【高山病対策】トレーニングの結果と続けるためのコツ

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ジム

標高6,500mへ登る為に、約10ヶ月間トレーニングをした結果、高山病になることなく、そして風邪や下痢にもなることなく、無事に登頂できました。

今日は、トレーニングをした結果、どのような効果があったかということと、トレーニングを続けるコツを、自分の備忘録含めて書き残しておくことにしました。

また、つまらないトレーニングを続けるコツと、トレーニングをすることによるメリットもお伝えしたいと思います。

高山病が心配な方に、少しでも参考になりましたら幸いです。

私の生まれもった高所適応能力

高所に強いかどうかは、ある程度、体質・遺伝の要素があると言われています。

私自身は、初めての北アルプス標高3000mほどのところで、強い頭痛に見舞われるという高山病を経験しています。

その後、アルプスの絶景に魅了されてしまい、高山病の苦しさよりも絶景を見たい!という気持ちばかりが先行し、せっせとアルプスへ通ううちに、標高3000mにいつの間にか慣れていて、そしていつの間にか、標高3000mでお酒を楽しむようになっていました。

その後、富士山へ日帰りで行ったことがあったのですが、これまで経験したことのない標高3880mまで登り、見事に高山病になりました。激しい頭痛と吐き気・・・。

ネパールでのトレッキングでは、もちろん富士山の標高あたりで見事に高山病で苦しみました。頭痛・吐き気、さらには下痢・発熱まで・・・

ということで、私の生まれもった体質・遺伝要素は、高所には強くないということが言えると思います。

ただ、初めてのアルプス登山で高山病になったのに、そのあとせっせと通ううちに、お酒を楽しめるくらい順応できていた経験を思い起こし、

きっと、ゆっくり行ったりトレーニングをすれば順応しやすくなるはず! と希望を持って、次回ヒマラヤ登山に向けてトレーンングをしました。

高山病対策のために行ったトレーニング内容

トレーニングメニューの決め方

高山病は体質だからしょうがないと言われていますが、何度かネパールのトレッキングへ行った時、若くて元気な人と、若くはないけど、しっかりトレーニングしてそうな人は、高山病になっていなく、普段運動してなさそうな人は高山病になってる率高いな という印象がありました。

そこで、トレーニングして体力をつければ、少しはマシになるんじゃないかと思い、ネットで調べているうちに、こちらの本を見つけ勉強しました。

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こちらの本では、高所登山だけではなく、初心者登山者から始められるトレーニング内容が紹介されていて、そして、なぜそのトレーニングが必要なのかということを、実際のデータを元に説明してくれているので説得力があります。

また、年齢とともに自然と体力は衰えるのに、それに気づかない中高年への気づきとなるようなエッセンスも盛り込まれていて、中高年の私はとても戒めとなりました。

中高年は意識してトレーニングする必要あり!

私が実践したトレーニング内容

空気を取り込む能力(心肺機能)が高ければ高いほど、高地への順応は早くなりやすい

という、上記の本の記載を信じて、心肺機能を高めるために有酸素運動をメインに頑張ることにしました。

毎日トレーニングするために、自宅から一番近い24時間利用できる無人マシンジムに入会。

せっかくジムに入会したので、お金がもったいないからという理由で、ついでに筋トレもしましたw

このついでに行った筋トレが、またとても効果がありました!

重たいザックを背負うのが、とっても楽になったんです。

いつも、テント泊装備を背負うとフラフラしていたのが、しっかり安定して歩けたことに驚きでした。

上記の本を読むと、背筋と首の下あたりの背中の筋肉が鍛えられていると、重たいザックを背負いやすくなる と書いてあったので、とても納得!

