いつも安全登山をかなり心がけていますが、過去に2度ほど、予定通り下山できなくなり予定外のビバーク・遭難したことがあります。
その時の体験談と、持ってきていて良かった!と思ったアイテムと、持っていれば良かったーと後悔したアイテムをご紹介します。
遭難しないように万全の準備をすることがもちろん鉄則ですが、人間ですし、自然相手ですし、100%準備できるなんて難しいので、万が一のための準備をしっかりしておくと安心かと思います。
登山の遭難時に持っていて良かったアイテム
私が過去に経験した2度の遭難は、どちらも大怪我をすることもなく、無事に自力下山できていますが、一緒に登っていた仲間や山岳会の方たちには多大なご迷惑をかけてしまいました。
1度目は、1泊2日のテント泊登山の予定が、2日目に下山できなくなり下山遅延です。
2度目は、日帰りの沢登りの予定が、詰めの藪漕ぎで予想以上の時間がかかったのと、ルートファインディングをミスした(?)ために下山できなくなり予定外の山での1泊となる、下山遅延です。
1度目の下山遅延は、テント泊装備を持っていたのと、携帯電話がつながる場所、かつ安全な場所で宿泊できたので、特に問題はありませんでした。(問題なくはないですが・・・ 命の危険、下山連絡を待っている人へ連絡できたので、他人への迷惑は少なくすみました)
2度目は日帰り予定だったので、宿泊装備は持参していなく、登山の教科書に書いてある万が一装備に驚くほど助けられました。
こんなのいらなくない? と、思ってしまいがちですが、絶対にあったほうがいい と思ったアイテムをご紹介します。
遭難時にあって良かったアイテムと反省点
- 着替え
- ツエルト
- サバイバルシート
- ガス
- ヘッドライト
- スマホと予備バッテリー
- 非常食と水
テント泊の時は、ツエルトやエマージャンシーシート、ガスはなくても、テント・シュラフ・調理用にガスがあるので、問題ないかと思いますが、日帰りの時は持っていないはずなので、代わりになる超軽量なものがあると安心です。
着替え
私が実際に沢登りで遭難してしまった時は、沢登りなので、全身水で濡れていました。そしてなんと、、日帰りだからと油断していたのもあり、着替えを持っていませんでした。まだ登山を初めて1年目だったので、リスク管理はかなり甘かったと、この時かなり反省。
速乾性のウェアを着ていましたが、その日は天気が悪く、なかなか服は乾きません。(天気が悪いのに山へ行ったということも、かなり反省しました)
ちょっと言い訳がましいですが、日帰りの沢登りでは、男性は登りつめたら上半身着替えをしてから下山する方が多いですが、女性は着替えしづらいんですよね・・・。 ということで、どうせ着替えないから持って行かなくていいやーと思ってしまっていました。
ツエルト
夜になると、徐々に冷えてきて、ツエルトがなかったら凍死したんじゃないかと思うほどでした。
サバイバルシート
そして、着替えがないので濡れた服のままでいましたが、こちらのサバイバルシートでさらに救われました。
登山の教科書に書いてあった、このペラペラなシート、びっくりするほどの保温力があります!本当に暖かくてびっくりしました。
これはとても軽量コンパクトなので、災害時用として登山をしない家族の分も自宅に保管しておくと安心かと思います。
一度使ったら、元のように畳むことはできないので(実践済)、使い捨てとなります。
ガス
さらに、一緒に登っていた仲間が小さなガスを持っていたので、それで暖をとっていたのですが、暖かいというのと、火をみるとホッと心が落ち着きました。
ルートを見失って、かなり不安定な心だったので、この炎はとてもありがたかったです。
ただ、小さなサイズだったので、付けっ放しにはできなく、朝を迎えるまで、1時間に15分だけという具合で使用しました。
そうです!緊張と寒さのあまり、朝まで一睡もできませんでした!
