厳冬期アルプス登山となると、単独はかなり厳しい。
でも、年末年始は個人でも行きやすくなるので、私はここぞとばかりに出動します!
年末年始にアルプス登山がしやすくなる理由は、下記の要因のためになります。
- 年末年始限定で営業する山小屋がある
- 登山バスが走る
- 多くの登山者が山に入る
- 天気の良いひを選ぶとラッセルは不要になる
(私は、絶対に快晴微風の天気が良い日 という自信がある日を選んで行きます。ちょっとでも天候に不安がある場合は行きません。)
なので私は、年末年始に家でゆっくり大晦日の紅白を見ながら夜更かしをし、のんびりおせち料理を食べて正月太りに悩むという、そんな年末年始を最後に過ごしたのはいつだったのか思い出せませんw
本記事では、これまで年末年始を過ごした雪山のアルプスをご紹介いたします。
北アルプス 燕岳
↑燕山荘から槍ヶ岳方面
モデルコース
- 1日目:宮城ゲート – 林道歩き約5時間 – 中房温泉 (テント泊 or 中房温泉宿泊)
- 2日目:中房温泉 – 燕岳(テント泊 or 燕山荘泊)
- 3日目:燕岳 – 中房温泉 – 宮城ゲート
交通手段:夜行登山バス利用(東京夜発ー宮城ゲート翌早朝着) 往復で約1.5万円
夏季は中房温泉までバスまたは車で行けますが、冬季は宮城ゲート以降は通行止めのため、約5時間ほど中房温泉がある登山口まで林道をひたすら歩くことになります。
特に素晴らしい景色があるわけでもないので、この5時間は修行となります。
この年末年始の期間だけ、中房温泉でアルバイトをしたことがあるのですが、そうすると、宮城ゲートから中房温泉までは車で送ってもらえるので、林道歩きに飽き飽きしているだろう方たちの横を通りすぎるときに、優越感に浸っていました。
このアルバイト、毎晩温泉に浸かれて、約一週間のバイト終了後には燕岳に登ることができ、帰りは中房温泉から宮城ゲートまで車で送ってもらえ、とても幸せなバイトでした♪
(宿泊費・食費は無料で、もちろん温泉も無料で入れました。年明けの瞬間は温泉に浸かっていたという幸せ♪)
中房温泉でのテント泊は、温泉地のため、そこまで寒さが気にならないのが利点!
テント泊でも、日帰り入浴サービスがあるので温泉を楽しめます。
中房温泉から燕岳までの登山道は、天気の良い日を選ぶと、しっかりとしたトレースがあるので道に迷うこともなく、もちろんラッセルの必要もなく、個人的な感想ですが、夏山より楽だなーと思いました。
私は2度、年末年始の燕岳に登りましたが、1度目は1人で、2度目は2人で登りました。
南アルプス 鳳凰三山(薬師岳)
↑鳳凰山薬師岳での初日の出と富士山
モデルコース
- 1日目:夜叉神峠登山口 – 夜叉神峠小屋(山小屋泊)
- 2日目:夜叉神峠小屋 – 南御室小屋 – 薬師岳小屋(山小屋泊)
- 3日目:薬師岳小屋 – 観音岳 – 夜叉神峠登山口
交通手段:甲府 – バス – 芦安 – タクシー – 夜叉神峠
宿泊:山小屋はどちらも事前に予約
登山バスがないので、車を持っていないとアクセスしにくいのが難点。
私は1人で登りましたので、車がないため、登山口までは電車とタクシーを利用しました。
そうすると、登山口に到着するのが午後となってしまうため、1日目は1時間ほど歩いたところにある夜叉神峠小屋に宿泊しました。
車で来ている人たちは、みんな一気に上まで行ってしまうようで、宿泊客は私ともう一人おじいさんだけ。
素泊まりで予約していたので自炊していたのですが、この日は山小屋のご主人と私とおじいさんの3人だけだったので、夜ご飯に用意されていたすき焼きを、なんとご馳走してくれました!
