2019年3月に登頂したネパール メラピーク(6,476m)の私的な山行日記4です。日記3はこちら
登頂のために必要な費用やスケジュール・利用した現地旅行代理店情報など、概要は下記にまとめています。
目次
Day15 カーレータグナ(4358m)
快晴
昨日、風邪ひいたと思い風邪薬を飲んで寝たのだけど、朝目覚めたら体調はすっかり回復。風邪の欠片もなし。
これなら下山できると、タグナまで戻ることにした。
クライミング料は事前にカトマンズの旅行代理店に支払っていたが、追加でレンタルしたものや、サミット時に荷物を持ってくれたポーターへの支払い、チップ、ロッジ宿泊費の支払いを済ませる。
私はプライベートガイドを予約していたので、当然、グループよりも料金が高い。
今回、急遽マリアンが参加したことでプライベートガイドではなくなったので、差額分は返金してもらえるのか聞いてみたら、返金は一切ないとのこと。旅行代理店を通さず、直接ガイドへ申し込んでいれば返金可能だとのことでした。
ずっと私のペースに合わせてもらえたし、客が私一人だけだったら心細かったのは事実だし、料金については納得した。
カーレには小さな雑貨屋があり、そこに「Mera Peak」と刺繍した帽子が売っていたので、サミット記念に購入!
カーレの急斜面を下ったところまで、マリアンと一緒に歩き、そこのロッジでお茶をして、またいつかと別れた。彼女はこの日コーテまで行く予定。
ソーラーパネルを貸していたので、ここで返してもらったのだけど、USB接続のところが見事に破損していた。ただ、かろうじてまだ充電はできる状態だったので、何も謝ることなしに返却される。
まだ使えるけど、「ごめん」の一言もないのかと驚いた。
海外の一部の国では、貸したら壊れて返ってくるのは日常茶飯事、貸したらあげたと思ったほうがいい とは聞いていたけど・・・
そして、このあとそのまま故障してしまったので、私は充電できなくなりました。
カーレからタグナへの道は歩きやすいし、そして下りなのでとっても楽。
もうダイアモックスを飲まなくていいから頻尿から解放されるし、ガーリックスープからも解放されるし、気持ちがぐっと開放的になっていた。
タグナへ戻ると、一気に食欲が舞い戻り沢山食べた。
Day16 タグナーコーテ(3580m)
快晴
朝、異常に脈が速い。計ってみたら95。ダイアモックスを辞めたせいだろうか。
心配になったけど、コーテに着いたときには正常に戻っていた。
朝ご飯を食べながら外を眺めると、シェルパたちが上半身裸で頭を洗っている。
私は極厚ダウンに身を包んでいるほど寒いというのに!!
彼らの引き締まった、まるでスポーツクラブのイメージモデルのような上半身に目が釘付け。無駄な脂肪が全くないし、肌はつやっつや。
タグナからコーテまでの道も、歩きやすく、徐々に下るため、とっても楽。景色も開放的で楽しい。
道中出会った二人組は私と1日違いの日程でサミットへ向かったが、テントが倒壊するほどの強風で登頂はできなかったとのこと。
今シーズン登頂できたのは、今のところ私だけと聞いた。
マリアンはパーミッションをきちんと取得できていなかったので、登頂は認められていないとのこと。
彼女はエベレストBCへのトレッキングへ向かう道中で予定を変更してメラピークへ来たので、当然、パーミッションは取得していない。
道中に誘われたフランス人のガイドが電話で手配してくれたらしく、料金も$250支払ったそうだが、口頭でのやりとりのみで証明書はなかった。そして、途中で喧嘩してチーム解消しているので、パーミッション問題は白紙となってしまったのだろうか・・・
登頂できたのは事実だから、認められようが認められなかろうが、どちらでもいいとは思うけど。パーミッションが必要な山へ行く場合は、きちんとした手順をふむべきと心に刻んだ。
夜、ロッジには私の他に3人の男性客がいた。サミットはできなかったらしく、かなり雰囲気は暗かった。
Day17 コーテータクト(3670m)
晴れ→曇り
同じ宿に泊まっていた3人組は、1人体調不良となったため、コーテからルクラまでヘリで戻るとのことで、挨拶だけしてお別れ。
何気なくガイドに、コーテからルクラまでのヘリはいくらするのか聞いてみたら、$700 ということだった!
