2019年3月、ネパール メラピーク(6,476m)登頂できました!
この日のために、半年以上のトレーニングと高山病について勉強し対策してきましたので、登頂できた瞬間は感動して涙がでました。
おととい帰国し、まだまだ余韻に浸っている状況ですが、すでにもうネパールへ行きたい衝動でいっぱいです。ヒマラヤには中毒性がありますね^^;
今回は、一人でネパールへ行き、現地旅行代理店に登山許可証の取得やガイドの斡旋をお願いして行ってきました。
心配していた現地シェルパガイドとの相性ですが、とても素晴らしいガイドにあたり大満足というか、素晴らしすぎて感動しました。
本記事では、費用の内訳や、利用した旅行代理店情報、登山道の状況など、個人でメラピーク登山をしたいと思っている方向けに詳細を記載します。
また、メラピーク登山の予定はない方でも、ヒマラヤ登山のハードルは思っているよりも低いということを感じていただけ、チャレンジしてみたいと思っていただける内容になっているかと思いますので、ぜひご覧ください。
メラピークの位置
メラピークは、ネパールの東側、エベレストがあるクーンブ地域にあります。
エベレストベースキャンプやゴーキョへ行く場合は、ルクラ空港から北へ向かって歩きますが、メラピークの場合は、ルクラ空港から南へ向かって歩きます。もちろん、ルクラ空港スタートではなく、カトマンズからジープでサレリまで行って、そこから歩いて行くことも可能です。
このメラピークの存在は、前回のエベレストベースキャンプトレッキング中に出会った日本人グループの方たちに教えてもらいました。
ネパールでは登山家以外はトレッキングしか出来ないと思い込んでいたところ、その時出会った日本人グループはアイランドピークへ向かう途中。しかも、山岳会のグループではなく、登山も全くしない方たちでした。
普段登山をしない人たちでも、ヒマラヤの6000m峰にチャレンジできるということ、道具は全てベースキャンプでレンタルでき、テクニカルな箇所はクライミングガイドが助けてくれるという事実を知り、私でも行けるんじゃないか!私も行きたい! と思ったのが今回の山旅のきっかけです。
そして、アイランドピークは、長い断崖絶壁や大きなクレバスがあり、高所恐怖症の私には厳しいなと思ったので、この方たちに教えてもらったもう一つの6000m峰メラピークへ行こうと決めました。メラピークには急斜面がありません!
スケジュール
- 【Day1】 羽田ー広州ーカトマンズ
- 【Day2】 カトマンズ
- 【Day3】 カトマンズールクラープイヤン(2840m)
- 【Day4】 プイヤンーパンゴン(2804m)
- 【Day5】 パンゴンーラマイロダダ(3276m)
- 【Day6】 ラマイロダダーチェトラコーラ(3122m)
- 【Day7】 チェトラコーラータクト(3670m)
- 【Day8】 タクトーコーテ(3580m)
- 【Day9】 コーテータグナ(4358m)
- 【Day10】 タグナ
- 【Day11】 タグナーカーレ(5100m)
- 【Day12】 カーレ
- 【Day13】 カーレーメラハイキャンプ(5800m)
- 【Day14】 メラハイキャンプーサミットーカーレ(5100m)
- 【Day15】 カーレータグナ(4358m)
- 【Day16】 タグナーコーテ(3580m)
- 【Day17】 コーテータクト(3670m)
- 【Day18】 タクトーチュリカルカ(4200m)
- 【Day19】 チュリカルカ
- 【Day20】 チュリカルカーザトワパスーチュリカルカ
- 【Day21】 チュリカルカ
- 【Day22】 チュリカルカ
- 【Day23】 チュリカルカールクラ(2800m)
- 【Day24】 ルクラーカトマンズ
- 【Day25・26】 カトマンズ
- 【Day27】 カトマンズー広州
- 【Day28】 広州ー羽田
計画当初は、行きも帰りもザトワパスを歩こうと思っていたのですが、現地へ行くと、ザトワパスは大雪で通行止めとなっていたため、急遽、南側をぐるっとまわるコースへ変更しました。
帰りにチュリカルカに5泊もしているのは、一度雪解けして通れるようになったザトワパスにまた大雪が降り、通過できなくなったための停滞です。3月はまだまだ雪の可能性があるのを身をもって知りました。ベストシーズンは10月で、大雪の心配もないそうです。
費用
航空券 (日本-ネパール) | 85,000円 |
航空券 (カトマンズ-ルクラ往復) | 40,000円 |
ギアレンタル※1 | 12,000円 |
ポーターガイド(21日間) | 82,000円(内チップ30,000円) |
クライミングパック費※2 | 88,000円 |
追加ポーター費 | 5,500円 |
トレッキング時の宿泊食費(21日間) | 63,000円 |
カトマンズ滞在費(5日間) | 25,000円 |
その他 | 10,000円 |
海外山岳保険 | 12,000円 |
合計 | 422,500円 |
※1: シュラフ・軽アイゼン・極厚ダウン上下・厳冬期用ブーツ・12本アイゼン・ハーネス・カラビナ等・ピッケル・ダウンミトン
※2: クライミングガイド・登山許可証・テント泊分のテントや食費
メラピークの登山許可証費は、$250です。(秋は$125とベストシーズンなのに半額!)
