2019年3月に登頂したネパール メラピーク(6,476m)の私的な山行日記2です。日記1はこちら
登頂のために必要な費用やスケジュール・利用した現地旅行代理店情報など、概要は下記にまとめています。
目次
Day6 ラマイロダダーチェトラコーラ(3122m)
曇り時々晴れ。
朝、なんと、フランス人とイラン人はチーム解消していた。。。
昨夜の口論はやっぱり喧嘩となっていたのか・・・。
そして、単独だったイラン人にはガイドがいなくなり、ここで雇うこともできないため、私と私のポーターガイドと一緒に行きたいと申し出があった。自分たち5人しかいないこの場所で、まさか断るわけにもいかず、私の遅いペースに合わせてもらうことを条件にOKとした。
それにしても、喧嘩の内容はいったい何だったのか。聞いてみたかったけど、二人ともかなり気分を害していたので、それに拍車をかけるようなことは辞めておいた。
きっとよっぽどの内容だったのだとうは思うけど、山の中では何があってもチーム解消なんかしちゃいけないよな・・・ など思いつつ。一緒に歩くメンバーはきちんと選ばないとダメですね。
ということで、なぜか私は、知らないイラン人女性と一緒に進むことになった。
この日の道は荒れており、不明瞭な個所多数。残雪も多く、所々アイスバーン・・・。私にとっては難所の連続。
特に、雪とアイスの下り道はとても怖くて、恐る恐る進む。軽アイゼンつけたかったけど、一緒に歩いていたイラン女性に、ここはアイゼンつけないほうがいいと説得される。
そして、私の前を歩き、私がくだりやすいようにステップ階段を作ってくれた。ありがたい!
ガイドとイラン女性の二人のサポートにより、13時半にチェトラコーラに到着。
ロッジは一軒だけ。個室は5部屋ほどしかなかったので、個人客のみ宿泊可能な場所でしょうか。トイレは離れに。
個室は綺麗。隙間がたくさんあるので喚起はよさげだが、夜は寒そうだねとみんなで話していました。実際、寒さは気になりませんでした。
夕方から、なんとまた焚火&焼き芋タイム!
フランス人もここに宿泊していたので、どうなるかと思ったが、若干の距離をおいてみんなで火にあたる。
夜ごはん時に、オーストラリアの若者が到着。
彼はガイドとポーターを雇っていた。24歳、船乗りとのこと。おおらかで優しそうな雰囲気。
フランス人男性は70歳近い年齢。職業は、写真に詩を添えた本をいくつも出版していて、それだけで生きてきたというアーティスト。フランスのニース在住。
ニースは、3000m級の山と美しい海と街並みがある素敵な場所。その魅力を教えてもらい、私も住みたくなった。なんとも羨ましい場所だ。
イラン人女性はエンジニア。年齢は聞かなかったけど、きっと20代かな。イランには、5000mほどの山が多くあるそう。ただ、岩山でテクニックが必要なところらしい。
トレッキングももちろんできるけど、ネパールのようにポーターサービスやロッジなどはないので、自分でテントを背負って歩く必要があるそう。
イランも、街並みはお洒落で美しいところ。(写真で見ただけだけど) いつか行ってみたい国。
この日の宿代(夕食・朝食込)は1640Rs。なぜか安かった。
Day7 チェトラコーラータクト(3670m)
晴れ。
なんだか胸が締め付けられる感じがしたので、念のためダイアモックスを半錠飲んだ。
この日は短い行程のため、ゆっくりめに出発。
普通のツアーだと、タクトではランチ休憩し、コーテまで進み、コーテで高度順応2泊がお決まりパターン。