私は、ヘリといえば何十万もかかると思い込んでいたので、10万円もしないことに驚いた。しかも、3人で乗れば一人当たり2.5万円ほどになる。
コーテからルクラまでの道のりは、2.5日ほどかかるし、南側コースは危険極まりないし、ザトワパスは標高4600mもあるし、2.5万円でヘリで帰れるなら激安じゃないか!!!!
と頭のなかはヘリ下山でいっぱいに。
しかし、私には今は仲間がいないし、$700でヘリに乗るという選択を即決する心はなく、予定どおりタクトへ向けて歩いた。
また、ここで私もヘリを呼びたいなんて言ったら、、このあとタクトで働いている奥さんに会えることを楽しみにしているガイドが可哀そうというのもあった。
タクトへ着くと、これから登るというドイツ人親子、これから下るというベトナム人2人組に出会う。
ベトナム人たちはハイキャンプまで行ったが、強風でサミットは諦めたと言っていた。やっぱり私はラッキーだったんだなとここでも実感。また、レンタルブーツがプラスチックブーツで歩きにくかったらしく、私はプラスチックじゃなかったよと言ったら羨ましがられた。
ガイドのために、ここタクトに泊まることにしたけど、天気が悪く洗濯も洗髪もできないし、ソーラーパネルは壊れていて読書もほとんどできないしで、暇すぎて辛い。
お昼タイムが終われば、客は私一人。
夜、雪が降り始める。
これからザトワパスを越える予定なのに、ここで雪が降るなんて!!!
Day18 タクトーチュリカルカ(4200m)
雪
朝目覚めると、外は銀世界へ変貌を遂げていた。しかも、まだしんしんと降り続けている。
出発をとりあえず遅らせる。
ここタクトは、ザトワパスと南側ルートの分岐点。どちらへ進むか選択できる。
しかし、南側ルートはアイスになっているので危険だから辞めなさいと言われており、ルートはザトワパスの一択。
そのザトワパスが、まさかの大雪。
私はいったいどうしたらいいのか・・・
ガイドに相談すると、南側ルートは樹林帯で日が当たらないのでアイス&道はあまり整備されていないので危険、ザトワパスは日が当たるのでアイスにはなっていなく、登山道も整備されていて広いから、多少の雪であればザトワパスの方が安全。
だけど、まさかの大雪なので、様子を見ようとのこと。
2時間ほど待っていると、雪は止み、一人のツーリストがザトワパスへ向かった。
そのため、私たちもザトワパスへ向けて出発した。
しばらく歩くと、また雪は降り始め、少し不安になる。そして、先行していた単独の男性が戻ってきた。
この先、登り切ったあとの大きな下りが大雪で危険すぎるから引き返すとのこと。
どれくらいの危険度なのか、私には想像がつかなかった。また、引き返したところで、南側ルートも危険。しかも、南側ルートは時間がかかるので、日程の心配もでてくる。
ということで、とりあえず前に進むことにした。
今度は、ザトワパスを越えてきたという2人組&スタッフ2人の4人組とすれ違う。危険個所はなかったか聞いてみたら、大丈夫だよとのこと。彼らのトレースがずっとあることにも安心して、前に進んだ。
その後、さらに雪は降り始め、徐々にトレースは消え始める。
そして、登り切ったあとの大きな下りにさしかかった時には、完全にトレースはない。
見下ろすと、確かにこれは危険だ。私には下れない。
引き返そうとする私に対して、ガイドはサポートするから行こうと説得する。
ふわふわの新雪で足が宙に浮いている状態で下り続ける。ちょっとでも間違えたら、一気に滑落するような場所。
トラバースではあまりの怖さに身体がすくみ、なかなか前に進めない。しかし、雪崩がおきそうなので急がなければならない。
ガイドが必死に説得してくれ、なんとか前に進む。
なんでこんなに恐ろしいところを歩かなければならないのか!!! メラピークの100倍は怖い!!! こここそロープでの確保が必須じゃないのか!!!