参考URL:TAANのページへ
自分で登山許可証を取得し、カーレまで自力で行ってからクライミングガイドを申し込みできると、クライミングパック費は$550で行けそうなのですが、私が調べた限り、この登山許可証の取得は代理店を通さないと取得できないようで、最安方法は諦めました。また、許可証の申請にはクライミングガイドの名前も必要になります。
保険
海外山岳保険は、レスキューヘリを要請してしまった時のみカバーされるものに入りました。
アイゼン・ピッケル使用となると、クレジットカードに付帯しているものは使用できなく、民間の保険は一気に高くなるので、探すのに苦労しました。
ヘリと傷害保険がセットになったもので大手保険会社へ問い合わせすると、お値段12万円と見積もりがでてきたときには目が点になりました・・・
知り合いの個人の営業マンへ問い合わせすると、半額の6万円ほどの見積もりがでてきましたが、それでもまだ高い・・・
探しに探して、日山協山岳共済の海外山岳保険にたどり着きました。
こちらも、ヘリと傷害保険をセットにするとやはり6万円ほどになるのですが、ヘリのみだと1万2千円だったので、ヘリだけ申し込みました。
メラピークはテクニカルな個所はないし、ビビりな私はケガするほどの危険を感じたら引き返すと思ったので、ケガはしないだろう、いや、絶対にケガはしないぞ!と心に誓ったので。
高山病でヘリを要請する可能性は高いと感じていたので、ここだけカバーされる保険を申し込みました。
— 追記 —
先日、日本人なら全員加入している国民健康保険が、海外で医療行為を受けた時にも使えるという事実を知りました!
日本で健康保険が適用される範囲内での医療行為であれば、海外で医療行為を受けた場合も費用総額の7割を負担してもらえるとのこと!(負担額は自治体で違うかもしれません)
利用するには、自治体で用意されているフォーマット用紙に、現地病院で記入してもらう必要があるので、もし、医療保険に入らない場合は、事前に自治体ホームページか、役所へ行って用紙を用意しておくと安心かと思います。
概要と感想
日本で計画していた予定では、ルクラからメラピークの拠点カーレ村までは一人で歩き、カーレ村-メラピーク-カーレ村のみクライミングガイドをお願いするプランでした。
カーレで、雪山登山靴やピッケルなど、クライミング装備一式がレンタルできるのと、ロッジ宿泊スタイルでいけるため、カーレまでは、日本の山小屋泊くらいの荷物量で行けます。
ネパールへ到着し現地旅行代理店へ行くと、ザトワパスは大雪で通行止めとなっているため、南側をぐるっとまわるルートしかないと聞き、南側ルートは情報が少なすぎて一人で歩く自信がまったくなかったので、代理店に勧められたポーターを一人お願いしました。
ポーターは少し英語が話せて、道は知っているとのことだったので、一人で歩くよりもずっと安心と思い。
荷物は30kgまで背負ってくれるという話でしたが、実際にポーターと会うと荷物は半分しか持ってくれませんでした。が、思いがけずガイドをしてくれ、しかも、危険個所多数すぎて、結果、ポーターガイドで良かったと思いました。
もし、本当にただのポーターだったら、私は2日目で敗退していました。
ということで、ルクラからカーレまでのトレッキング街道はポーターガイドと二人で歩き、カーレからメラピークまではクライミングガイドと歩きました。
宿泊
ルクラからメラピークの拠点カーレ村までは、ロッジに宿泊しながらのトレッキング、カーレ村からメラピークサミットまでは、テント泊1泊。
トレッキング街道沿いのロッジは閉まっているところが多く、ガイドがいなければ大変なことになっていたなと思いました。10月のベストシーズンであればきっとすべてオープンしているのかもしれません。
カトマンズに売っている地図には、ロッジがあるかどうかのマークはありませんが、地名が記載されている個所ほとんどには宿泊できるロッジがありました。(クローズしてましたが)
