単独登山は危険で全く推奨はされていませんが、
私は一人で登山をするのが好きですし、一人で登っている人は最近増えているようで、よく見かけます。(もちろん、誰かと一緒に行く登山も好きです。)
先日、今までの山行一覧表を作ってみたら、自分が思っていたほど単独登山の回数は多くなかったことに驚きましたが、
これまで10年以上登山をしてきた中で、だいたい3割ほどは単独で、軽いハイキングから雪山登山、海外トレッキングまで行っています。
今日は、単独で行く登山のメリットと、なぜ単独で行きたいのか、単独登山で感じたデメリットを書いていきたいと思います。
単独で登山をするようになったきっかけ
初めての登山はもちろん、その後もずっと、登山は山岳会の先輩や近所の知り合いと一緒に行っていて、一人で行こうなどという発想はありませんでした。
登山を初めてから数ヶ月ほどたった頃、だいぶ体力はついてきているはずなのに、グループのペースに合わせることがとてもしんどいと感じるようになっていました。
そして、グループの人たちが、私の遅いペースに気をつかいまくってくれているのをひしひしと感じ、申し訳なくなって途中でリタイアしたことがあり、それがきっかけで単独登山を始めるようになりました。
と、ちょっと遠慮気味に書いてみましたが、正直な思いは、
もっとゆっくりなペースだったら、私も登頂できたのに!
という悔しい思いからの出発です。
早く歩けないのは、いざという時に致命的になる と、ある先輩には注意されたのですが、
私はその「早いペース」というのにはキリがないと感じていて、
自分の体力にあった無理のないスケジュールを立てて行けばいいだけじゃない と思い、一人で行くことにしました。
なので、2泊3日で行くコースは3泊4日にして行く という具合です。
もちろん、一般登山道のみ、かつ天気のいい日だけを選んで行きました。
単独登山のメリット
自分のペースで歩ける
初めての単独登山は、それはもう、入念に入念を重ねた準備をして行きました。
ドキドキしましたが、自分のペースで歩けたので、グループの時は途中で断念したけど、今度はちゃんとゴールまで歩けた!ということにとても満足感を感じました。
そして、ここで単独登山の心地よさを味わってしまい、よく単独で行くようになってしまいます・・・。
グループ登山の時には遠慮して持っていけなかった一眼レフも持ち歩くようになり、ゆっくり写真を撮りながら登るのが、また楽しい。
写真をゆっくり撮ること自体は誰も咎めなかったですが、私の場合は、体力がないのに一眼レフなんて重たい物を持ってくるな! と言われていましたので・・・^^; 一人になった途端、我慢が爆発したように、写真を沢山撮っては自己満の世界に浸っておりました。
何でも自分で決めることができる
最初は、自分のペースで歩けて、ゆっくり一眼レフで写真を撮れることに単独登山の醍醐味を感じていましたが、
最近はこのことの他に、何でも自分で決めることができる ということが実は楽しいのじゃないだろうかと思っています。
行く場所から、登山口までの交通手段、登山中の計画、中止にする場合の判断、食事メニューなどなど。
些細なことのようですが、現実社会では、なかなか全てを自分で決めて実行できることなんて少なすぎて、
抑圧されまくった心が、山での自由行動に喜びを感じてるのでは!と。
会社で働いていれば、経営者ではないペーペーな自分の意見が100%通り続けてその通りに実行できるなんて、まずないですし、どちらかというと、あらゆる方面から槍が飛んできて、自分の心はどこへ行ったのか と彷徨うことの方が多い^^;
家庭にいても、自分の意見を100%押し通すなんて、ないですよね。
でも、一人で山へ行くと、私の意思と行動に文句を言うのは、自然の猛威だけ!
プチ瞑想ができる
一人で歩いていると、風や葉が擦れる音などに敏感になり、より深く自然を感じることができます。
そして、プチ瞑想状態になっています。
ごちゃごちゃと、平日にあった出来事が頭の中を巡っていることもあれば、
ただただ、風が気持ちいなー とだけ感じて、無になっていることも。
私は、坐禅を組んでじっと瞑想する なんてことはできませんが、
登山道を一人で歩いている時は、きっと瞑想している状態と似てるんんじゃないかと思っています。
嫌なことがあった時は、近場の低山へハイキングへ行けば、大抵スッキリしちゃいます。
そして、このハイキングでもスッキリしない場合は、重症だと悟ることができ、根本から見直さなければならないと気づけます。
オフラインの環境で一人静かに歩く というのは、一見ただの無駄に見えますが、
この、何も考えない、そしてオフラインになる という時間は、常にオンライン環境にいる現代の私たちには、脳を休ませるために必要な時間ではないかと思っています。
注意点
プチ瞑想をしたい場合は、危険箇所がなく歩き慣れた登山道を選ぶことをおすすめします。初めての登山道だったり、危険箇所がある登山道は、瞑想はできません。
他の登山者と仲良くなりやすい
グループで歩いていると、グループ内だけで完結しますが、一人で歩いていると、他の登山者に話しかけられやすく、
同じスケジュールでペースも同じくらいだと、そのまま仲良くなって、その後も一緒に山へいける山友達となる可能性が高くなります。
私は、山の中で出会って意気投合した人たちと、その後、山友達となって何度も一緒に登りました。
ここは遭難の次に最大限に気をつけなければならないと、登山の先輩には教えられましたが、10年登山していて、変な人(危険な人)に関わってしまったことはありませんでした。(私自身が変な人かもしれませんが・・・)
海外の場合は英語を身につけられる
海外トレッキングへ一人で行くと、必然的に英語でコミュニケーションしなければならなく、英会話が身についちゃいます!