そして、下山の為の筋力を鍛えるためにスクワットも行いました。

高山病対策トレーニングメニュー

  • 有酸素運動(心拍数150〜180)30分〜60分
  • 筋トレ(腹筋・背筋・腕など上半身)10分
  • スクワット(負荷付き) 150回〜200回

この内容を最初の半年はほぼ毎日、残り数ヶ月は一日おきに行いました。

有酸素運動に使用したマシーンはクライムミルというものです。

ひたすら階段を登り続けるというものなのですが、ランニングと比べると体への負担を少なくして心肺に負荷をかけることができるのが魅力です。

私は、心拍数150〜180を数分おきに繰りかえすように使っていたのですが、ランニングで心拍数を160以上にしようとすると、足腰への負担がとても大きく、心肺機能を高める以前に、ランニング用の筋肉を鍛える必要が出てきて面倒だったので、このマシンは”神”に感じました。

しかも、階段を登り続ける動作は、まさに登山! これは登山者用に作られたマシンではないでしょうか!

さらに、このマシンは人気がないので、だいたいいつでも利用できました。

ランニングマシンは人気があるので、いつも混雑しています。

低酸素室を利用しなかった理由

低酸素室という便利なサービスがあるので、とても惹かれましたが利用しませんでした。

料金がとても高いのと、宿泊はできず、ほんの2時間ほどしか体験できないので、

費用対効果を考えると、私の場合は、現地での滞在日数を増やしてゆっくり登った方が安上がりだ という結論となりました。

忙しいビジネスパーソンは、低酸素室を利用した方がいいかと思います。

低酸素室を提供されている三浦ドルフィンズの三浦豪太さんのコメントが、こちらのYOUTUBEで公開されています。47分50秒あたりからです。

低酸素室を利用するメリット要約

  • 低酸素を経験することによって実際の高所で頭がパニックにならない
  • 低酸素室に入って30分くらいで 高所特有の遺伝子がスイッチONになり、赤血球を増やす。そして体を強くする。



高地へ行った時に感じた効果

海外登山 個人

今回は、かなりゆっくり登ったこともあり、無事に高山病にならずに済みました。

ダイアモックスの使用は4000mを越えてから使用していたので、これまでよりかなり順調に順応できました。

また、風邪などになることもなかったので、抵抗力も上がったのかなと思っています。(人が少なかったので、感染源がなかったのも大きいですが ^^;)

高地へ行くと、抵抗力が弱り、風邪などひきやすく、そして下山するまで治らないという厄介なことになるので、たかが風邪とは笑えません。

周りを観察すると

これまで出会ったトレッカーを観察していて、若くて体力がある人は高山病にかかりにくい という私の中での法則があったのですが、

今回は、そのパターンは見事に破られました。

私の何倍も体力のある20代の若者が、5000mから高山病に苦しんでいました。ダイアモックスを飲んでも、なかなか効果が現れなく、1日2錠のダイアモックスと痛み止めも飲んで、やっと順応していました。(絶対に登頂したいという気力が凄かったです)

また、私のトレッキングガイドをしてくれた現地シェルパの若い男の子は、5000mまではとっても元気だったのに、5800mのハイキャンプへ行ったら高山病にかかってしまい、頂上までは一緒に歩けませんでした。

5000mのロッジでコックをしているシェルパも、5800mのハイキャンプ でお腹の調子が悪くなってしまい、ご飯を作ってくれませんでした。(ポーターが代わりに作ってくれました)

他のグループのシェルパも、高山病にかかっている人がいました・・・

普段高地で暮らすシェルパ(しかも若者男子!)でも5800mまで来ると高山病になるなんて、かなり驚きました。

ただ、シェルパは油断して前夜にお酒を飲んでいた可能性はあります。

若さや体力は高度順応に比例するのか

もちろん、はっきりと断言はできませんが、周りを観察していると、完全に比例はしていないと思いました。

でも、自分のトレーニング前後を比較すると、体力、特に心肺機能が高い方が、高度順応に有利だということは実感しました。



トレーニングを続けるコツ

毎日無理なく続けられる環境を作る

登山の為のトレーニングは登山が一番

というのは重々わかっていますが、なかなか普通に生きていたら難しいことではないでしょうか。

山好きにとって、毎週末登山できたら最高ですよね!

