ネパールトレッキングではガイド・ポーターを雇った方がいいのか?

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2017年から2019年にかけて、5回ネパールへ行き、すっかりネパールに夢中中のhitonです。

ネパールでのトレッキングは、一人でも大丈夫なのか、それともガイドを雇った方がいいのか、初めて行った時はとても迷ったのですが、結局、最後に行ったメラピーク以外は全部一人で歩いてきました。

結論としては、歩くルートによってはガイドはいなくても大丈夫だけど、ガイドはいた方がいい というのが私が思っている感想です。

以下、詳しく書いていきます。

ネパールのトレッキングルート状況

ネパール 地図

ネパールには沢山のトレッキングルートがあります。

私が歩いたのは、

アンナプルナベースキャンプ、プーンヒル などのアンナプルナエリア、

ゴーキョ湖やカラパタールがあるエベレスト街道エリア、

そして、メラピークの主に3つのエリアです。

そして、アンナプルナエリアとエベレスト街道エリアは、一人で歩き、メラピークはガイドと2人で歩きました。

有名トレッキングエリアはかなり整備されている

ネパール エベレスト街道

アンナプルナエリア、エベレスト街道エリアは、地球の歩き方にも掲載されていて、とても有名なトレッキングエリア。

各国から訪れる沢山のトレッカーがいて、道も宿泊施設もかなりよく整備されています。

荷物を運ぶための動物集団も歩いていますし、地元のネパール人はサンダルで歩いているくらい、危険箇所と感じる所もなく歩きやすかったです。

日本のアルプス登山道と比べると、日本アルプスの登山道の方がはるかに厳しいし危険箇所が多いと感じました。

 

道迷いの心配ですが、標高が3,000m以下の低い所では、生活道が沢山あって迷いやすく、

標高が高くなるにつれて、生活道は減っていき、最終的には1本道になるので、迷う心配がほとんど無くなります。

ただこれは、スマホのオフラインGPSアプリを使えば解消する問題なので、登山経験が豊富な方であれば、そこまで気にすることもないのかなと思います。

また、不安であれば、近くを歩いている現地の人に聞けば、めちゃくちゃ親切に教えてくれますし。

 

トレッキング中に宿泊するロッジも、予約なしで個室に泊まれます。

料金は国立公園内ということで、一律で決まっているようで、ぼったくられることはありませんでした。

1泊200Rs(約200円)が相場。(※2019年10月:エベレスト街道のロッジは1泊500Rsに値上がりしてました)

初めて泊まった時は、宿泊したい旨を伝える英語が全く出てこなくて焦ったのですが、ロッジの前に突っ立ていたら、ロッジのご主人が声かけてくれて泊めてくれましたw

ロッジが充実していて、わざわざテント泊装備を持っていく必要がないので、荷物は山小屋泊装備で十分。

有名じゃないトレッキングエリアはあまり整備されていない

有名か有名じゃないかの判断が難しいですが、地球の歩き方に掲載されていないルートは要注意だと思います。

私は先日、メラピークという標高6,500mの山に登ってきたのですが、そのメラピークベースキャンプまでのトレッキングは、メラピーク登山以上に苦労しました。

ベストシーズンに行かなかったせいもあり、積雪があって難航したというのもありますが、積雪がなくても、一人だったら通過できなかったなという箇所が多数ありました。

日本の山だったら、絶対に鎖が設置されているようなところが、ロープも鎖もなしです。あまりにも怖かったので、帰りはヘリで戻りたいなと思ったくらい。

ただし、積雪の心配がないベストシーズンに行き、ザトワパスの往復であれば、おそらく一人で歩いても大丈夫だとは思いました。

 

宿泊するためのロッジは、沢山ありましたが、クローズしているところが多かったです。

ガイドが事前に電話で連絡してくれていたので、宿泊できましたが、一人だったら野宿でした・・・。

ガイド・ポーターは雇った方がいいのか

上記をふまえて、ガイド・ポーターを雇うかどうかの私の判断基準を書いていきます。

ガイド・ポーターなしでも大丈夫なケース

日本での山歩きに慣れている方であれば、有名なトレッキングエリアを歩く場合は、ガイドなしでも問題ないと思います。

さらに、日本でテント泊登山に慣れている方であれば、ロッジに宿泊していくスタイルで山小屋泊装備で歩けるため、荷物を持ってくれるポーターもなしで全然大丈夫だと思います。大丈夫というよりも、楽に感じると思います。

ガイド・ポーターを雇った方がいいケース

山歩きに慣れていなかったり、体力に自信がない場合は、間違いなくガイド・ポーターを雇った方が安心かと思います。

また、混雑している時期に行く場合は、ロッジが満室になって泊まれない可能性があるので、ロッジの予約をしてもらうためにガイドを雇った方が安心です。

私は混雑時期に一人で歩いていて、宿泊拒否をされたことが数回。宿泊先を求めて疲れているのに、さらに3時間追加で歩き、そのまま嘔吐して大変な思いをしました。

あとは、有名じゃないルートを歩く場合は、道が整備されていなかったり、ロッジがクローズしている可能性もあるので、やはり、ガイドを雇った方が安心です。



ガイド・ポーターを雇うメリット

ガイドを雇うメリット

ガイドを雇うと、安心してトレッキングできるのはもちろんですが、

現地の人とのコミュニケーションができる ということがさらなるメリットだと思いました。

先日、20日間のトレッキングで初めてプライベートガイドと一緒に歩いたのですが、おもてなしサービスな会話の他に、彼の本音もポロポロと漏れ聞くことができたり、

ネパール人って、そういう風に考えているのか!などなど、一人で歩いているだけでは決してわからなかったことが沢山!