もちろん、がっつり話せるようにはなりませんが、
現地の人や他の外国人登山者とのコミュニケーションは、日本からのツアーで行くよりも、はるかに多くのチャンスがあり、楽しいです。
カタコトでも、シャイでも大丈夫!
一人なので、強制的に話さなければならないですし、話しかけられますからw
観光だけの海外旅行だと、一人で行ってもそこまで英語のコミュニケーションはないかと思いますが、
トレッキング・登山の場合は、他のツーリストや現地の人とコミュニケーションをする機会が圧倒的に多く、
価値観にもよりますが、私は、ただの観光旅行よりも何百倍も楽しいと感じます。
関連記事:海外登山に行くために必要な英会話力は中学レベルでOK
単独登山のデメリット
遭難・怪我
単独登山のデメリットは、世間で注意喚起されているように、それはもう沢山のデメリットがあると思います。
よく言われている遭難や怪我をしてしまった時は、単独登山のリスクの代表。
私は、このデメリットに対して、以下の対策をしています。
- 怪我のリスクがありそうな危険箇所がある所は行かない
- 他の登山客が多くいる一般登山道しか行かない
- 冬山は、山小屋が営業していて他の登山客が多く歩く一般登山道しか行かない
- 天気が良い日しか行かない
- 自分の体力に合った余裕のあるスケジュールを組む
- 現金は多めに持って行く
- スマホの予備バッテリーは多めに持っていき、常にバッテリーの残量を意識する
- 万が一捻挫してしまった時のために、トレッキングポールは必ず持って行く
この他にもたくさん細かいことがありますが、大きいことはこの点かなと。
危険な所には行かないのと、天気が悪い日に行かないのは当たりまえとして、
スマホのバッテリーは、いざという時にはかなりの重要度だと思います。
多めの現金は、海外の場合です。正直、お金をかけた分だけ安全が確保される という印象です。
私は、このバッテリーを使ってます↓
長期の時はソーラーパネルも↓
関連記事 : 長期登山にsuaokiソーラーパネルで電源確保!【レビュー】
交通費など割高になる
登山口までのガソリン代、ホテルの宿泊が必要な場合はホテル代が、一人の場合は全額負担なので割高。
海外登山でプロガイドを依頼する場合は、一人だとけっこう高額になります。
二人以上で行ければ、ガイド代は折半できて安くなりますし、ヘリのチャーターも検討できる範囲に。
装備の忘れ物を補えない
登山の装備は、一つでも忘れると致命的。
グループだとしても、決して忘れてはいけないので、きちんと事前にリストを作って確認すべきですが、
人間なので、忘れてしまうことはどうしてもありますよね。
そんな時、グループであれば、多少の忘れ物であれば補うことが可能です。
食事担当が食料を忘れた場合は、グループ全員に一生恨まれそうですが。
単独の場合でも、忘れ物をしたら、なんとか知恵を絞って、持ち合わせている装備で代用できないか考えますが、どうしようもないこともあります。
私は几帳面なA型なので、登山に行くときはいつも装備リストを作って、パッキング前にはチェックしています。
それでも、ヘッドライトを前泊した車の中に忘れてしまった ということがありました。そして、そんな時に限って、日帰りの予定が、その日中に下山できなくなり、予定外のビバークをしてしまうという・・・
まとめ
単独登山は、決しておすすめしませんし、世間が言うように危険だとは思います。
ただ、一人で行く山も私は好きなので、この記事を書きました。
万全の準備と、自分の体力と技量に合った無理のない場所スケジュールの計画、そして必ず天気が良い日を選ぶと、
静かに自然を味わうことができ、オフラインでじっくり自分と向き合えることもできて、とても心地の良い体験ができます。
なので、積極的におすすめはできませんが、心地よいのは確かです。
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単独行で有名な登山家、加藤文太郎さんを描いた大人気小説。ソロ登山が好きな方には絶対面白いと感じるはず!