今年の3月に登頂したネパールのメラピークでは、登頂できた喜びと、ヒマラヤの素晴らしい景色に発狂してきたのが圧倒的な思い出ですが、
世界中の人との出会いもまた、とても楽しかった思い出の一つ。
私はとてもシャイで、よっぽど必要に迫られた時以外は、自分から知らない人に話しかけることができません。
職業も、なるべく人と話さなくてもすむ職業を選びました。なんて消極的理由で選んだ職業でしょうw
新卒ではエンジニア、その後デザイナーへ。
会社勤務していましたが、週1で30分くらいのミーティングをして、残りの4日間はずっと1人で作業、連絡はチャットかメールのみ という感じで、話し方を忘れてしまうのではと心配になるほどでした。
会社へ行く必要性はなくない? 通勤時間がもったいないよね? と思うようになり、何度か会社に交渉しましたが、自宅勤務は認められず、思い余ってフリーランスになりました。
話は戻りますが、それくらい私はシャイです。
(自分から話しかけられないだけで、話かけられたら嬉しくてオープンになります)
そんなシャイな私が、出会いが楽しかったなんて思えるなんて驚きです。
しかも、私は英語がほぼ話せません。
メラピーク登山中に出会った人たち
メラピーク登山でなくても、ネパールのトレッキングで1人で歩いていれば、絶対に色んな方に話しかけられます。
英語が話せない私ですが、山の夜は長く暇すぎるため、話のネタに尽きて暇を持て余した人が、1人で寂しそうにしている私に話しかけてくれるパターンが多いです。そしてその場合は、超わかりやすい英語で話しかけてもらえ、とってもラッキーな英会話レッスンとなります♪
そんなネパールでのトレッキング街道、
メラピークのトレッキング街道では、ベストシーズンではなかったせいもあり、トレッカーがかなり少なく、道中に出会う人は数名で固定されていました。
トレッカーが少ないため、お互いに出会えた時の喜びは大きく(お互いと書きましたが、これは私の推測)、言葉の壁はあっという間に乗り越えてしまいます!
トレッキング中、追い越し追い抜かされ、宿泊ロッジでは一緒にご飯を食べた人たちは3名。
- フランス人のおじさん(68歳)→ 職業:詩人・カメラマン
- イランの女性(30代前半)→ 職業:教師、エンジニア
- オーストラリアの男性(20代)→ 職業:船乗り
フランス人のおじさん
フランス人のおじさんはかなりパワフルで、いつも積極的に話しかけてくれ、他のトレッカーも巻き込み、このおじさん中心にいつの間にかグループみたいになってました。
会社勤務はしたことがない自由人。素敵です!こんな歳のとり方をしたいなと思いました。
パワフルなのは、体力も! 標高5,000m越えてもダイアモクスは使用していませんでしたし、高山病にもならず、めちゃくちゃ元気でした。
イランの超美人女性
イランの女性は超超超美人!プライドが高そうで、シャイで平凡フェイスな私からは絶対に話しかけられないし、きっと彼女からも私に話しかけることはなかったと思います。
でも、陽気なフランス人のおじさんが仲介人となり、話すきっかけが与えられ、最終的には、メラピークアタックは彼女と2人で行きました。(ガイド・ポーターがいるので正確には4名ですが)
そして、最初は、なんてプライドが高そうな美女かしら!これだから美女は嫌いだわーなんて思っていたのが恥ずかしくなってしまうほど、とーっても親切でフレンドリーな女性でした。
教師をしているためか、簡単な英単語と、ゆっくり&聞き取りやすいしっかりした発音で私に話かけてくれましたし、ガイドのわかりにくく聞き取りにくい発音も、私が理解しやすいようにわかりやすく聞き取りやすい英語と発音で翻訳してくたのもかなり嬉しかったです。
途中でバテて倒れてしまった時には、すかさずビスケットやチョコレートに水を飲ませてくれました。
彼女と一緒にアタックできて本当によかった!
ちなみに、イランの公用語は英語ではありません。彼女が英語堪能だったのは、海外留学の経験があるからとのことでした。
ネパールでお別れをした後数ヶ月、なんと、イランで旅行会社を立ち上げたという連絡がありました。
きっと、エンジニアでいた方が楽に稼げていただろうに。素敵な決断に応援心が200%です!