思いがけず豪華な食事に、また、実家に帰省したようなホッとする温かい雰囲気に、とても和みました。
2日目、薬師岳小屋までの道のりは、途中からアイゼンを使用しましたが、アイゼンなしの方も多く見かけました。ワカンやスノーシューは使用せず。
天気は良く、ずっとしっかりしたトレースがありました。
薬師岳小屋は雪に埋もれていました。
小屋に入ると、ほぼ全員の登山客が立派な一眼レフを持っていることに驚きました。
翌朝、薬師岳に登ってみると、各々ベストポジションをとっていて、うっすら明るくなり始めると、シャッター音が響き渡ります。
撮影終了後は、少しだけ散策して、来た道を引き返しました。
下山時、夜叉神峠小屋で一緒だったおじいさんとタクシー割り勘したかったのですが、とても健脚な方で追いつけず・・・ 高いタクシー代を一人で払って帰りました。
南アルプス 仙丈ケ岳・甲斐駒ヶ岳
↑仙丈カール
モデルコース
- 1日目:戸台登山口 – 北沢峠(テント泊 or 山小屋泊)
- 2日目:北沢峠 – 仙丈ケ岳 – 北沢峠(テント泊 or 山小屋泊)
- 3日目:北沢峠 – 甲斐駒ヶ岳 – 北沢峠(テント泊 or 山小屋泊)
- 4日目:北沢峠 – 戸台登山口
交通手段:車
北沢峠をベースに仙丈ケ岳と甲斐駒ヶ岳に登るプランは夏山と同じですが、戸台から北沢峠までは半日かけて歩く必要があります。
また、甲府側からはアクセスできないので、東京から行く場合は車がないとけっこう面倒に。
私は、たまたま一緒に行こうと誘ってくれたグループの方が車を持っていたので、運良く乗せてもらえました。
戸台ー北沢峠間は、特に危険箇所はありませんでしたが、とにかくつまらなく、ただただ修行ですw
北沢峠にある山小屋は営業していて、ビールも販売されていました。エビスの生ビールでしたよ!
戸台から修行してきた身には、最高のご褒美!
テント場は大盛況!
ずっと天気が良かったので、どちらの山もトレースがしっかりあり、迷うことなく、また、急斜面が苦手な私ですが、アイゼンがしっかりきいて、特に恐怖心を感じることもなく登山を楽しめました。
仙丈ヶ岳への道
↑甲斐駒ヶ岳の下山路
トレースはバッチリ!
北アルプス西穂高岳
モデルコース
- 1日目:新穂高ロープウェー駅 – 西穂山荘(テント泊 or 山小屋泊)
- 2日目:西穂山荘-西穂高岳-西穂山荘-新穂高ロープウェー
交通手段:登山バスまたは車
西穂山荘は通年営業しているので、年末年始ではなくても雪山登山が可能ですが、絶景が堪能できる雪山アルプスなのでご紹介!
ロープウェーを利用して、標高2,156mまで上がれるので、体力的には上記にご紹介した4ルートと比べるとはるかに楽になります。
登山口から2時間弱の登りで山荘に到着できます。テント泊も可能ですが、私が行った時は超極寒でとても辛かったです・・・。
まだ日があるうちでも、寒すぎて、ずーっとシュラフにくるまって、シュラフからは1ミリも出たくありませんでした。
また行くことがあれば、私は間違いなく小屋泊を選ぶと思います。
年末年始の西穂高岳は、私は独標までしか行けなかったのですが、
トレースはしっかりとあり、稜線に出てしまうと吹きっさらしなので、ワカンは一度も使用しませんでした。
3月にリベンジして西穂高岳まで登った山行記録がありますので、よかったらご覧ください。
年末年始限定の山岳天気予報
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いかがでしたでしょうか。せっかくの年末年始休暇、年末年始でしか味わえない登山を!
そして、雪山登山のハードルが通常期よりもぐっと下がるので、雪山初心者の方にもおすすめです!
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