私は、以前は毎週末登山へ出かけていましたが、今は難しいです。近場の日帰り低山へ行くことはなんとかできそうですが、積極的な体力アップには繋がりません。

そこで、最初は皇居ランなど、自宅近くをランニングすることからはじめました。

が、、

数回ランニングしたあとは天気が悪い日が続き、ランニングできない日が続き、そしてそのまま猛暑へ入ろうとしていましたので、外を走るという無料トレーニングだと、体力アップできない!と、

今度は、区のスポーツセンターに通うことにしました。入会金はなく、1回500円なので気楽にはじめられます。

が、、

ランニングマシンは混雑していて順番待ちな上に、1回30分しか利用できません。

そして、夜は22時に閉館してしまうので、ちょっとでも残業してしまった時にはトレーニングできなくなってしまいます。

自宅から歩いて20分かかるので、30分走るために毎日2時間くらい確保しなければならないのはとても厳しいと感じました。

そこで、自宅から一番近い、歩いて5分ほどの所にある、24時間利用できる無人のマシンジムに入会。

これが私にはピッタリでした!

24時間利用できるので、残業で遅くなってもトレーニングできます。

室内なので、天気に左右されることはなく、猛暑でもエアコンがきいているので快適にトレーニングできます。空気清浄機も設置されていたので、とても快適でした。区民スポーツセンターと比較すると、かなり空調に関して快適でした。

混雑することもありますが、基本、順番待ちということはなかったので、思い立った時に出かけてすぐにトレーニングできる というのがとても良かったです。

有酸素系のマシンには、インターネットが閲覧できるモニタがついていたので、YouTube見ながらトレーニングでき、つまらないトレーニング時間もなんとか耐えることができました。

土足OKのジムなので、靴を履き替える手間がなく、自宅からトレーニングウェアを着てそのままトレーニングできる手軽さも魅力。

みっちり1時間トレーニングしても、自宅から近いので、トレーニングにかける時間は1時間半以内。

このような環境を作ったことで、私は毎日トレーニングを続けることができました!

 

毎日1時間半の時間をトレーニングに捧げるのは、またこれが難しい。

トレーニングすると、私の毎日は、仕事とトレーニングだけで終わってしまいます。自分の自由な時間って、こんなに少ないのかと絶望しました。絶望しましたが、この事実に気づけたのは良かったです。

とにかく、このトレーニング時間を絶対確保するために、いろんな付き合い飲み会はきっぱり断り、無駄と思える残業は一切しなくなりました。

毎日トレーニングするために必要な環境

  • 天候に左右されない
  • 自宅から近い
  • 24時間いつでも利用できる
  • 混雑していない
  • 鬼の意思で時間を確保する

絶対達成したい目標を持つ

毎日トレーニングを続けられる環境を作ったけれども、やっぱりトレーニングは楽しいものではない。

楽しいと思う方もいらっしゃるとは思いますが、大半の山好きな方は、室内でのトレーニングは嫌いですよね?

大自然の中でのトレーニングならモチベーション上がりますが、狭い空間でのトレーニングって、楽しくないですよね?

私は楽しくないと思っています。

でも、半年以上も継続できたのは、絶対にあの山の頂上に立ちたい!という強い目標があったからだと思っています。

有酸素運動中は、英会話レッスンを主に見ていたのですが、時々は、登りたい山へ実際に行った人が撮影したYOUTUBE動画を見て気持ちを高めていました。

目標を達成してしまった今、見事になーんにも運動していませんw

筋トレもしていたので、かなり体が引き締まってカッコよくなったので、もったいないなあと思いながらも、全くトレーニングする気がおきません・・・

目標があるのとないのとで、こんなにも差がでることに驚きです。

せっかく引き締まった体を手に入れたので、崩れ去る前に、また目標を見つけてトレーニングを再開したいと思います。

トレーニングを続けるコツ

  • 毎日無理なく続けられる環境を作る
  • 絶対達成したい目標を持つ

心肺機能を強化して、楽しい山旅を!

少しでも高山病に強くなりたい場合は、心肺機能を強化するのは、私は有効だと実感しました。

高山病に不安がある方は、ダイアモックスの使用&ゆっくり登るということはもちろんですが、心肺機能強化のトレーニングをすることはオススメです!

心配機能を強化して、ぜひ、楽しい山旅を!

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