ネパールではロックダウンになってから約2ヶ月を過ごし、チャーター便で帰国してからは2週間のホテルでの自主隔離をし、約2ヶ月に渡る自粛生活を送りました。
この長い自粛生活は、私はけっこう快適に感じました。
多分、登山以外はあまり出歩くのが好きではない性格が大きかったと思いますが、この体験を通して思ったことや、海外ロックダウン・ホテル隔離の実際の様子など書いていきたいと思います。
ロックダウンって!?
エベレスト街道を歩いている時にネパールがロックダウンとなり、エベレスト街道からカトマンズへ戻ることができなかったため、私はずっとエベレスト街道にいました。
詳細はこちらの記事に書いてますので、良かったら読んでみてください。
ネパールがロックダウンになったと初めて聞いた時は、正直、「ロックダウンって何??」というレベルで、ネットで意味をこっそり調べました。
中国では都市封鎖が行われているのをニュースで見ていたので、あれのことか!とすぐに理解はできましたが、世界中でこの都市封鎖が行われていることに驚いていました。
ネパールがロックダウンになったと聞いたのは、確か標高4000m越えたあたりの頃だったと思います。この時のエベレスト街道では情弱にならないようにとの配慮か、ほぼどこのロッジでもWifi接続が無制限無料となっていました。
トレッキングを終えて、エベレスト街道からカトマンズへは戻れないことは知っていたので、ナムチェバザールでロックダウンが終了するのを待つことに。
いつも泊まっていて今回も荷物を預けていたロッジに行くと、快く泊めてくれてホッとしました。
「飽きるまでヒマラヤにいよう!」と来ていたので、長く滞在することに何の不満もありませんし、むしろヒマラヤにいることができてホッとしたくらいだったのですが、1週間以上たった頃、手持ち無沙汰を感じ始めていました。
Wifiと充電は使い放題無料だったのが救いですが、ロッジ泊なので、ご飯は全て作ってもらえるし、部屋の掃除も洗濯もしてもらえる(自分で洗濯はNGというルールあり)、ネットを見ることと景色を眺めること以外にやることはありません。
景色はとても素敵な所ですが、やっぱり人間は、新しいことに出会ったり何かしら達成感を感じるようなことをしていないと手持ち無沙汰になってつまらないと感じてしまうんだなあと思いました。命の危険がなく、美味しいご飯も食べさせてもらってるのに贅沢ですね。
アウトプットできないことが辛い
この頃から、ノートPCがあればネットが繋がるので仕事ができたのに!!と思い始めるようになりました。
この素敵な景色の中で仕事できたら、私はずっとここにいたいぞ!と。
そんな思いを抱き続けること3週間、同じロッジに泊まっていた人がチャーター便で帰国するためにカトマンズへ戻ることに。
チャーター便に乗るという理由でカトマンズへの通行許可証が発行されるので、私もついでに許可証を発行してもらいカトマンズへ戻ることにしました。現地の方にはなかなか発行されてませんでしたが、外国人の場合は賄賂を求められましたが発行されました。
カトマンズへ戻り、旅行会社に預けていたノートPCを受け取って、ホテルでさっそく仕事開始!
ロックダウン中のカトマンズは、お店が朝と夕方の数時間しか開いてなく、レストランはクローズしていて旅行者には不便でしたが、車やバイクの騒音が無く、大気汚染も落ち着いていて、いつもの何倍も過ごしやすい環境でした。
また、食事はホテルで3食、好きな物を作って貰えたのが快適に過ごせた大きなポイントです。
3食のご飯はホテルで用意してもらえ、個室にシャワーとトイレがあって、Wifiと作業用の机と椅子もある。外は静かで、窓を開けていると風が心地いい。
一日中ずっと仕事に集中できる素晴らしい環境です(笑)
といってもネパールなので、Wifi状況や電気事情がそこまで良くないので冷や汗かくことが多かったですが、外出できない状況下では、部屋で仕事ができるのはとてもありがたいことだと思いました。
ネットで映画を観たり本をダウンロードして読むという楽しみ方もありますが、ずっと受動的なインプットばかりだと娯楽のはずが途中でしんどくなりました。やっぱり、インプット→アウトプット→インプット→アウトプットとどちらも出来る状態が一番だなあということを痛く実感しました。
チャーター便の予約は大変
半年くらいは帰国できないんじゃないかと思って、カトマンズのホテルに篭って仕事する生活を覚悟していたのですが、覚悟した1週間後に日本行きチャーター便が4便も出るというニュースが!
覚悟はあっさりと消え、すぐにチャーター便を申し込みました。
カトマンズにいれば安い生活費で日本基準でお金を稼ぐというチート行為ができるという思いがよぎっていましたが、私は暑さと虫がとても苦手なので、帰国できるチャンスがあれば帰国したいと願っていました。
やっぱり、どんなに安く生活できたとしても、暑さと虫に怯える毎日は私にとってはだいぶ辛かったです。
5月のカトマンズはずっと天気悪くて涼しかったのですが、途中から天気が良くなり、日中は暑くてけっこうしんどかったし、黒光したあの虫も見かけるようになっていて、夏を過ごす自信は全くなし。
さらに、コロナが拡大しているインドからの入国者が跡をたたず、ほとんど感染者のいなかったネパールでも感染爆発の危機が迫ってました。
コロナで隔離されたネパール人が脱走したというニュースを度々見ていたので、隔離施設の悲惨な状況も、帰れるなら帰らなきゃと思った理由の一つです。
それにしても、チャーター便が4便も出るなんて本当に驚きました。
日本人が帰国するために用意されたものではなく、日本在住のネパール人が日本へ戻るために用意されたチャーター便ということにも驚きです。
チャーター便の予約は、担当会社が忙しくてパンクしていたのか、とにかくレスポンスが遅く、毎日メールと電話をする日々が続き、前日の夕方にやっとチケットが送られるという状況。
実際に飛行機に乗ってみると、95%くらいネパール人!
