これまで読んできた面白くて夢中になった登山の本(小説・漫画・エッセー)と、登山のために参考になった入門書・ガイドブック・雑誌をご紹介します。
登山が好きな方なら、どれも面白い!とぐいぐい読めてしまうものばかり! ぜひ、雨の日の休日や、ソロ宿泊登山時の有り余る夜の時間におすすめです。
登山/山岳小説
神々の山嶺 夢枕 獏(小説・マンガ・映画)
最初の数十ページは、引き込まれるものを感じなく、ちょっとつまらないなあと思ったのですが、評判がいい本だったので我慢して読んでいると、次第に面白くなり引き込まれ、あとは一気に読破していまいました。
かなりボリュームがありますが、読書があまり好きではない私でもぐいぐい引き込まれてしまったので、山が好きな方であればあっというまに夢中になってしまうと思います。
漫画や映画もあるので、活字が苦手な方は、漫画またはDVDという選択肢も!
孤高の人 新田 次郎(小説)
単独登山家・加藤文太郎さんの生涯を描いた小説です。
登山愛好家の間では、単独行といえば加藤文太郎 と知らない人はいないくらい、この本は山好きにとって最高な本ではないでしょうか。
次元はかなり違いますが、私は登山をはじめたばかりのころから、一人で登山をすることが大好きでした。でも、まわりからかなり心配のための批判をされ、また、一人で山へ行きたいなんて、何か悩みでもあるの?よっぽど仕事が辛いんだね など言われ、一人で山へ行きたいと思うことはおかしいことなのかな と悩んでたときにこの本に出会いました。(悩みがあるわけでも、仕事が辛いわけでもない、何かに不満があるわけではなく、とにかくなぜか一人で静かに山を歩くのが楽しくてしょうがなかったです。今でもこの気持ちは全く変わっていません。)
一人で山へ行きたい私の気持ちを代弁してくれているかのような、一人で山へ行きたいと思う気持ちはおかしいことではない! とホッとできた一冊です。
※単独登山はもちろんリスクありますので、後押ししているわけではなく、グループでは味わえない単独登山の醍醐味 といったところでしょうか。
栄光の岩壁 新田 次郎(小説)
凍傷によって両足先の大半を失っても、山に登り続けるクライマーの話。
私は超高所恐怖所のため、テクニカルな登山は好きではないのですが、この小説は夢中で読破しました。
主人公は本当に山が好きで好きでしょうがないんだなあ というところに好感がもて、
登山のトレーニングは登山でしかしない、 真面目にランニングとかしない、 真面目にトレーニングしている人を見て、なんでそんなに真面目にトレーニングするのか理解できない、雨なら室内でお酒でも飲みながらゆっくりすればいいじゃないか、という姿が圧倒的に好感がもてました。
私は今、登山のためにジムでトレーニングしていますが、できれば登山のトレーニングは登山をすることだけで鍛えたい派です。天気が悪ければ、のんびり家でお酒飲んでいたいです。
どうしても、費用・時間の確保が難しくて、でも、ヒマラヤ登山はしたいので、真面目に近所の24時間年中無休の無人ジムに通っています。
銀嶺の人 新田 次郎(小説)
こちらの本も、クライマーの話になりますが、ぐいぐい引き込まれました。
口数少ない内気な美佐子、社交的な淑子の、正反対な性格の二人の女性が主人公。
どちらの女性もとても好感が持てたのですが、自分の性格が内気なタイプなので、美佐子の静かな山への野心に特に夢中になりました。
縦走路 新田 次郎(小説)
女のドロドロした心をみる本だと思いました。
登山=景色に圧倒される爽やかな趣味 というものではなく、これは昼ドラみたい。
ドロドロした人間関係なんて嫌だわ~ と現実世界では敬遠しつつ、 でも、小説になってると夢中に読んでしまうw 結局私はそういう人間臭さが好きなのかも。
女の世界はドロドロです!