タクトとコーテはだいたい同じくらいの標高だったので、ガイドの提案により、タクトとコーテそれぞれ1泊づつすることにした。
イラン女性は、1人で出発していた。特に何も言われていないので、あれ? と思ったが、私のペースが遅くて合わないと思ったら一人で行くとは言われていたので、そういうことかなと理解した。
タクトまでの道は、またもや難所が多く大変だった。残雪も多く、つねにガイドの助けがないと進めない状況だった。
もう2度とこの道は歩きたくないなと思いながら。サミット後は、どうかザトワパスが通過できますようにと祈る。
タクトへ到着すると、みんないた。お昼ご飯を一緒に食べ、みんなはさらにコーテへ向けて出発。フランス人とイラン人は一緒に出発していたので、仲直りしたのだろうか。
今日の客は私一人。
寂しい夜になるかと思っていたら、いつのまにか現地の人がわらわら到着しはじめストーブを囲む。
私の隣にはファッショナブルなお婆さんが。言葉は通じないけど、目があうとつねに200%の笑顔を見せてくれ和んだ。
ツーリスト同士でストーブ囲むのもいいけど、こうして現地の人に囲まれるのははじめて。ほっこりした感じがとても心地よく、ここに泊まってよかったなと思った。
夜ご飯は、ガイドの奥さんが作ってくれたのだと聞いた。なんと、彼女はこのロッジでコックとして働いており、ガイドは奥さんに会いたいがためにこのロッジでの宿泊を勧めていたのだった。
どれくらいの頻度で奥さんと会えるのか聞くと、先月結婚したばかりで、シーズン中はきっと月1~2回くらいだという。
サミット後の帰り道は、どう考えてもここはランチ休憩場所なのだけれども、またここで一泊しようと約束した。
タクトにはロッジが2軒。個室は綺麗で眺めはとても良い。トイレは外。
宿代(昼・夜・朝ごはん込)は3220Rs。電源・Wifiはない。
Day8 タクトーコーテ(3580m)
晴れ。
今日も残雪があり、やや苦労する。雪がなければまったく難所はない。
2か所、旧道との分岐がありわかりにくい。旧道の入り口がまだ立派なため。左へ登る分岐へは行かず、まっすぐが正解。
帰り道の候補ザトワパスは難しいかとガイドに聞くと、雪がなければしっかりした広い登山道があるので難しくはないとのこと。雪があっても私が必ずあなたを守りますから安心してください!と力強く言ってくれたのはとても嬉しく安心した。
ほぼ樹林帯のコースだけど、時々川沿いの広々した雰囲気のところに出て気持ちがいい。
12時半、コーテ着。
想像していたよりもはるかに都会。Wifi、ハンバーガー、アップルパイなどの看板が見えると期待が膨らむ。
ハンバーガー、サンドイッチ、食べたい!!!
売店もある。歯磨き粉や電池など、ちょっとした小物は調達可能。なぜか簡素なトレッキングシューズが沢山あった。
宿は一番奥のロッジへ。目の前には、ナショナルパーク入場料の支払い場があります。
外国人ツーリストの入場料は3000Rs。
お昼ご飯前に、5日ぶりに身体をウェットティッシュで拭き着替えをしてすっきりする。そして、急いで洗濯をした。
バケツと石鹸は無料で貸してくれました。バケツに貯めてあった水を使わせてもらえたので、太陽パワーでぬるめだったのが嬉しかった。
しかし・・・悲しいことに、洗濯を完了したら曇ってしまい乾かなかった。モバイルソーラーパネルでの充電も今日はお休み。
もし、太陽カンカン照りだったら洗髪もしたいと思っていたけど、諦めた。
お昼はさっそくピザを注文!美味しい! そして久しぶりのタンパク質!