宿泊費は、だいたいどこのロッジも1泊500Rsと、エベレスト街道やアンナプルナ街道の1泊200Rsと比べると高かったです。食費は高度が上がれば高くなるということはなく、ずっと高かったです。
あまり人が歩かないから全体的に高いのでしょうか。だいたい1日平均3,000Rs使用しました。
充電事情
私は、モバイルソーラーパネルで充電しながら歩いていたのですが、後半で壊れてしまったため自分で充電できなくなりました。
そこで、ロッジで充電させてもらえないか毎回聞いていたのですが、どこのロッジも充電させてくれませんでした。まったくNGというわけではなく、ロッジも小さなソーラーパネルで充電はしていたので、もし余分に充電できれば分けてくれたのかもしれません。
エベレスト街道ではお金を払えばどこでも充電させてもらえましたが、メラ街道はほとんど充電させてもらえないと思っていたほうがいいかと思います。
ソーラーパネルで充電できている間は、毎日iphoneのGPS機能とKindleアプリでの読書、カメラはGoProで動画と写真を撮っていましたが、バッテリーに困るということは一切ありませんでした。
赤道に近いせいか、高度が高いからか、日本で実験したよりも多く充電されているような気がしました。
試用したソーラーパネルは、suaokiソーラーパネル350gです。
後半、他のトレッカーに貸したら、USB接続箇所がもれなく壊れて返ってきました・・・。
このパネルが使えなくなってからも一週間ほど山にいたので、それはそれはもう節電しまくり。暇な時間は沢山あったのに読書は一切できませんでした(涙)
もっと頑丈なものを買いなおそうと思いますが、今後他の人に貸すということはしないと誓いました。
トレッキング街道(ルクラーカーレ間)
メラピーク登山の拠点となるカーレ村までのトレッキング街道は、ザトワパスを越えるルートと、南側をぐるっとまわるルートの2パターンがあります。
ザトワパスルートは近道となりますが、いきなり標高が上がるため、高山病の心配が大きくなります。
南側をぐるっとまわるルートは、とてもゆっくりと標高をあげれるため、高山病対策にはいいですが、とにかく長く、毎日アップダウンの連続な上に、ルートはあまりよく整備されていません。
エベレスト街道やアンナプルナ街道は危険個所ゼロで、ガイドなしでも余裕で歩けるなあと思いましたが、メラ街道の南側ぐるっとルートはとてもじゃないけど一人では歩けませんでした。
トラバース道はとても細く、崩壊してるんじゃないの!?と思われる個所が多数あり、ガイドが体を張って助けてくれたのでやっと通過できました。日本の山では鎖があっておかしくないと思われるところが多数です。
また、雪もかなり残っていたので、さらに難しく感じたのだと思います。
帰り道、ザトワパスを通過しようとした日、まさかの大雪で困難を極めました。
太ももあたりまでのサラサラな新雪の急斜面は、死を覚悟しちゃうほど怖かった。ガイドが体を張って守ってくれましたが、こんな状況では停滞するべきなのに前へ進もうとしたガイドの判断にはかなり疑問がありました。
この日以降は、ガイドの判断ではなく、私自身の判断で進む進まないを決めさせてもらいました。
なぜ、こんな危ない状況でもガイドは前へ進もうとしたのか。
なんと、私は20日間と余裕のあるスケジュールを組み、その日当分を代理店に支払っていたのに、ガイド自身は18日分しか日当をもらっていなかったため、18日以内に完了させようと急いでいたという事実を後で知りました。(さらに、、ガイド自身は17日間で完了できるだろうと勝手に想定しており、18日目からは別の登山客のアポを受けていました。そのアポをキャンセルしなければならなくなったことについてもチクチク文句を言われました・・・ 知らんよ、そんなこと・・・・)
しょうがないので、足りない日当はガイドにさらに支払い、安全に下山できる日まで停滞してもらいました。