芙蓉の人 富士山頂の妻(小説・ドラマ)
これは、私は本ではなくテレビドラマで見ました。
明治時代、富士山で気象観測を夫婦で試みる話です。
冬の富士山頂上で数か月過ごすことの大変さ、何度観測に失敗しても、体調が悪化しても諦めない姿、 また、妻の千代子が周りの反対を押し切って、自分の意思で厳冬の富士へ夫を助けるために行く姿に素直に感動しました。
当時は、女性が登山をすることはありえなかったようで、登山用の服がなく、特注の女性用登山服を作るというのも驚きでした。自分の意思で、自分で道具を作って登る姿に、圧倒的に魅了されました。
登山/山岳エッセー
青春を山に賭けて 植村直己(エッセー)
日本が生んだ大冒険家・植村直巳さんの著書。
とても謙虚なお人柄が文章から伝わってきます。謙虚で、でも行動は大胆で、どこまでも自分の好奇心が赴くままに、お金の心配はせずに突き進んでしまう姿に圧倒されました。いい意味で、子供心をずっと持ち続けた方だと思います。
こういう冒険をする人たちは、超大金持ちだと勝手に思い込んでいましたが、そうではないことを知れたのも良かったです。冒険の素晴らしさだけではなく、どうやって冒険のための費用を作ったかも書かれていることが素晴らしいと思いました。
私は植村直巳さんの大ファン!著書はすべて読破し、映画は何度も観ています。
8000メートルの6座へ―53歳からの高所遠足登山 河野 千鶴子(エッセー)
2013年にヒマラヤで遭難死された河野千鶴子さんの著書です。50歳過ぎてから登山をはじめて、セブンサミットすべて登られた方。
私は河野さんにお会いしたことがあるのですが、亡くなられるまで海外登山をされていることや、セブンサミッターということは全く知りませんでした。
私が高所恐怖症で、両岸絶壁な細い道とか怖すぎて自分はダメなんです・・・・ なんて話をしたら、 河野さんは、そういうところは四つん這いで行くのよー! カッコ悪いとか気にしないのよ!と励ましてくださったり、
必ず自分のペースを守って、ゆっくりゆっくり登っている という噂を耳にしていて、勝手ながら親近感を持っていました。
また、海外遠征にはグループではなく個人で行っていたこと、それは、グループだと女だということでアタックメンバーから外されるのが納得いかない など、 私自身どれも共感を覚えることばかり。
自分の限界を、誰かに勝手に決められたくない! というところに強く共感しました。
また、セブンサミットに必要な費用が書かれているのも興味のポイントでした。とても高額で私には縁のないことだと思っていたのですが、こちらの本で費用感を知り、私でも行ける山がある!! と知れたことは何よりも収穫でした。エベレストと、南極ヴィンソンマシフ以外は、頑張って働けば行けないこともないんだと。
例えば、南米最高峰のアコンカグアは総費用60万円ほど。色んなブログを見ていると、もっと費用を抑えることも可能。
ということで、まずはヒマラヤ6000m峰を目指し、そのあと南米アコンカグアに行ってみたいなと新たな夢ができました。
私はなぜ80歳でエベレストを目指すのか 三浦雄一郎(エッセー)
エベレスト街道トレッキングの時に、夜読んでいました。
最高のアンチエイジングは、夢に向かって生きること!夢を持つことの素晴らしさを、改めて教えてもらえた一冊です。
冒険の書 南谷真鈴
セブンサミット日本人最年少登頂記録保持者の南谷真鈴さんの著書。
内容が薄いとかという感想も多いですが、私は、少ない言葉に圧倒的に影響を受けました。
エベレストに登頂するには、どうやって資金を確保し、どういうトレーニングをしたらいいのか など、とても若いのにすべて自分で考えて行動し、実現している強い意志がとても素晴らしいと刺激を受けました。
特に、「天気など外的要因で敗退するのはしかたないけど、自分自身のせいで敗退するのは絶対にしたくない」という言葉が刺さりました。
毎日2時間のジムでのトレーニング、週末の登山トレーニング、登山に行けない週末はジムで5時間のトレーニング。
食事についてはあまり深く記載されていませんが、数少ない言葉のなかからも、きちんと研究していることが伝わりました。
一歩を越える勇気 栗城 史多
栗城さんについてはあまりよく知らなく、ただ、世間からはよく、無謀だとか、3流登山家だとか、色々批判されているのを見る機会が多く、素人の私は、そうなのか〜と、ただただ、世間の意見をそのまま鵜呑みにしていました。
が、何かのきっかけで、こちらの本が目にとまり、アマゾンレビューが良かったのでさらに気になり、読んでみました。
世間からよく言われる無謀なチャレンジ。確かに、結果として亡くなってしまったので、最後のチャレンジは無謀すぎたのだとは思いますが、
まわりの意見にふりまわされず、まわりの意見にビビらないで、自分の夢に向かって突き進めた勇気は凄すぎるな と純粋に思いました。
何かにチャレンジしようとすると、決まって、まわりの人からは否定されたり嘲笑されたりしますよね。
少しでも、日本で良しとされているレールから外れると、否定・批判されますよね。
その、否定に打ち勝つ意志が物凄く、まだ彼が生きていたら、応援したいなと思わされました。
スポンサーを探すための努力も、尋常じゃない。また、スポンサーの探し方のコツも書かれています。
アポなしで100件飛び込み営業とか、100件断られても諦めないとか、
なんとか決裁権のある社長に会えて、プレゼンしたのちに断られても、友達を紹介してください と言える根性と簡単には諦めない姿。(社長の友達は社長という法則)
チャレンジ精神がハンパない。
チャレンジしたいことがあるけど、怖くて一歩が踏み出せない時、背中を押してもらえる一冊だと思います。
また、登山中の山の描写、また実際に感じたことなどの描写もとても上手に表現されていて、自分も実際に登山しているかのようにワクワクして読めました。まさに「冒険の共有」!
