットはすべてガイドがやってくれるので、なんだかここは、クライミング公園みたいなところで楽しいなあと思いました。
酔っ払いも、ここではカッコよくみえました。
クライミング公園を抜けると、ついにアイランドピークと対面!まだ月夜です。
事前に見ていた色んな人のブログやyoutubeよりも、斜度は緩く見えホッとしました。これなら私でも登れる!と。
ロープがあるところまではただただ歩くのみ。先頭を歩かせてくれました。
いよいよ大雪壁に取り付きます。
2時間かかると言われたのも納得の、なかなか大変な登り。写真上部のでっぱりを越えるのが特に大変でした。(フィックスロープがあるので、テクニックが無くても力まかせで突破できます)
アッセンダーで登るからきっと楽でしょ、力尽きてもガイドが引っ張りあげてくれるよね、なんて軽く見ていたのは大間違い。
いざ実践してみると、すぐに腕が力尽き、片腕だけで自分の体を持ち上げられない。
右手にアッセンダーを握り、左手は下のロープを持ちますが、握力がないのか左手で握っていられない。左手をロープに巻きつけて、両腕の力で登ると、すぐに注意されます。
一歩一歩、自分の体を持ち上げるのがとても大変。
他のツーリストはいなかったので、ガイドは数本ある他のロープを使い、私の横でアッセンダーでの登り方を手本を見せながら指導してくれます。
時々、見かねたのかロープで引っ張り上げようとしてくれましたが、それはそれで私が大変で、結局は自分の力で登るしかないと悟りました。
プロの登山家の本を読んでると、アッセンダーでの登りはとても楽なように書かれているのを鵜呑みにした私がバカでした。そもそもの基礎レベルが違うということを・・・。私には、練習と、アッセンダーで登るために必要な筋力を鍛える必要がありました。。
ロープの支点にたどりつくと、素人の私でもわかる、脆そうな支点。
ガイドいわく、
「日が高く登ると気温が上昇し、この支点はさらに脆くなる。そして、他のツアー客が押し寄せ、この1つの支点に何人もぶら下がることになり、さらに危険だ。だから、まだ誰もいない、日が登っていない今のうちに登ってしまわなければならない」と。
確かにそうだ。
下を見ると、2人登ってこようとする姿がすでに見えています。
急がなくては!急げないけど。
早く登れ!と何度も言われ続けながら、一歩登っては休憩を繰り返す超亀足で登ります。
雪壁と格闘しているときに日が射して暖かくなってきました。
あるとき、ガイドが一気に登りきり見えなくなります。
時々上から顔だけだして見下ろしています。
Come! Come!
と言いながら。
あと10歩くらいで登りきれそうなときに、またヒョコッとガイドの顔が。
はじめての笑顔。(初日の酔っ払い時以来)
え!まさか、、笑顔ということは、
そこは頂上なの?
ナイフリッジはないの?
と、激しい呼吸のなかでやっと聞いてみた質問に、
イエス!
の一言!
事前に日本で見てきたYouTubeやブログでは、この雪壁を登りきった後に鋭いナイフリッジを登ってから頂上というパターンだったので、てっきりこの後は恐ろしいナイフリッジがあるとばかり思ってビビっていたのです。
クレバスのハシゴは無かったし、ナイフリッジもないし、心配していた難所は一つもありません!ラッキー!
このとき、涙が出そうになりました。
私はついに登頂できるんだ!
「あなたは登頂できない」と散々言われてきたけど、登頂できるんだ!と。
そして、一歩登るごとに360度のパノラマ風景が浮かびあがってきます!
このように壁を登って登頂する経験は初めてだったので、歩いて登頂するときとは全然違う喜びに震えました。
辿り着いた頂上では360度大パノラマ!狭い頂上には他に誰もいません!
ガイドが用意してくれた温かいお湯を飲みながら、ついに登頂できた喜びを噛みしめます。
感動を噛みしめたあとは、サクッと記念撮影をして、すぐに下降開始。
泣く暇はありませんでした。
登頂時刻はAM7:30頃。BCから8時間半かかりました。
雲ひとつない快晴・無風の中でチャレンジでき、この景色、最高です!