座席は一つあけるとかの配慮は全くなく、ほぼ満席。チケット代は1200ドル。日本人、ネパール人、みんな同じ価格だったそうです。
今月も2便のカトマンズ→日本行きチャーター便が予定されているというので、日本在住ネパール人は随分多いということを今回知ることができました。
ただ、日本も仕事がなくなって給付金もらってる人が多いのに、来日して大丈夫なのかなあと余計な心配をしてしまいます。
帰国時の空港の様子
成田空港に到着したのは朝7時。
前の座席の人から順番に時間差で飛行機を降り、数分程度の簡単な質問に答えてすぐに空港の外に出られました。ネパールはPCR検査対象国ではなかったので。
並ぶ時は、ソーシャルディスタンスを保つように配慮されていて、空港係員の方はとても丁寧かつ親切。
ああ〜、日本人で良かったなあとしみじみ思いました。私が一番最後で、空港外に出られたのは9時半です。
空港外に出るまでは、同じ便に乗っていた人以外には誰とも会いません。
14日間隔離生活を送るホテルまで送ってもらえる検疫所のバスはガラガラ。
運転手席はビニールシートで覆われていて、きちんと対策されてることに日本を感じました。
隔離場所の選定
帰国後14日間は、個室で隔離生活を送るように要請されていることと共に、隔離場所までタクシー含む公共交通機関を使ってはいけないというルールが、車を運転できない私には重荷でした。
でも、成田空港の検疫所がバスを運行していたので大助かり!
まわってもらえるホテルは限られていましたが、その中にあったアパホテル京成成田駅前は、1泊2500円という素敵なキャンペーンを行っていたのでさらに大助かり!お財布の心配をそこまでしないで自主隔離2週間ができました。
他には、同じ便で帰国する人で東京都内に行くためにレンタカーを借りるという人とシェアする案もありましたが、都内のホテル宿泊代+レンタカーシェア代(乗り捨て)の方が高かったのと、帰国者を受け入れてもらえる施設を見つけられなかったのもあり、アパホテルが一番だという結論になりました。
アパホテルは6月いっぱいまで1泊2500円キャンペーンを行っていて、キャンペーン内であれば何泊でも宿泊可能です。キャンペーン価格で泊まるためにはアプリからの予約が必須です。
さらに、アプリから予約した分は10%キャッシュバックされるので、実質1泊2300円で泊まれることに!凄い!
ホテル2週間暮らし
狭いビジネスホテルのシングルルームに14日間の隔離生活。
窮屈そうに感じるかもしれませんが、登山しないなら引きこもることに全く抵抗のない私は、けっこう快適に過ごせていました。
ネパール帰りだったことも大きいと思いますが、全てが清潔、サクサクなWifi、停電の心配がない、エアコンがある、虫の心配がないという環境がとっても快適に感じました。
窓の外は開けていて室内にはたっぷり太陽の光が入ります。
そして、狭いけどコンパクトに全てが便利に収まっている部屋という印象で、椅子に座ったまま手を伸ばせば大抵のものに届いてしまうというのも便利でいいなと。
客室の清掃はNGとのことでしたが、タオルと浴衣などアメニティは毎日、シーツは4日に1度綺麗な物をドアの前に置いて貰え、ゴミはドアの前に置いておけば回収してもらえるというシステムでした。
この、シミのない真っ白なシーツと柔らかいタオルがまた嬉しいんです!ネパールのホテルのシーツとタオルは、大抵どこかにシミがあり、タオルはすごく固いんです。(高級ホテルはこんなことはないと思いますが。1泊3000円以下のホテルはだいたいこんな感じ)
私は床も綺麗にしたかったので、たまにホテルの掃除機を借りて自分で掃除してました。
毎日、新しい歯ブラシとカミソリも配布されたのですが、これらは1度で捨てるものなんでしょうか・・・在庫が部屋に貯まりました。
ずっと部屋で過ごすということに関しては、カトマンズ同様に私にとっては快適でした。部屋が清潔な分、さらに快適です。
ただ、これは適度にリモートでできる仕事を貰えていたというのが大きかったと思います。
もし、仕事のようなアウトプットをすることがなかったら、きっと悲鳴あげていただろうなと思います。
なので、リモートでできる仕事を今後は増やしていきたいなと鼻息荒く意気込んでます。
隔離終了になって感じたこと
快適と感じていたホテル生活も、隔離終了となり、いざ自由になったら、やっぱり嬉しくて嬉しくてニヤけてしまいました!
レストランは、どこも隣の席との空間を開けるようになっていて、店員さんがこまめにアルコール消毒していて、清潔大国ニッポンがさらに清潔大国になっていくのか!と思ったり。
レジの人と客の間には透明のビニールシートが挟まれるようになっていて、お互いマスクもしてるから、声が聞こえにくくてうまく伝わらないことがしばしば。
と、コロナ前と変わったなと思うところはこれくらい。あとは、外出時はマスクが必須ということでしょうか・・・
コロナ全盛期はアフターコロナの世界はガラッと変わると言われていましたし、私もそう思っていたのですが、緊急宣言が解除された後のニュースを見ると、満員電車が復活しているではないですか!!!
これからはリモートワークが主流になるのかなあなんて淡い期待を抱いていましたが、残念です。
他、自由の身になって嬉しかったことは、できたてのご飯を食べられることです!
やっぱり、ご飯は出来立てが一番!
2週間ずっと毎日3食お弁当を食べ続けていたので、出来立てご飯のありがたみを痛く実感できました。美味しさは全然違います!