ザトワパスを越えられなくて、あまりにも停滞日が長引いたため、ヘリを要請しましたがヘリは天候不良で来てくれず。
停滞5日目で、ガイドに説得されて歩いて下山しました。この日はしっかりとトレースが出来上がっていたので、安心して歩けました。
クライミングパート(カーレーメラピーク間)
カーレ村からは、専門のクライミングガイドがサポートしてくれます。
ここまでサポートしてくれたトレッキングガイドはカーレで待機の予定だったのですが、登りたそうだったので、追加費用を払って荷物を半分持ってもらいました。また、ここまで10日間ずっと一緒に歩いてきたという仲間意識が私にはあったので、彼が登りたいと言ってくれたときはとても嬉しかったです。
しかし、ハイキャンプへ到着すると、彼は高山病にかかってしまったため、ハイキャンプ以上へは別のシェルパに追加費用を払って荷物を持ってもらいました^^;
シェルパでも高山病になるんだなと驚きでした。
今シーズンから、メララーハイキャンプ間にブルーアイスと呼ばれる、非常に硬い氷の斜面が現れ、困難だなと感じました。特に下山時は怖かった。
このブルーアイスの斜面は、2時間ほど歩きます。
他には困難と思われる個所はありませんでしたが、隠れクレバスの判断は難しいようで、メラピーク専門ではないクライミングガイドの場合は判断つかなく途中で下山しているパーティーを見かけました。
私のクライミングガイドはメラピークに数えきれないくらい登頂している専門ガイドだったので、安心して通過できました。
それにしても、ルートファインディング中のガイドはカッコいい。
ちょっとでも怖くてビビッていると、すぐに近くにきてサポートしてくれます。大丈夫大丈夫!と声掛けしてくれながら。
アッセンダーでの登りや、エイトカンを使った懸垂下降の練習はカーレでありましたが、実際に必要な場面はありませんでした。
ハイキャンプへ到着した日は食欲ばっちり、頭痛もなく登頂できる自信がありましたが、翌朝は食欲ゼロ。
数歩歩くだけで息は上がってしまう。
こんなんで登頂できるのだろうかと心配になりましたが、快晴微風の天候に高山病にもなっていない体調、ここであきらめたら一生後悔すると自分を奮い立たせました。
クライミングガイドには、数歩歩くだけで息が上がってしまうのでペースは遅くなると申告しましたが、全く問題ない!と力強く言ってくれたのはかなりの励みになりました。
ちなみに、ハイキャンプにはトイレが2室ありました。
写真中央の建物がトイレです。
テントはキッチンテントは設置しっぱなしの広いものがあり、宿泊用テントはカーレからポーターが運んでくれました。
私はプライベートガイドを予約していたので、宿泊テントは私一人の予定だったのですが、道中色々あり、イランの女性と一緒に登ることになったので、女性二人でテントシェアしました。
一人テントは風で吹き飛ばされちゃうんじゃないかなど不安があったので、二人でシェアできて心強かった。とてもタフでいい方だったというのもあります。
服装と薬
トレッキング中は、日本の秋の北アルプスを歩く程度の装備で歩き、カーレ村で雪山登山靴とクライミング装備一式をレンタルし、カーレ村からメラピークまでは日本の厳冬期以上の装備で歩きました。
トレッキング中(ルクラーカーレ村)
日本の秋の北アルプスを歩く程度の装備です。
日中
- トレッキングシューズ(3シーズン用)
- ゴアテックス雨具
- ウルトラライトダウン(ユニクロ)
- フリース(ユニクロ)
- ユニクロヒートテック(ユニクロ)長袖)
- トレッキングパンツ(厚め)
- 薄手手袋
寝る時
- ウルトラライトダウン上下(ユニクロ・ミズノ)
- ヒートテック上下(ユニクロ)
- フリース上(ユニクロ)
- シュラフ(レンタル・厳冬期用)
- 緩めのモコモコ靴下