ここまで、体力・筋力的に大変でしたが、心配していた高所恐怖症でビビるのではないかということに関しては、全然平気で拍子抜けでした。FIXロープとガイドのサポート力は大きい。
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すでにほかのツアー客が数珠繋ぎで登ってきている中、ひたすら懸垂下降で降ります。
みんな苦しそう。
エイトカンのセットは毎回ガイドがセットしてくれました。きちんと、絶対に落とさない方法でセットしてくれ安心感があります。
懸垂下降中、もっとスタスタ降りなさいと何度か手本を見せてくれ、指導されましたが、できませんでした。ロープの先端見逃してしまったら怖いし。
亀足の懸垂下降でしたが、長い雪壁の下降が終わるまで、ついに、一本のロープを私一人で使用することができました。
何度も「遅い!あなたは登頂できない」と言われ続けて悲しい気持ちになりましたが、数珠繋ぎの危険を避けられたので、感謝しました。
ここからは、またクライミング公園。
行きは夜明け前で撮影できなかったので、明るい今、撮影したい。
そこで、私のバックパックを背負ってるガイドにお願いして、goproをつけて撮影してもらいました。
もうこの先は、遅い!もっと早く歩け!なんて一言も言われません。息が上がって立ち止まった時は、無言でじっと待ってくれ、見えているヒマラヤの山の名前を教えてくれたりと親切でした。
あとから見返した映像は、goproの角度をきちんと最適に調整しながら歩いてくれていたことがわかり、感謝しました。
実はけっこういい人かも。
早い時点でわかっていたら、チップもっと払ったのに。。
クランポンポイント↓
12時40分、予定よりもだいぶはやくBCへ到着。
咳がではじめ、肺が痛い。テントに戻ると疲労がどっと押し寄せてきました。
ランチを作ってもらいましたが、すっかり食欲がなくなっていて、ほとんど食べられませんでした。
今日は、この後BCに滞在することはできないので、チュクンまで歩かなければなりません。
事前にカトマンズの代理店に確認した時は、追加費用100USドルでBC延泊できると聞いていたのですが、ガイドに聞くと延泊はできないとのこと。
事前に申し込んでおかないとダメなのでしょうか・・・
わがまま言ったら延泊できたのかもしれませんが、100USドルがもったいないという貧乏気質が芽生え、疲労困憊していましたが、チュクンまで降りることにします。
この3日間、親のようにとっても親切にしてくれたコックさんにお礼の挨拶とチップを渡してお別れ。
BCを管理している人(?)に、クライミングパーミッションにサインをもらい、BCを後にしました。
BCからチュクンまでの道のりは、徐々にペースダウン。
この日、ディンボチェまでもどらなければならないガイドは、何とか私に速く歩いてほしいようで、急げなどは言われませんでしたが、すべての荷物を背負ってくれました。
空身になった瞬間はペースアップしましたが、そのうちペースが落ち、最後はもう20歩歩いては休憩という始末。
このスローペースで、やっとのことでチュクン到着。
ここでガイドとお別れです。
突然お願いしてしまったポーター費用とチップを渡しました。
チップは初日の職務怠慢があったので迷いましたが、登頂できたのはこの人のおかげ、そして、厳しい発言ばかりも安全を重視した時間配分を考慮してくれ登頂させてくれたので、その感謝分を渡しました。
チュクンのロッジに戻ると、いつも笑顔で声をかけてくれたスタッフが、おめでとう!と満面の笑顔で迎えてくれます。
私は、この日3日ぶりにやっと眠ることができました。
ーー
今回、かろうじて登頂させてもらえましたが、私はヒマラヤのピークを踏める標準体力を満たしてないなと思いました。出発時間をかなり早めてもらい、荷物は全て背負ってもらい、ゆっくりペースで、ギアのセットも全てやってもらって、やっと登頂です。
プライベートガイドではなく団体ツアーだったら、間違いなく登頂できませんでした。
初日のガイドの態度には頭にきてしまいましたが、でも、こうしてシェルパの助けがあるからこそ、こんな私でも登頂できたというのは間違いありません。
初日の敗退後、少しガイドに歩み寄って会話した時にふと、「エベレストは登りたい山?」と聞いてみました。
彼は「登りたくない」とはっきり言い、数秒おいた後に、「来年の春はエベレストに登ることが決まってるんだ」と言っていたことがとても印象的でした。
Vlog(YouTube)
BCから登頂までの動画です(主に登頂から下山)
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