 

20日間、朝から晩まで現地の人と一緒にいる状況って、普通の観光であればなかなかないですよね。

強制的に、英会話の勉強にもなりますw

 

逆に、ひとり旅が好きな方であれば、20日間も一緒にいるなんて息が詰まる という心配もあるかと思います。

私もこの事が心配だったのですが、ガイドをしてくれたシェルパ族の方は、顔も心も日本人とそっくりで、ガツガツしていなく控えめ。適度に距離を置いてくれる配慮があって嬉しかったです。

ポーターを雇うメリット

荷物を持ってくれるポーターは、英語が話せない人がほとんどなので、コミュニケーションを楽しむことは期待できませんが、

言葉が通じなくても、態度で表してくれる控え目な善意が私はとても嬉しく感じました。

休憩中に、チョコレートをくれたり、サッと座布団を用意してくれたり、そして、いつも素朴な笑顔を向けてくれたり。

危険な所は近くを一緒に歩いてくれ、危険がない所は、静かにのびのび歩けるように適度な距離を置いてくれたり。

無言の優しさをかなり受け取りました。

ガイド・ポーターとの相性

私は過去に2度、個人ガイドをお願いした事があります。1度目はとても親切で良い方でしたが、2度目は親切は親切だけどちょっと難ありでした。

また、一人で歩いている時に、同じく一人で歩いているけどガイドを雇っている人と一緒に歩く ということが何度かあり、私はガイドを雇っていませんが、その人のガイドとも一緒に歩くことになりました。

この経験で感じたのは、とても親切なガイドと、こちらの気分を徹底的に盛り下げる&いちいちぼったくろうとするガイドがいました。後者のようなガイドに当たってしまった場合は、もう悪夢でしかありません。トレッキングは数日間に渡りますし、途中で解雇もできませんし。

私はその時、危険のないトレッキングルートを歩いていたので、一緒に歩いていたトレッキング客の方に理由を言って別行動にしてもらい、そのまま最後まで一人で歩きました。

 

ポーターは英語が話せないので、コミュニケーションで嫌な思いをする心配がないと思います。なので、用心棒として一人一緒にいてほしいけど、相性が心配という場合は、ポーターだけを雇うのが良いかと思います。

また、ポーターの中にも、ちょっとだけ英語が話せる人もいますので、ロッジの宿泊予約をお願いしたい場合は、ちょっとだけ英語が話せるポーターをお願いするという手も!

ガイド・ポーターの探し方

トレッキングルート上で声をかけられた自称ガイドを雇うのは、けっこうな掛けだと思います。私はそもそも、声をかけられたことが一度しかないのですが。

もし、道端で声をかけてきた自称ガイドの場合は、ライセンスを持っていない場合もありますし、嫌な思いをさせられたり、ガイドとしてのスキルが全然なかったりしても、クレームを言う事もできず、泣き寝入りになってしまいます。

特に、女性1人の場合は要注意!正直、エベレスト街道など有名なトレッキングルートはかなりしっかり整備されているので、1人の方が安全じゃないかと思ったりします・・・。

ガイド・ポーターをお願いする場合は、割高になってしまっても、ある程度の信頼できる旅行会社に斡旋してもらうのが安心です。(トリップアドバイザーなどに書き込み可能なくらいの会社)

旅行会社を選ぶ時の注意点

旅行会社斡旋のガイドだからといっても安心はできません。

料金が安すぎる会社に多いらしいのですが、

高度順応日を儲けないほどの短いスケジュールを組み、高山病にさせて、ヘリで下山させてしまうというケースもけっこうあるようです。ヘリの手配はとても親切にしてくれるようなので、一見親切に見えますが、保険金詐欺が横行しているようです。 昨年、このことが問題となり、ニュースになってました。(AFP通信:エベレストで横行する「不必要な救助」、ヘリ利用で保険金搾取

低価格ツアーを提供する会社では、登山客をヘリコプターで「救助」することで原価割れの分を補うようガイドらに指示しているとされる。ある匿名希望のガイドはAFPの取材に対し、「救助」しなければいけない登山客数のノルマが課せられていると打ち明けた。

AFP通信 記事抜粋

この記事が投稿された2018年の5月、私はエベレスト街道を歩きましたが、確かに、毎日BGMか!ってくらいヘリが飛んでました。てっきり荷揚げ&お金持ちのヘリツアーなのかなと思っていたのですが、保険を使ったヘリ下山が半分以上だったのかなと思っています。

ガイド・ポーターを雇う場合は慎重に

有名なトレッキングルートは危険箇所がなく、山歩きに慣れている方であれば、一人で歩いても問題はないと思います。

でも、ガイド・ポーターは雇った方がメリットが多いです。

ただし、数日間一緒に過ごすことになるので、雇う場合はくれぐれも慎重に。