登山中に時々見かける無人小屋や避難小屋は泊まれるのか? また、朝イチで登山をするために、無人駅のホームや待合室での野宿は可能なのか。
スケジュール上、ちょうどいいところに無人小屋があり、テントが張れない場所の場合、その小屋に泊まれたら嬉しいですよね。
駅野宿は、年々厳しくなってきているので、今後はもうできなくなる可能性が高そうですが・・・
私は何度か、無人小屋や駅のホームでの野宿を経験したことがあり、本記事では、その時の体験談と注意点などご紹介いたします。
無人小屋・避難小屋の宿泊体験談(夏季)
有人小屋だと思って行ったら無人小屋だった体験談
初めて無人小屋に宿泊した時は、てっきり管理人さんがいるとばかり思って行った小屋での体験でした。(ホームページには管理人さんがいる素泊まり小屋、予約不要と書いてありました。)
素泊まり小屋だったので、食料とシュラフは持参していて、宿泊には問題ありませんでしたが、かなり動揺しました。
女2人だったので宿泊するかどうか迷いましたが、この先にある有人小屋まではまた数時間歩かなければならないのが面倒だったのと、宿泊料金も高かったので(笑)、そのまま無人小屋での宿泊を決意。
こじんまりとした小屋は、数日前までは管理人さんがいたらしく、綺麗に清掃されていて快適です。
しばらくすると、とっても礼儀正しく、大荷物を背負った若い山男子が1名入ってきました。
ドキっとしましたが、体育会系の部活に入っていたかのような礼儀正しさに、山を愛する純真な目をしていたので、安心しました。さらに、体は大きく強そうだったので、何かあったらこの人が守ってくれる!という安心感もありました。
この日の宿泊客は、この山男子と私たち合わせて3人のみ。
2階建だったので、1階は山男子、2階は私たちで使い、夏のアルプスだったのですが、大の字で寝ることができとても快適に過ごせました。
小屋をでる時に、自分で清掃する道具があるので、元の通りに綺麗にしておきます。
ルート変更によりやむなく泊まった避難小屋での体験談
長期縦走中に体調が少し悪くなってしまい、予定していたルートだと厳しかったので、早く下山できるルートに変更したことがありました。
そして、ルート変更をすると、宿泊ポイントは避難小屋のみだったので、思いきって避難小屋へ宿泊してみました。
思いきってと書きましたが、この時一緒だったメンバーは私の他は男性2名だったので、特に恐怖心とかはありませんでした。無人小屋に宿泊する場合は、メンバーに男性がいると安心感が違いますね。
宿泊した避難小屋は、15名くらいは泊まれそうな広さ。1階のみです。
見た目は綺麗で、先客がすでに2組、私たち入れて総勢10名ほどで一夜を明かしました。
この時は、予定外の避難小屋泊でしたが、もともとテント泊の予定をしていたので、食料は十分にあり、シュラフも持っていたので、生存には問題ありませんでした。が、、お酒が足りません!(山小屋で買う予定をしていたので)
ちびりちびりと3人で静かに飲んでいると、隣のグループの方がおすそ分けしてくれ、ひもじい思いから脱出できました。
小屋の中にいる他グループの人たちとも、当たり障りのない程度に会話をし、早めに就寝。
全体的に、静かすぎず、うるさすぎず、お互いがお互いを気遣っている、ちょうどいい雰囲気でした。
横になると、咳が出てきます。が、なんとか朝を迎えます。
小屋を清掃してから出発。一夜にして体調が悪化していました。熱っぽく咳も出ます。でも、歩行に問題はなく、そのまま下山。
後日、私は風邪&咳喘息に、同行者は喘息で入院、もう1人の同行者だけは元気でした。
見た目は綺麗な避難小屋でしたが、避難小屋なのでずっと閉めっぱなしで換気がされていなく、空気が汚れていたせいじゃないかと私はこの時思いました。
この時以来、山の非常用セットにマスクを追加しています。
冬季限定で解放されている山小屋
夏季は営業している山小屋も、冬季は管理人さんはいないけど、小屋の一部だけ解放してくれている山小屋があります。
私は、この冬季小屋はあらかじめ予定をして宿泊しました。なので、食料・ガス・厳冬期用シュラフは持参しています。
小屋に到着すると、すでに先客がいました。大学生の山岳会グループ3名。
私たちは2人だったのですが、この日はこの2組だけだったので、5名での宿泊でした。5名で宿泊するにはありあまる広さがあり、トイレも室内にあったので、快適でした。
大学生グループは、とても礼儀正しく静かで、夜は早々に就寝。ということで、私たちも静かに就寝。
駅野宿の体験談
駅野宿は、終電後のホームや駅の中に、そのまま寝袋だけで寝たり、テントを張って寝るなど、これは、山のベテランの先輩に連れて行ってもらった時だけ宿泊体験しました。
テントを張れるほどのスペースがある場所は、特に不安はありませんでしたが、シュラフだけでの野宿はドキドキしました。
しかし、まわりに同じような野宿者が沢山いて、初めての野宿では驚いた記憶があります。
野宿=若者バックパッカー というイメージがありますが、登山者が集まる駅野宿は、中高年の集まり。いい歳した大人たちが、駅で野宿をしている風景は圧巻です。そして、何歳になっても遊んでいていいんだなと勇気をもらえます。
周りでは、グループごとに宴会が繰り広げられていましたが、終電後は一気に静かになりみんな就寝。
就寝中も、野宿をしにくる人がやってきますが、みんな静かに宿泊していました。電気は24時間ついたままなので、寝袋に顔も入れてしまうか、アイマスクが必要です。
無人・避難小屋に宿泊する時の注意点まとめ
以上の体験を元に、無人の山小屋・避難小屋や駅野宿をする時の注意点と、持参した方がいいアイテムをまとめました。
- 有人小屋と思っていても管理人さんがいないこともあるので、事前に電話で確認がベスト
- 単独・女性のみは避け、必ず男性同行が安心
- 換気されていないので、マスクは必須!
- 駅野宿はアイマスク持参がおすすめ
マスクは、重さが気になるアイテムではないので、非常用セットに入れておくと、予定外の避難小屋宿泊に備えられて安心だと思います。私は苦しい思いをしたので、マスクは毎回必須装備です。
登山者が集まる場所は、お互いがお互いを気づかっていて、また暗黙の山ルールも守られていて、管理人さんがいなくても安全だと思いました。ただし、毎回このように安全なわけではないと思いますので、十分にご注意ください。