18時からダイニングのストーブをつけてもらえたので、洗濯物を乾かす。
客は私ひとり。
ガイドがいれば、客ひとりでもストーブつけてもらえるのだろうか。いまのところ、毎晩ストーブつけてもらえて嬉しい。
ガイドが自宅の写真を見せてくれた。うっすらと想像していた家とはまったくかけ離れた、とても立派で大きな家に驚いた。けっこう儲かっているのだろうか。
家族はみんなガイドかロッジで働いており、シーズン中はほとんど会えないそう。
ガイド学校でのトレーニング風景写真も見せてくれる。きちんとトレーニング受けれるシステムがあることをはじめて知る。
ガイドの資格証も見せてくれ、ガイドの中でも最高ランクを持っていることを教えてくれる。やっぱりこの人は、ポーターではなくガイドだったのかと納得。かなり助けてもらったし、こうして毎日楽しく話しかけてくれているし、チップで沢山お返ししなければと思った。
宿代(昼・夜・朝ごはん込)は3000Rs。Wifi(カード式)・電源あり。
Day9 コーテータグナ(4358m)
晴れ→雪
国立公園の入場料3000Rsを払って進む。ガイド分はガイドが支払っていた。
今日からは樹林帯を抜け開放的な景色の登山道。そして難所なし!難所がないトレッキングは今日がはじめて。
トレッキングって本来こうだよね!!!と思いながら歩いた。川沿いを少しづつ800mの登り。
朝、念のためダイアモックスを半錠飲んだ。まだ高山病の症状はなかったが、今日は4000mを越えるので予防として。
薬のせいか、天気も悪く寒くなったせいか、途中から頻尿となり、歩きながらずっとトイレできる場所ばかり探していて、あまり景色を楽しめなかった。
こんなに頻尿になるなんて、メラピーク登るとき大丈夫か心配になる。やっぱり介護用オムツを持ってくるべきだったと後悔。
コーテとタグナの中間くらいに、ティーハウスが一軒。ランチにオムレツを注文し、日本から持参していた醤油をかけて食べる。久しぶりの日本の味に興奮し、速攻で完食した。
離れにあるトイレは、こんな開放的な場所にあり、入り口のドアはない。トイレに行くと高らかに宣言してから行く必要があります。
ランチのあとは、雪が降っているなかタグナへ。
タグナからは、高山病となった人が3人のシェルパに担がれて下山していた。ここからは高山病に要注意だと気を引き締める。
タグナはコーテ同様に都会。ロッジへ到着すると、フランス人、イラン人、オーストラリア人、みんないた。あともう一人知らない人がいて、賑やかなロッジになっていた。
知らない人はスイス人で、アイランドピークを登ったあと、ルクラへ戻り、コーテまではヘリできたという。リッチな人だなーとこの時は思ったけど、この時期はルクラーコーテはヘリを利用するのが一番かしこい選択だと後に思った。
ロッジは立派で、ピザ、サンドイッチなどあり、メニュー表を見て興奮する。
標高4200mほど。食欲があることがとても嬉しい。到着してからすぐに、おやつも食べた。
夜ご飯はツナベジピザとガーリックスープ。ピザにはなんとトマトがのっていた!この旅でベストな味!初めて完食した。
ストーブ囲みながらの談話中に、ソーイングセットを借りて破れた手袋を縫っていたら、どこで習ったんだ!?と皆に凄く驚かれたことに驚いた。
Day10 タグナ(順応日)
晴れ→雪
この日は順応日のため朝はゆっくりめ。そしてこの日からダイアモックスを朝晩半錠づつ予防として飲み始める。
みんなはカーレへ出発した。ということで、サミットはみんなとは1日違いとなる。ちょっと寂しいなという気持ちが芽生えたけど、私は順応に時間がかかるほうなので、心を鬼にして自分で決めたスケジュールを遵守する。
近くの丘ハイキングへガイドが連れていってくれたが、途中から雪となり、寒さと岩と雪のミックスした急斜面に涙目。それでもなんとか登頂して、凍った湖を眺めてから戻ってきた。
それにしても、ポーターとして雇っていたのに、順応日もこうして進んでガイドしてくれるなんて、いい人だ。(チップははずまなければ・・・)
このハイキングといい、難所多数のメラ街道といい、まだメラピークには登っていないけど、メラピークよりもメラピークの拠点にたどり着くまでの道のりのほうが難しいのではないかと徐々に思い始めた。
腹ペコでランチは沢山食べた。このロッジのご飯は本当に美味しい。
マッシュポテト&エッグだったかな。ポテトがほんのり甘く、たまごはふんわり。
ハイキングで疲れ果てたので、少し昼寝したあとは読書。昨日も今日も雪なのでソーラー充電はほどんどできていないが、まだたっぷりとバッテリーはあった。
夜、ストーブで暖まっているダイニングへ行くと、この日の客は私一人だった。
でも、このロッジは今増築中のため、大工の若いネパール人が10人ほど。皆親切そうだったけど、言葉は通じないし、女性スタッフはいないしで、やっぱり一人で来なくてよかったなと思った。
続きはこちら >>メラピーク登頂 山行記録3(全5話)