あまりにも怖くて、泣いてしまった。
やっと危険地帯を切り抜けたあとは、トレースがまったくないところを時々GPSを確認しながらロッジへ向かった。頭の中を「遭難」の文字がよぎる。
ロッジへ到着したときには、心からホッとした。
ストーブで暖まりながら、しばらくは茫然としていた。
Day19 チュリカルカ
晴れ
雪解けを待つため、この日はチュリカルカにステイ。
充電はさせてもらえなかったので読書できず、客は私一人で話し相手もいなく、基本的にずっと暇。
ロッジにはとても可愛いチワワがいたので救いだった。そして、景色もいいので、何も考えないバカンスDAYとした。
チワワとえいば、日本では20万~30万くらいするけど、ネパールでは2万円と聞いた。
Day20 チュリカルカーザトワパスーチュリカルカ
晴れ
まだまだ雪はあったが、7:30出発。
まずは峠まで400mの登り。軽アイゼンをつけて登る。
登りきったあとのトラバース道を見て愕然。
当然、トレースはないし、トラバース道はすべて雪崩ていた。
雪の状態は、まだまだ締まってはいなく、ふわふわで足元が心もとない。やはり、少しでも間違えたら滑落してしまう。
ロープは持ってきていないので、ガイドが守ってくれるのにも限界があるし、滑落にガイドを巻き込んでしまってはさらに大変。
ということで、ここでチュリカルカへ引き返すことにした。
ガイドには、絶対に安全に返すからこのまま行こう とかなり説得されたけど。ガイドはロープどころか、軽アイゼンすら持ってないので説得力には欠ける。
トラバースですでに危険だということは、この先のザトワパスの急斜面の下りはさらに危険となる。絶対に無理だ。
戻りながら、何度もガイドに説得される。雪崩ポイントで立ち止まって演説をはじめるから、頭にきて怒鳴ってしまった。
なぜこんなに危険なのに前へ進むことを勧めてくるのか、お前は本当にガイドなのか!!!!
するとなんと、日当を今日までの分しかもらっていないのだという。私はルクラへ戻るまでの日程分を代理店に支払っている。しかも、予備日を含めた日程表をあらかじめガイドにも共有している。
予定では、まだ予備日が十分にあるから、チュリカルカに戻って待機できるのに、なんていうことか・・・
しょうがないので追加で日当を払い、チュリカルカで待機することに納得してもらった。
チュリカルカからヘリをお願いしたいというと、料金はなんと、$1100。コーテからの$700より高いのは、標高が高いからだそう。
てっきり、もっと安く$500くらいになるのかと思っていたので、ヘリを躊躇してしまう。
しかし、峠は越えられず、南ルートへ戻ることもできず・・・途方に暮れる。
夜、ルクラから歩いてきた人が来た。客1人・ガイド1人・ポーター1人の3人組。
峠の様子を聞いてみたら、ガイドが動画で見せてくれた。
登りはまだいいけど、ここを下るならロープが必要だよと忠告してくれる。また、Wifiに繋げて週間天気予報も見せてくれた。
明日は晴れ、明後日は天気が崩れる。ヘリを呼ぶなら明日がいいと。
Day21 チュリカルカ
晴れ
昨日、一晩考えて、$1100払ってヘリを呼ぶことに心を決めていた。
朝イチ、ロッジのオーナーに、ヘリを呼んでほしいとお願いすると、
「今日1日待てば雪が解けて、明日は歩いて下山できるようになると思うよ。だから、今日はここで待機がいいよ。」
とのこと。そして、
「ヘリ代は高い。時間があるなら、待機してお金は節約したほうがいい。」とも。
ということで、考えを改め、1日待機することに。
でも、明日は天気が崩れる予報だから大丈夫なのだろうか・・・ と思いながら。
バッテリーがないので、基本的にこの日も暇だったけど、昨日到着した韓国のツーリストと話できたので、良かった。
親日な方で、日本へ旅行した時の写真も見せてくれ嬉しかった。
夜、またルクラから登ってきたグループが到着。ハワイから来た女性4人組とそのガイド・ポーター。一気にロッジが賑やかに。
峠の様子を聞くと、まだまだ雪はたっぷり、腰くらいまであったとのこと。
Day22 チュリカルカ
曇り
峠を見上げると、すっぽりとガスに包まれている。