シュラフはカトマンズの旅行代理店で、メラピークハイキャンプでも耐えうる温かいダウンシュラフをリクエストしてレンタルしたのですが、トレッキング街道でも寒いと感じる粗悪品でした。しかも、自分に見る目がなかったのが悪いですが、ダウンではなく化繊でした・・・。「-20度」と刺繍されていましたが、まったくただの飾り。あまりにも寒いので、メラピークへ登る前にクライミングガイドへ相談したら、本物のダウンシュラフを貸してくれたので判明した事実です。カーレ村でレンタルした本物のダウンシュラフは軽くてとっても温かかった。
クライミング時(カーレ村ーメラピーク)
クライミングガイドが、出発前日にすべての装備をチェックしてくれ、不足しているものは貸出してくれました。
日中
- 厳冬期用シングル登山靴(レンタル)
- ゴアテックス雨具
- ウルトラライトダウン(ユニクロ)
- フリース(ユニクロ)
- 極暖ヒートテック上下(ユニクロ)
- 極厚ダウン上下(レンタル)
- ダウンミトン手袋(レンタル)
- ウール手袋(モンベル)
- ウール帽子
- バラクラバ
- サングラス
- ハーネス(レンタル)
- カラビナ・アッセンダー・エイトカン・スリング(レンタル)
- 12本アイゼン(レンタル)
- スパッツ(レンタル)
- ピッケル(レンタル)
登山靴は日本の厳冬期で使うシングルブーツでしたが、まったく問題ありませんでした。寒いなと感じることは一度もありませんでした。
心配していたサイズもぴったり!私は42半を借りました。歩きやすかったです。他のロッジではプラスチックブーツを貸し出ししているところもあるようです。
ピッケルはほぼ杖として使用のため、長めのものを勧められました。
極厚ダウンはとても暖かく快適。ハイキャンプからサミットまでは、上下着たまま歩きました。
極厚ダウン上は、雨具の上に、極厚ダウン下は、雨具の中に。
ゴーグルもレンタルしましたが、天候が良かったので使用せず。ダウンミトン手袋とゴーグルは無料で貸してくれました♪
寝る時
- 上記服装に、厳冬期用ダウンシュラフ(カーレでレンタル)
日本の冬山ではゴアテックスのシュラフカバーが必須なので、カトマンズの代理店でシュラフカバーについて尋ねてみると、必要ないと言われました。
大丈夫なのかなあとやや心配だったのですが、まったく大丈夫でした。日本と違ってかなり乾燥しているからでしょうか。
シュラフマットは、ガイド側で用意してくれるので準備する必要なしです。
薬
エベレスト街道だとナムチェに薬局があり、また途中に診療所がありますが、メラ街道はルクラ以降はいっさい購入できないため、多めに持参しました。カトマンズでも薬を購入したのは、ダイアモックスは単純に安いから、下痢止めは日本の薬では効かないと思ったためです。
日本から持参した薬
- ダイアモックス(6錠)前回の残り
- 総合風邪薬
- 葛根湯
- 咳止めフスコデ錠(処方箋)咳喘息のため必須薬
- ビオフェルミン整腸剤
- ビオフェルミン下痢止め
- 解熱鎮痛剤
- かゆみ止め
現地カトマンズで購入した薬
- ダイアモックス(アセタゾラミド)20錠
- 下痢止め
上記の中で実際に使用したのは、ダイアモックスと総合風邪薬のみ。
サプリメント
- ビタミンC(DHC)
- 酵素ミドリムシ
一度風邪をひいてしまうと、高所ではなかなか治りにくいということを前回学んだので、風邪予防としてビタミンC剤を、
ロッジの食事だけでは栄養が偏るのと、高度障害で食欲がなくなってしまうと一気に抵抗力が弱ってしまうので、予防としてマルチビタミン剤を持っていこうと思ったのですが、ミドリムシというサプリが添加物なしで多くのビタミンをカバーできると知り、マルチビタミン剤ではなくミドリムシにしました。そして、酵素も入っているので、便秘に苦しむ必要もなくなり、ナチュラルでお得なサプリです。
酵素ミドリムシの栄養素
- アミノ酸 18種類
- 不飽和脂肪酸 11種類
- ビタミン 14種類
- ミネラル 9種類
- 85種類の植物から作られた酵素
これが、添加物一切不使用とのことなので、天然の完璧なサプリメント!見つけた時は、これは登山のために作られたんじゃないのかと大興奮!