そして、横になれるスペースはなかったので、朝まで足を抱えて座っていました。
ヘッドライト
ヘッドライトを持っていなかったなんて、いろんな方面からバッシングを受けそうですが、
前夜泊をしていたので、その前夜泊でヘッドライトを使用して、そのまま車に忘れてきてしまってました。
忘れっぽいので、この事件以来、ヘッドライトは2個用意し、1つは登山用ザックに入れっぱなしにしています。
きっと同じく、前夜泊して車に置き忘れたという経験をした方はいるはず! 車で山へ行く場合は、ヘッドライトは2個用意されることをおすすめします。
車中泊用であれば100円ショップのもので十分なので、金銭的負担はほぼないですし。
ただ、この100円ショップのヘッドライトは、耐久性を考えると、登山用にはちょっと心許ないかなと個人的には思います。
スマホ
当時は、まだスマホがなく、ガラケーでした。山中ではほとんど電波が届かなく、沢ではさらに電波が届かないというのと、水で濡らして壊したくないという気持ちから、携帯電話を持たずに山へ入っていました。
遭難時、連絡手段がなかったので、無事だったにも関わらず、下界で下山連絡を待っている人へ連絡できなく、捜索隊が結成されていました。
今は、山中でもかなり電波が入流ので、スマホを忘れなければ連絡はできますし、無料のGPSアプリも使えるので、ルートファインディングでミスをする確率はかなり抑えられると思います。
なので、スマホは必須装備。そして、充分な予備バッテリーも忘れずに。
非常食と水
これも、当たり前だろ!と怒られそうですが、私はわずかしか持っていなくて後悔しました。
ただ、かなり緊張していたので、食欲はほとんどなく、わずかな食料でも平気ではありましたが。
そして、水は重たいので、なかなか余分に持ち歩こうという気がおきませんが、余分な水を持つことの大切さは、この遭難時に痛感しました。
1度目の遭難時は、テント泊装備を持っていたので、ほぼ問題なかったのですが、水がありませんでした。
この時は、幸いにも余分に水を背負っている登山者にわけてもらえることができたので助かりました。
その人も、一度同じ経験をしたことがあったそうで、その時以来、水はかなり余分に背負うことにしていると言っていたことが強く心に残っています。
運よく、近くに沢があればいいですが、私が経験した2度の遭難時は、どちらも水源はありませんでした。
非常食についてちょっと思うことは、非常食には好きな食べ物を持たないことかなと思っています。
好きな食べ物だと、非常事態がくる前に食べてしまうからです・・・^^;
遭難のリスクを避けるために私が心がけていること
2度の遭難をして、猛烈に反省し、遭難しないためにはどうしたらいいのか、自分なりに考えて実践していることをご紹介します。
一人で行く自信がないところは行かない
まず、2度の遭難時は、どちらも私は何もわからない状態で参加していました。
登山1年生で、わからないことだらけで、先輩方に誘われるがままに参加という状況。
先輩方は、私が初心者だということはもちろんわかっていて、サポートするつもりで誘ってくださっていたのですが、想定外に私がショボすぎて、サポートに時間がかかりすぎて下山遅れ・サポートにエネルギーを使い果たして判断力低下→遭難へと繋がったと思っています。
なので、これは当たり前なことだとは思いますが、一人でも行けるという自信があるところ以外は、誘われても遠慮するようになりました。
ただ、これではレベルアップができないので、完璧に一人で行けるところばかりではなく、時々、チャレンジしたいと思った時は、自分の実力の一歩上のところを、先輩にお願いして連れて行ってもらいました。ポイントは、一歩だけ上です。かなり上だと、自分も先輩もしんどいはずなので。
天気が悪い時は行かない
これも、かなり基本中の基本だとは思いますが、グループで行く時は特に、多少天気が悪くても行くことが多くなるかと思います。
私が遭難した日、天気が悪いとわかっていました。麓から見上げる山頂は真っ白で何も見えていませんでした。
なので、かなりワクワクしていなかったのですが、ショボい私をせっかく誘ってくれた先輩が、行く というからには、天気が悪いので私は行きません ということはとてもじゃないけど言えず、登ってしまいました。
天気のせいだけで遭難したわけではありませんが、視界が悪くてルートファインディングが難しくなったりしますので、天気が悪い日は、バシッと中止を言える強い意思が必要だと悟りました。
また、天気はかなり重要だとも悟ったので、山岳気象についても勉強しました。
難しすぎて、凡人の私の脳みそには概要しか頭に入っておりませんが・・・ ラジオを聞いて天気図を起こすなんてのも当時は大事と言われていました。そして、凡人の私の脳みそレベルでは全く身につきませんでした・・・
今はピンポイントでわかるアプリがあるので、本でざっくりとした概要だけ抑えて、あとはアプリに頼るのでいいのではないでしょうか。
大事なことは、天気が悪い日には行かないということと、事前に天気をチェックできる方法を知っておくことかなと思っています。
本で先人の失敗を事前学習する
過去の遭難事例を本で読んでおくと、前もって準備・予防ができると思います。
遭難ドキュメンタリーは、羽根田さんの本が読みやすく、豊富に揃っていておすすめです。
私は、自分が失敗して初めてこのような本をむさぼるように読みました。
まとめ
けっこうお恥ずかしい内容を書きましたが、遭難するなんてなかなかないことなのでイメージがわきにくく、また、そのための装備を準備しておくのも忘れがちだと思ったので、書いてみました。
遭難用グッズなんて、あまり楽しくない買い物ですが、とても大事だと身をもって実感しましたので、私のショボすぎる、そしていろんな人に迷惑をかけた恥ずかしい限りの体験談ですが、参考となりましたら幸いです。