昨日ルクラから歩いてきたグループがいるから、トレースは残っているだろうけど、このあともしまた雪が降ればトレースが消えて、危険極まりない道のりになるんじゃないかと心配になってしまう。
ということで、もうお金の心配は辞めて、安全最優先でヘリをお願いした。
滑落して大けがしてしまったら、10万どころか、もっと大きな損失となってしまうことを考えれば、$1100は決して高くない。
と、一大決心をしたのに、この日は天気が悪くてヘリは結局来てくれなかった・・・
明日の朝一で、ルクラからカトマンズへの飛行機を予約しているので、この日中にルクラへ戻れなかったということは、カトマンズ行きの飛行機チケットを無駄にしたことになる。
私のチケットは予定が変更できないものだったので、明日の飛行機に乗れなければ、また新たにチケットを購入しなければならず、また金額も倍くらいするよとガイドに言われていた。
ヘリ代$1100、飛行機代きっと$300、合計16万円くらいを覚悟しなければならなくなり、すっかり私は暗くなっていた。
すると、ロッジのオーナーがやってきて、
「明日の朝、天気がよければ6時にヘリが来てくれる。だから、そのままルクラへ行き、カトマンズ行きの飛行機に乗れるよ」
とのことだった。明日晴れることを祈った。
夜、ガイドには、
「明日の天気もきっと良くないからヘリは来ない。天気が悪ければルクラ空港も閉鎖となり、カトマンズ行きの飛行機チケットを翌日に振替できる。
だから、明日は7時半までヘリを待って来なかったら、歩いてルクラへ戻ろう。」
と、かなり強い目力をもって言われた。
確かに、もうここに連泊して5日目。これ以上ガイドを拘束するわけにはいかないし、ハワイ人グループのトレースがまだ残っているはずだから、大荒れな天気にならない限りは大丈夫だろうと考え、明日はヘリが来なければ歩いて下山する覚悟をした。
Day23 チュリカルカールクラ(2800m)
曇り
朝5時に起きて、いつでもピックアップしてもらえる準備は整えていたのだけど、ヘリは来ない。
ガイドと約束していた7時半になってしまったので、ヘリをキャンセルして歩いて行こうとすると、あわててロッジのオーナーがやってきて、
30分後にヘリが来るから待機していて! とのこと。
おおー!やっと来てくれるのか!と、一安心。
そして、ルクラーカトマンズの飛行機チケットは、ルクラ空港が閉鎖しているので明日へ変更することができたから安心して との朗報も!
1時間後、いよいよヘリが来るとのことで、ヘリポートまで行って待機する。
青空も見えてきた!お金はかかってしまうけど、人生初のヘリにワクワクする。
・・・
15分くらい待っても、ヘリは来ない。
いったんロッジへ戻り、ヘリ会社と電話したオーナーからお話が。
オーナー:「ヘリは近くまで来たのだけど、天候不良でヘリポートを見つけられず、引き返してしまった。再度ヘリを要請する場合は、追加で$800になります。」
!!!
私:「ということは、ヘリ代は$1100+$800=$1900ということ?」
オーナー:「Yes」
はあ!?
意味がわからない。キレそうになった。
ガイドも怒っていて、歩いて下りようと強く私に言い、ロッジを後にした。
一応、5日もお世話になったので、Thank you とだけ言ってきたけど、ガイドは挨拶なしに出て行った。
時刻は9時。
歩いてルクラへ向かうには遅すぎる時間となってしまったが、もう歩くしかない。息がきれまくっているけど、怒りパワーでぐいぐい登る。
数日前はまだ沢山あった雪も、すっかりなくなり歩きやすい。
途中、ガイドとヘリのことで話をした。
なんと、追加の$800を私に請求する前に、ロッジのオーナーはガイドに$700払うよう請求していたとのこと。意味がわからない。
もちろん、ガイドが払う必要は全くないし、そもそも彼はそんなにお金を持っていないから払えない。
そして、ルクラへ戻ったら、ロッジにヘリ会社のオーナーがやってきて、$1100の請求はされると聞いてさらに驚いた。
ヘリは来てくれなかったのに、なんでお金払わなきゃならないのか!