日本一稼ぐ弁護士の仕事術 福永 活也
こちらの本は山の本ではありませんが、2018年にエベレストを登頂された、さらにはセブンサミットにも登頂された、福永活也さんの啓発書です。
まだ30代でセブンサミットに登頂され、そしてその費用は、スポンサーではなく全てご自身で支払われているという事実に、
世の中には凄い人がいるんだなあ・・・と呆然とするとともに、一体どんな人なんだろうと興味津々で、こちらの本を手にとりました。
セブンサミットを達成するためにかかる費用と、登山で何ヶ月も休んでも大丈夫なように、30代の若さでビジネスを作りあげつつ、エベレストに登れる体力も作り上げるって、とても信じがたく、鉄人!と思いました。
実際に本を読んでみると、仕事も趣味も全てが全力投球で、行動力があり、エネルギーに満ち溢れていて、一体いつ休息しているんだろうと不思議になるほど。
文章は易しく書いてありますが、鉄人!とばかり思いながら読んでいました。
エベレストに登るような人は、登山以外のことも、エベレスト級に、いやそれ以上に、凄いんだなと知れた一冊でした。
ビジネスをしながら、どうやってエベレストに登れる体力作りをされたのか ということも知りたかったのですが、こちらの本には、山の話はなかったので、ちょっと残念>< (そもそもタイトルに山のことが一切ないので、当たり前ですが・・)
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登山については、WEBマガジンmelos mediaでインタビューされていた記事がありました!
メンタルの強さが、ひしひしと伝わってきます。
“冒険家弁護士”福永活也が語る登山
素人からの挑戦 星野 誠
エベレスト登頂からはじまり、セブンサミット完了されている方の著書です。
私はこの方を時々YouTubeで見ていて、ずっと芸能人かと思っていました。(テレビ見ないので、芸能人をほとんど知らない^^;)
動画ではいつもメガネ屋さんの旗と一緒に写真撮影されていたり、派手なメガネをとっかえながら撮影されていたり、また、プロ並みのレポートに感じたので、メガネ屋さんとスポンサー契約を結んで海外登山をしている芸能人かあ。と。
あるとき、ミウラドルフィンズで講演されているYouTube動画を見ていたら、芸能人ではなく一般の方で、自分でビジネスもされている方だと知り、また、とても謙虚な方かつ面白い方という印象を受け、星野さんに興味津々。
てっきりスポンサー契約を結んでいると思っていたメガネ屋さんは、星野さんご自身が経営されているメガネ屋さんだったということもとても好印象を受けました!
