標高3000mを越えると心配になるのが高山病。
私の初高山病体験は、はじめての3000m峰 北アルプスへ登った時。激しい頭痛にもがき苦しみました。
でも、素晴らしいアルプスの景色に魅了されたので、そのあともせっせとアルプス登山に通っているうちに、3000mでは高山病の心配がなくなり、いつのまにかお酒まで楽しんでしまうようになりました。時間をかけると標高に体が順応していくんだなと身をもって実感しました。あとは、しょっちゅう登山に出かけるようになり心肺機能が向上したのも要因かと思っています。
日本の山は高山病の心配がなくなりましたが、海外登山となるともう、4000m 5000mとなるので、途端に適応できなくなってしまいます。そこでとても助けられたのが、ダイアモックスという薬です。
かなり余裕のある日程を組めれば、少しづつ標高を上げていくことができ薬に頼らなくてもよさそうですが、なんといっても、なかなか長期休暇がとれない会社員・・・心肺機能を高めることによって高度順応を早めることも有効だと思うので、トレーニングも大事ですが、合わせて薬に頼って確実に目的地へ行こう! という考えで私はいます。
そこで本記事では、高山病に効くと言われているダイアモクスの使用感と、価格、入手方法をご紹介いたします。
高山病に効く薬ダイアモックスとは?
ダイアモックス(アセタゾラミド)には脳の血管を拡げる働きがあります。脳の血管が拡張すると脳内の血流が増すため、高地で生じる脳内の低酸素状態が改善されます。また、ダイアモックスを服用すると呼吸中枢が刺激され、呼吸回数が増えるため、血液中の酸素の量が増えます。
引用:千駄ヶ谷インターナショナルクリニック
本来の薬の用途としては緑内障が一般的なようですが、上記作用のため高山病予防薬として使用されています。
高山病予防のための一般的なダイアモックスの使用方法
高地に入る前日から、朝と夜、1回250mの半錠を飲み、高山病の症状が出たときは、1回1錠を飲む。
※日本の病院で処方してもらった時、この薬は日焼けしやすくなるので、日焼け防止対策はしっかりしてねというアドバイスをもらいました。美容を気にする女性はお気をつけください。
私のダイアモックス使用方法
私はダイアモックスを使用しながらのトレッキングを5回経験しています。その中で、私にとってのベストな使用方法をご紹介します。
- 事前予防としては一切飲まない。
- 高山病の兆し、頭痛が始まった時点でダイアモックス を1錠飲む。
- そこで頭痛が治った場合は、毎日朝晩、半錠づつ飲む。
- これを、標高を上げ続ける限りはずっと続ける。
- ちょっとでも頭痛を感じたら、半錠ではなく1錠飲む。
- アタック日の標高差が1000m以上ある場合は、出発前に1錠飲む。
- 無事にアタックできた翌日から、ダイアモックスは卒業。
日本の病院で、ダイアモックスは3〜4日飲めば、そのあと標高を上げても飲まなくて大丈夫と言われたのですが、私は飲むのを辞めた途端に高山病になり苦しみました。
まわりにいたトレッカーに聞いてみたら、ダイアモックスに頼ってる方はみんな、登頂し終わるまでずっと飲み続けていて、私が途中で飲むのを辞めたと言ったら、そんなことしたらダメだよ!と言われました。
先日、ダイアモックスを製造している会社で働いている人にトレッキング中に出会ったのですが、彼もこの飲み方がいいと言ってました。
ダイアモックスは薬なので、素人の私が飲み方についてこれがベストだ!なんて言えませんし、正解もわかりませんが、私にとってのベストと、これまで出会ったトレッカーからの情報は以上になります。
ダイアモックスの使用感
はじめてダイアモックスを使用したときは、高山病になってから使用しました。
高地に入る前日から半錠づつ飲むのがよいとされていますが、私自身がどの標高まで薬なしで大丈夫なのか確認したかったので、事前予防的には服用しませんでした。
高山病になった標高は、3800mあたり。
高山病の症状として、頭痛・食欲不振が出ていました。この段階で、ダイアモックス250m錠を1錠飲み、数時間様子みたら、頭痛・食欲不振は改善されました。
ダイアモックス神!!
ダイアモックスを服用すると副作用として、とにかく頻尿になります。トレッキング中は、トイレがあれば必ずトイレする習慣を!