わざわざ大金払って、これから危険な道を歩かなければならないのかと思うと、がっかり感が大きすぎて鬱病になりそうだった。
とりあえず、めちゃくちゃ頭にきていたので、「私は絶対に支払わない!」と、大声で叫んだ(笑)
ガイドも、「私も、支払う必要はないと思う。それをそのままヘリ会社のオーナーにぶつけたらいいよ」と。
もし、ヤクザみたいな人が現れたらどうしよう とか、けっこうビビッていたけど、とにかく、ルクラに着いたら日本大使館に電話して助けてもらうことにした。
気を取り直して登り進めると、ポーター1人と出会う。彼はガイドの友達だった。
そして、ラッキーなことに、今日中にルクラへ行く予定で、彼の荷物はほとんどない。
私のバックパックまるごとルクラまで運んでもらえることになった。ガイドの友達だということで、彼は信用できる、大丈夫 という太鼓判つき。
そして、2人より3人のほうが、この先の雪道を思うと安心。
ということで、ポーター費を支払い、3人で進むことになった。
荷物を持ってもらったので、さらにペースアップし、トラバース手前の頂上に到着。
確かに雪は沢山残っていたけど、しっかりとトレースができあがっていて、雪もしまっていて歩きやすくなっていた。これなら私でも大丈夫だ!
天気は曇りで、雪崩の心配もなさそう。
数日前はあんなに恐ろしかったのに、今日は怖くない。数日でこんなにも変貌してしまうなんて、雪は本当に恐ろしい。
トラバースを抜けて、いよいよ一番心配していたザトワパスの頂上に到着。
雪はたっぷり。でも、ジグザグの立派なトレースが出来上がっていて、ひきしまった雪質のため、私でも下れる!
天気も引き続き曇っているので問題ない。
ここは岩場のはずだけど、岩の姿は全く見えない。中途半端に雪があるよりもよっぽど歩きやすいラッキーな状態かも。
下る前に、少し休憩した。
そこでなんと、ポーターが座布団を用意してくれ、彼の行動食のチョコレートも沢山分けてくれ感激!笑顔が素朴でとても優しそうな人だった。
慎重にザトワパスを下る。もちろん軽アイゼンをつけて。
アイゼンを持っていないガイドは、私が滑ったときに支えるために私のすぐ後ろを歩いていたが、よく滑って転んでいたので、これじゃあ巻き込まれて滑落するだけじゃん!! と、結局ルクラまで私の前を歩いてもらった。
私があなたを必ず安全に守ります なんてカッコいいこと言ってたのに・・・
ポーターは軽アイゼンをつけて下っていたので、一度も転んでいない。
チュタンカの手前、標高4000mの地点に小さな集落があった。誰もいなかったけど、ロッジの看板があったので、きっとオンシーズンは宿泊可能。
ここからは、樹林帯へ入り、心配していたアイスもなく、ぐいぐい下山する。
もう、日本の山と同じような風景、安全な登山道で楽勝。
チュタンカはロッジが営業していたので、軽めにランチを食べ、ルクラへ急いだ。
ルクラには17時に到着。暗くなる前に到着できてホッとした。チュタンカからルクラまでは1.5時間くらいかかった。
さあ、これからヘリ会社のオーナーと戦わなければならない! と戦闘態勢万全でロッジへ行く。
が、結局誰も来なかったし、ヘリ代を請求されることもなかった。
ガイドへ、21日間もお世話になったお礼とチップを渡し、21日ぶりにインターネットに繋げて家族に無事下山の報告をして安らかに寝た。
ロッジスタッフは不愛想だけど、料理は美味しかった。
Day24 ルクラーカトマンズ
晴れ
7時にロッジのダイニングへ行き、ロッジの人に空港まで連れて行ってもらう。チェックイン手続きもロッジの人がすべてやってくれた。
「あなたのガイドはどこへ行ったの?」
と聞かれたので、普通はガイドがやることなのかと知る。
来てくれなかったということは、チップの額が不満だったのだろうか、、私にほとほと疲れ果ててしまったのだろうか、、など心配になった。
セキュリティーチェックを通り抜けて、搭乗を待っていると、慌てたガイドがやってきた。
今日からエベレストBCへのガイドの仕事が入って、慌てていたとのことだった。
最後に挨拶できてほっとし、飛行機へ乗った。
快晴だったのだけど、飛行機はけっこう揺れて、飛行機酔いしてしまう。最後に飛行機からヒマラヤの景色を眺めるのを楽しみにしていたけど、ほとんど見れなかった。
続きはこちら >>メラピーク登頂 山行記録5(全5話)