さっそく調べてみたら、著書があったので一気に読破。
1冊目は、セブンサミットまでの挑戦記。2冊目は、ビジネス書。
どちらの著書からも、勢いが伝わってきます。
上述しました福永さんにも同じことを感じましたが、自分のビジネスを持ちながらエベレストへ登る方たちの思考が、何よりも凄い!と感じました。
星野さん自身も著書の中でこう書かれていました。
高所も上に行けば行くほど変態レベルが上がって、面白い人に出会います。
アコンカグアでは脱落者がゴロゴロいたのですが、8,000mのチョーオユーに登った時は誰一人あきらめないのです。みんな粘り強いし、イカれている。
引用:素人からの挑戦
星野さんのYouTubeチャンネルはこちら
登山中の動画がたくさんあり、山の様子・高所での苦しさなど、詳細が映されているのと、星野さん自身が解説してくれているので、とても参考になりますし、見ていて面白いです。
登山のマンガ
岳(マンガ・映画)
私は最初に映画を観てから漫画を読みました。映画も漫画もどちらも、何度も繰り返しみています。それほどこの作品は大好き!主人公のさんぽの底抜けな明るさがなんといっても素晴らしく、私の人生のお手本です。
漫画はKindle購入して、スマホでいつでも読めるようにしています。それくらい大好きな漫画です。
映画はもう何度観たかわかりません!いつも、amazonプライムで無料で観るか、無料期間外のときはレンタルで観ているのですが、いい加減DVD買ったほうが私にとってはコスパいいかなと思っています^^;
おすすめの入門書・ガイドブック
バックパッキング登山入門 四隅大輔
ニュージランドの湖畔へ移住した、旅人四隅大輔さんのウルトラライトへのこだわりが凄い!
収納・整理術はアートなのである
厳選されたウルトラライトアイテムが綺麗に整理されて紹介されています。
また、道具の紹介だけではなく、登山への思い・考え方がエッセーのように書かれていて、惹き込まれます。
自然・オーガニックへのこだわりは素敵ですし、ガジェットへのこだわりも、ガジェット類苦手な自分にとってはとても参考になります。
登山の運動生理学とトレーニング学 山本正嘉
初心者から海外の高所登山まで、登山に必要なトレーニング方法が理論と実験結果をもとに紹介されていて、とても説得力のある本です。
特に、中高年の方におすすめです。自然と体力が落ちているのにそれに気づけない ということに中高年の私は気づかされました。
少しでも海外登山での高度順応を上手くしたいと思い手にとった本でしたが、高地に強くなるためのトレーニングはもちろん、そもそも私の体力はもう下降路線を辿っていたということに気づけたことが大きな収穫でした。
山岳気象大全 猪熊 隆之
山の天気といえば猪熊さん! 年末年始とGWには、日本の主要山岳地域の細かい気象予報をメール配信してくれている方の本です。
今は、ピンポイントでわかる山岳天気予報アプリがあるので、気象の知識がなくても大丈夫だったりしますが、それでも概要は知っていた方が、山行計画にとても役立つと思います。
年末年始とGWのアルプス・八ヶ岳の気象情報のメルマガは、下記のページから申し込めます。
ツーリングマップル 昭文社
ツーリング用の地図なのですが、温泉とグルメの情報の獲得にはかなりおすすめ!
こちらの地図で目的地付近にある温泉とグルメをチェックした後に、詳細をネットでググる という手順で探すと、自分の山旅ルート上にある情報だけに効率よくたどり着けます!
登山の雑誌を無料で読む方法
最新の登山ギアの情報収集には、雑誌が一番!
ただ、ヤマケイ 、ワンダーフォーゲル、ランドネなどなど、登山関係の雑誌は一冊だいたい800円ほど。電子書籍が無かった昔は、よく立ち読みしていましたw
今は電子書籍があるので、月会費だけ払えば、山雑誌以外も読み放題でいいですね。それに、雑誌は重たいので、それがPCやスマホで見れると、読むのが楽だし、いつでもどこへでも持ち歩けるのが魅力!
アマゾン Kindle Unlimited(アプリ)
山と渓谷、ワンダーフォーゲル、PEAKS、ランドネ、JOY が月額980円で読み放題。
もちろん、他にも沢山の本・雑誌があります。
私は、PCとiphoneにKindleアプリを入れて読んでいます。
楽天マガジン (アプリ)
ワンダーフォゲル、ランドネ、PEAKS、が月額380円で読み放題。初月無料です!
以前はスマホアプリでしか見れなかったので、雑誌をスマホだけで見るのはちょっと辛いなと思い解約してしまいましたが、
今はなんとPCにもアプリをインストールできるようになています。
アマゾンKindle Unlimitedの方が、読める本の数は圧倒的に多いですが、ピンポイントで自分の読む雑誌がこちらにある場合は、月額費用も安いのでお得ではないでしょうか。
まとめ
山好きな方ならきっと夢中になる本と、読んでよかった登山の参考本・ガイドブックをご紹介しました。
ぜひ、雨の休日や単独登山時のお供におすすめです!もっともっと山が好きになってしまうこと間違いありません!