夜、寝ているときでも2時間置きくらいにトイレで目が覚めてしまうので、高山病予防にはテキメンですが、熟睡はできないのが悩みどころ。トレッキング期間が長引けば、この睡眠不足は体力にはかなりのダメージです。
※標高3800m地点での高山病ですが、1日で1000m以上標高を一気に上げていたので、普通に無理があったとも反省しています・・・
慣れない標高では、1日に上げる標高は約500m以内がセオリーで、1000mごとくらいに順応日も必要。あと、冷やすとまた高山病になりやすいそうなので、しっかり防寒していなかったり、そもそも寒すぎる季節に行けば高山病になるリスクが高まるようです。
確かに、同じペース・同じ標高でも、春に行ったときは大丈夫だったのに、厳冬期に行ったときには高山病になりました。
価格と入手方法
ダイアモックスは、日本では処方箋・自費診療のみのため、けっこうな金額になっていまします。
私が過去に購入した金額は下記になります。(4つ目は購入したことはないのですが、販売されているのは目撃しました)
かかりつけの近所にある普通の小さなクリニック | 8錠 約7,000円 |
三軒茶屋のクリニック | 10錠 2,100円 |
ネパールの首都カトマンズにある薬局 | 10錠 約100円 |
ネパールエベレスト街道沿いにあるナムチェバザールにある薬局・雑貨屋 | 10錠?円 |
ネパールでは、アセタゾラミドという名称で販売されていて、インド産になります。
国内産にこだわりがあれば、三軒茶屋のクリニックがおすすめ。こだわりなければ、圧倒的にネパールでの購入が安いです。
それにしても、ネパールだと1錠10円、日本の普通の病院だと1錠1000円ということになるのですが、この差は一体何!?と叫びたくなります・・・。
かかりつけの近所にある普通の小さなクリニック
ダイアモックスって、特別な病院でしか処方されないのかなと思っていたのですが、
花粉症の薬を処方してもらいにかかりつけの小さなクリニックへ行ったとき、ついでに聞いてみたら、
「ああー、ダイアモックスね!保険は効かないけどいい?」
と、軽い返事で処方されました。
なんだ、どこでも処方してもらえるのか! と安堵したものの、8粒7000円という金額にただただ驚きました・・・
しかも、薬局では親切に半錠にカットしてくれたため、アルミケースから出てしまっているので、長持ちしません・・・
使わなかった分は次回のためにとっておきたかったので(年に2回ほど使用機会があるため)、親切心でカットしてくれたと思いますが、正直、そのまま欲しかったなあというのが本音です。
三軒茶屋のクリニック
どこでも処方してもらえるとはいえ、8粒7000円なんで高すぎる!!と、2回目は必死にネットで探し、10粒2100円(診察料込)という三軒茶屋にあるクリニックを見つけて処方してもらいました。
ケースに入ったまま処方してもらえるので、使わなかった分はまた次回に使えます。(※1年以内ですかね)
受付の時に、ダイアモックスが欲しいと伝えるので、診察時にはすでにダイアモックスが用意されていました。
ネパールの首都カトマンズ
アセタゾラミドという名称で、タメル地区の薬局で購入できました。処方箋なしで誰でも購入できます。
10錠100Rs(100円ほど)と、激安でした。(2019年3月情報)
写真左側の白い薬がアセタゾラミド。右側の黄色い薬は下痢止め。
薬局ではなく雑貨屋でも見かけましたが、ケースが少し破れていたり、かなり埃がかぶっていたりと、衛生面で心配になる感じでしたので、薬局で購入がベストだと思います。
薬局は、タメル中央にある大き目なスーパーの隣の隣にありました。
ネパールエベレスト街道沿いにあるナムチェバザール
私は購入はしたことがないのですが、薬局、雑貨屋、トレッキング洋品店、いたるところで販売されていました。
値札がないので、値段は不明です。カトマンズで買うよりは確実に高いはずですが、でもきっと、日本で購入するよりははるかに安そうです。
また、カトマンズの雑貨屋で見たような、ケースが少し破れているなど衛生面での不安を感じるようなものは見かけなく、見た目は綺麗な状態でした。
まとめ
高山病の予防や、万が一高山病になってしまった時の対応策として、ダイアモックスはとても有効だと私は思っています。
ただ、頻尿となり、夜もトイレに起こされてしまうため、睡眠不足となるのが難点。2日3日ならあまり気にならないかもしれませんが、1週間以上になるとけっこうしんどいです。高度が上がると、呼吸も浅くなってしまうので、さらに夜眠れませんし・・・
なので、できるだけ日程には余裕をもち、ゆっくりゆっくり標高を上げていくこと、体を冷やさないように防寒対策をしっかりすること、そして、心肺機能の強化をして、少しでも低酸素に強い体を作っておくことが一番の高山病対策なのかなと思います。
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