彼女の会社のインスタグラムはこちら
美しいイランの建築と自然がアップされていて、見ているだけで幸せです。
オーストラリアの若者
オーストラリアから来ていた若者男子は、職業船乗り。
船乗り=きっと会社員? の20代の若者が、1ヶ月の休暇をとって、ガイドとポーターを雇ってヒマラヤ登山をできるなんて、
オーストラリアの環境が羨ましすぎる!!!! と、若干の嫉妬心が湧いたのは紛れもない事実です^^;
私が20代の頃は、そんな余裕なんて全くなかったぞ!!! などなど^^;
こんな嫉妬心に溢れていたのがお恥ずかしいですが、
彼はとても大らか。
食事中に話しかけてもらった時、英語が苦手な私はよくつまづいてましたが、
その度に、
「ゆっくりでいいよ!これは英会話レッスン、レッツ レッスン♪」
なんて励ましてくれたのが嬉しかったです。
韓国の若者男子
彼と出会ったのは、トレッキング終了3日前のこと。
宿泊したロッジで話しただけですが、ロッジ滞在時間が長かったので、けっこう話できました。
彼は、サムスンで働いていたけど、2年で退職してメラピーク登山に来たとのこと。
ちなみに、彼の趣味は登山ではありません。
なぜそんな優良企業を辞めたのか、そして、なぜ登山が趣味ではないのに、エベレスト街道トレッキングではなくメラピーク登山を選んだのか、気になりすぎるので聞いちゃいました。
「上司の意見に100%従わなければならない文化が嫌だ」
「人と違うことをしたいから、トレッキングじゃなくて登山を選んだ」
とのこと。
なんだか、日本のブラック企業そのまま。思わず、「Me Too!!!」だから私はフリーランスになったと熱弁してしまいました。
人と違うことをしたいからトレッキングではなく登山を選んだ と言うことから、自分の意思で自分の人生を歩んで行きたいという強い意思を感じました。
そんな話をした翌日、深妙な顔つきで、私に相談したいことがあると話しかけられました。
何だろうと思って話を聞くと、ヘッドライトを忘れてきてしまい、ガイドに相談したら、2万円で売ってあげると言われて困っている、この価格は適正なのか? と言う相談でした。
中古のヘッドライトが2万円なんて、、、ありえません。
彼のガイドと私は話をしていて、翌日以降の天気予報や、私がこれから歩く道の積雪状況と危険度を動画を見せてくれながら教えてくれたりと、とても親切な方にみえたので、
2万円なんてぼったくりするようには見えなく、発音間違えで2千円なんじゃない?
と思いましたが、何度聞き返しても、2万円とのことでした。
確実ではありませんが、この先のコーテ村やカーレ村には売店がありましたので、そこで適正価格のヘッドライトは購入できるはず。
私は、この先に売店があることを伝え、2万円のヘッドライトを購入するのはギリギリまで待った方がいいと話しました。
そしてさらにこの翌日、私はヘリ下山をする決心をしたので、不要となったヘッドライトを彼にプレゼントしました。
彼はとても喜んでくれて、
「帰国したら、必ずあなたに沢山のプレゼントを持っていきます」
と言ってくれて、その言葉だけで嬉しく思いました。もちろん、この言葉は言葉だけで、実現はされないだろうと思っていました。
そして、帰国後1ヶ月。
もうすっかり彼のことは忘れていた頃、Eメールが。
1週間後に日本旅行へ行くので、都合が合えば会ってお礼したいという内容。
なんて律儀な人なのでしょう!
もちろん、会いました。
そして、私が欲しいと話ししていた、食べきれないほどの韓国海苔と沢山のフェイスパックをプレゼントしてくれ、さらに、あげたつもりのヘッドライトも返してくれました。
まだ社会人二年目の若者が返してくれた恩。涙が出そうでした。
サムスンを退職したあと、この先どうするのか聞いてみたら、
発展途上国への支援をしたい アフリカ支援のNPO団体に志願しているとのことでした。
素晴らしい志に、眩しくてまっすぐ見ることができません!
私は陰ながら応援するのみです。