サプリは毎日飲みました。ずっと体調を崩すことなく、そして、毎朝とても快腸なのには驚きました。規則的に毎朝、目覚めると便意があり、気持ちいいくらい出ました。ハイキャンプでも、ちゃんと出ましたw
こんなに快腸になるなら、下界でも酵素ミドリムシを飲み続けたいなと思いましたが、けっこういいお値段なので悩みます。
長期山行のときの栄養補助にはかなりいいサプリだと思います。
ガイドと代理店
今回、はじめてプライベートガイドをお願いしましたが、人柄や相性などはとても心配でした。
これまで一人でトレッキングした道中で出会ったガイドに、よい思い出がなかったからです。
結果、トレッキングガイド・クライミングガイド、どちらもとても素晴らしい方たちで、しっかりとサポートしてくれ、かつ、いつも楽しませてくれ、あまりにもよいサポートサービスに感動しました。
もちろん、トレッキングガイドは21日間と長期間朝から晩まで一緒にいたこともあり、時々?と思うようなこともありましたが、総合すると200%の満足度です。
代理店に依頼した内容は
登山許可証の取得代理と、カーレーメラピーク間のサポートのみのパックが$800ほど。他のほとんどの代理店では一人で申し込めないか、申し込めても手数料がバカ高かったのですが、ここは一人でもOKかつ良心的な価格設定というのがポイントでした。
また、追加で依頼したトレッキングポーターは、$18/1日を支払いましたが、実際にポーターへは$17/1日 支払われていましたので、現地スタッフへの仲介料も激安で良心的な会社だと思います。
メールでの問い合わせのレスポンスはとても速かったです。
カーレーメラピーク間のクライミングガイドは、寡黙な方でしたが、がっちりサポートしてくれましたし、親のような優しさがあり、何度もメラピーク登っているエキスパートで安心感があります。
↑カーレ村でロープワークトレーニング 手前がクライミングガイド
宿泊費やチップを払った時、渡したお金を全額、隣に座ってる奥さんに渡してる姿がとても微笑ましかったです。稼いだお金は全て妻のものになるんだ と笑いながら言ってました。奥様はいつも素敵な笑顔です。
クライミングガイドの息子さんはエベレストに5回登った優秀なシェルパで、現在は日本で生活されています。お会いしたことはありませんが、カタコトですが日本語でチャットさせていただきました。
なんで日本で生活してるんだろうか、やっぱりエベレストガイドは拘束期間が長く、命を落とす危険が常につきまとうし、その割に給料はびっくりするほど低いと聞くので(エージェントにほとんどもっていかれるそうです)、やっぱりそういう理由なんだろうか、とか、色々聞いてみたいことはありましたが、会ったこともないのにズケズケ聞くなんて失礼かと控えました。
エベレスト登頂時の写真を何枚か送ってくれたのですが、そんな写真を見せられると、登ってみたいなという欲は湧いてきてしまいますよね^^;
次はバルンチェがおすすめで、登るならガイドしますよ!と言われましたが、、私には難易度高すぎる・・^^; 「バルンチェ」という名前の響きがかっこいいという理由だけで、いつかは登ってみたい山の候補にはなりました。
ベストルート
ルクラ – コーテ間のトレッキング道は、ザトワパスを越えるか、南側をぐるっとまわるかの2パターンありますが、今回、ザトワパスは大雪で危険、南側は崩落している個所多数で危険と、あまり積極的に歩きたいとは思えない状況でした。そこで、レスキューではなく、普通にヘリを利用した場合の値段を聞いてきました。
決して安くはないけれども、びっくりするほど高くはない。日程の短縮ともなるので、3人くらいのグループであればヘリを利用してしまったほうがいいと思いました。
私が聞いたヘリ代↓
- ルクラ – コーテ村・・・70,000Rs
- ルクラ – チュリカルカ・・・110,000Rs
- ルクラ – カーレ・・・?
チュリカルカは標高が高いので値段が高いそうです。
コーテとカーレは川沿いにあるため、多少天気が悪くても飛んでくれます。チュリカルカは快晴じゃない限り来てくれないようです。
コーテ – カーレ間のトレッキング道はエベレスト街道のようにとても歩きやすく、一人で歩いても問題ないと思いました。また景色も開放的で楽しいので、苦労しかないルクラ- コーテ間だけヘリを利用するのが、ベストではないかと思います。
往復利用すると14万円ほどですが、3人で割れば一人5万円ほど。これで5日間ほど短縮できますので、あまり休みを確保できないビジネスパーソンはヘリを使ってしまったほうがお得ではないでしょうか。
メラピーク登頂のために行ったトレーニング
メラピークは急斜面がないので、クライミングテクニックは必要なく、隠れクレバスの判断やロープワーク等は専門のクライミングガイドが全てサポートしてくれますので、自分で必要な最低限の準備は、体力強化と高所順応についての知識、そして、登頂したい!という強い気持ちだと思いました。
時期によっては、アッセンダーを使った登りや、懸垂下降が必要になることもあるようですが、どちらも登山前にきちんと講習があり、ロープのセッティングは専門ガイドがやってくれますので、事前に日本で100%身につけておく必要はありません。ただ、事前に練習または、本などである程度の知識を習得しておくと安心かとは思います。
私はアッセンダーの登りも懸垂下降もしなくてすみましたが、もし必要となった場合は命に関わることなので、ガイド任せにはせず、自分でもしっかり確認・安全だと確信できる知識はあった方がいいと思います。
アイゼン・ピッケルの使用方法ですが、これはそこまで準備しなくても大丈夫なのかなとは個人的な意見ですが思います。
ただ、足がO脚であれば、アイゼン歩行で引っ掛けて転倒する可能性が高くなるので、事前の練習をおすすめします。
また、雪山用登山靴とアイゼンのセットはかなり足元が重たくなるので、慣れていないと歩きづらいとか、筋肉疲労を起こしてしまう可能性が高くなるので、日本の雪山で練習しておくと安心かと思います。難しければ、アンクルウェイトを巻いてトレーニングしておくという方法も!足元が重たくなると、足の付け根あたりがかなり痛くなります。
私は、雪山登山靴&アイゼン歩行は慣れていて、クライミングは超苦手ですが、ロープワークの知識と経験はありましたので、高山病の知識習得と、高山病をできるだけ防ぐための心肺機能の強化トレーニングを行いました。
具体的には、高山病の知識はこちらの本で学びました。
心肺機能の強化トレーニングは、ほぼ毎日30分〜60分の有酸素運動(心拍数140〜180交互に)です。
ランニングだとランニング用の筋肉を作らなければ心拍数を160以上上げるのが難しかったので、クライムミルというマシンを利用しました。
こちらのマシンは、ひたすら階段を登り続けるというマシンなのですが、簡単に心拍数が上がり、しかも、階段を登り続ける行為は登山の登りと似た行為なので、ランニングよりも登山用に鍛えるにはより良いトレーニングだと思います。この運動に必要な筋力は、登山に必要な筋力なのでモチベーションもグッと上がります!
あまり人気のないマシンなので、順待ちが必要なく、いつでも使えることも利点です。
そして、他のマシンよりも2段くらい高い位置に自分がいることになるので、ジム全体を上から見渡せるのも気分がいいですw
山行記録
Vlog(YouTube)
カーレからメラピークサミットまでの記録動画です
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